芸術祭十月大歌舞伎 昼の部2018/10/10 01:04

2018年10月6日 歌舞伎座 午前11時開演 1階17列17番

「三人吉三 大川端の場」

七之助のお嬢を観るのは三度目。巳之助のお坊は二度目だ。巳之助がお坊のときはお嬢は隼人だったな、と浅草のあれこれを思い出した。
おとせ役の鶴松は、うまいけれども、あまり若い娘っぽくない。
七之助のお嬢は、「おいらは泥棒だよ」とガラッと男になるところがはっきりしていていい。
獅童の和尚は、これより後の場が観たい。この場だと、百両は俺がもらっとく、というのが獅童らしくちゃっかりしてるな、と笑いをとれる程度。

「大江山酒吞童子」
この公演のチケットは勘九郎の酒吞童子を観るために買った。
濯ぎ女わらび役の種之助の踊りまで観られて嬉しかった。

「佐倉義民伝」
もっと熱血系の話かと想像していたが静かだった。物質的に貧しい時代だったということはよくわかった。
いろんな意味で動きが少ない芝居だった。

芸術祭十月大歌舞伎 初日 夜の部2018/10/02 01:24

2018年10月1日 歌舞伎座 午後4時半開演 2階東11の1番

「宮島のだんまり」
奴団平役の隼人は見映えがする。

「吉野山」
今月、私が一番観たいのは勘九郎の踊りだ。
スッポンから現れた狐忠信の踊りは素晴らしくて、良い踊りを観たい欲求が久しぶりに満たされた。勘九郎の忠信は静に対してとても丁寧な態度なので、しっかり主従に見える。忠信が静に踊りの振りを教えるところ、男雛女雛の形になるところは綺麗で楽しかったし、「待ってました」と声がかかって始まる、合戦を物語る忠信の踊りは圧巻だった。
早見藤太は巳之助。一行全体と藤太の動きがよく見えるので、この席をとってよかった。

「助六」
助六の出端をよく見たいからこの席をとったわけだが、仁左衛門の老いも見えてしまった。タタタタッ、と出て来ると記憶しているのに、タッタッタッタと出てきて、やっぱり転ばないように気をつけているんだ、と思った。
今回の助六は、七之助に揚巻をさせるためにやるのだろう。今月の全演目の役者の中で、一番ドキドキしているのは七之助だろう。意休に対する悪態が始まるときには「ガンバレ、七之助」と、弁慶初役のときの新之助以来久しぶりに心の中で応援の声をかけた。七之助はそれに応えてがんばってくれた。意休に「ふんっ」という顔をして引っ込むあたりはイマイチ。
勘九郎の白酒売りは無理がなくうまかった。しゃべり方が勘三郎に似ていると思った。

團十郎襲名で初めて「助六」を観たから感じるのかもしれないが、もう少し祝祭感がないと「助六」らしくない。

秀山祭九月大歌舞伎2018/09/13 23:56

2018年9月12日 歌舞伎座 午後4時半開演 1階14列10番

「操り三番叟」
幸四郎の踊りはいつも役者的なもので、舞踊としてはあまり期待していない。もう少しメリハリをつけて楽しませてほしかった。

「俊寛」
吉右衛門の親戚だけでこんなレベルの高い俊寛ができてしまうのが凄い。菊之助が加わったのが大きい。成経の役は南座で観た歌昇が可愛くて千鳥と恋仲であることがくっきりと浮き上がって見えたが、菊之助はそうでもない。ただ、若くてきれいで、貴公子の雰囲気があるところがいい。成経といっしょに花道を出て来る康頼は錦之助で、きれいどころがそろう。
妹尾役の又五郎が特にうまいと思った。

「幽玄」
「羽衣」
舞台に太鼓が並んでいて、舞台下手から入ってきた裃をつけた鼓童のメンバーが太鼓を打つ。
伯竜たち(歌昇、萬太郎、種之助、弘太郎、鶴松、吉太朗その他)が花道から出て来る。
歌昇が羽衣を持って、台詞を言う。
玉三郎は天女の格好で歌いながら花道に出てきた。きょうの席は花道に近くて後ろの方なので、出るときも帰るときもよく見えた。
舞台では能風に動く玉三郎と鼓童の活躍が目立って、伯竜たちが控えているだけに見えるのが残念だった。

意外なことに「羽衣」の後、20分の幕間。

「石橋」

歌昇、萬太郎、種之助、弘太郎、鶴松が獅子の姿になって、太鼓の演奏との競演。見応えがあった。

「道成寺」
夜の道成寺という設定の照明。暗い花道を、赤っぽい着物を着た玉三郎が出て行く。衣装は綺麗だが、太鼓の演奏に囲まれた玉三郎の動きが少ない。
最後は蛇体となるが、綺麗な玉三郎のままで終わってほしかった。

文楽 「夏祭浪花鑑」2018/09/09 14:50

2018年9月8日 国立劇場小劇場 午後4時開演 1階15列12番

歌舞伎では何度も観た「夏祭浪花鑑」。文楽は初めて観る。人間ではよく知っている役を全部人形で見るのは面白い。歌舞伎にあって文楽にはない部分もあって、終始飽きずに観た。
左右に字幕が出てくれるのがありがたい。歌舞伎では聞き取れないか意味がわからないままになっているものも、文字を見れば理解できる。

「住吉鳥居前の段」は歌舞伎と同じ。しかし団七の着替えを持ってきた三婦が「白旗を忘れた」と言って自分のを代わりに渡そうとするエピソードはない。

「内本町道具屋の段」と「道行妹背の走書」は歌舞伎では観たことがない。磯之丞は清七という名の手代として道具屋で働いていて、そこのお嬢さまのお中と深い中。前の段に琴浦が出ていたので、あれ、琴浦は?と思う。清七は仲買の弥一と義平次、番頭の伝八に騙される。ここに至る商人どうしのやり取りがなかなか面白かった。清七は弥一を殺して、お中と逃げる。「道行妹背の走書」は、はじめ心中風に二人で歩いているが、心中は三婦に止められる。お中は、追ってきた伝八に首の吊り方を教えてくれと騙し、木に手拭いを吊って首をかけた伝八の足を
清七がはらって実際に首つりをさせてしまう。そして、先刻自分が書いた「自分が弥一を殺した」という書置きを下に置いて、弥一を殺したのは伝八と思わせるようにした。

この後、「釣船三婦内の段」。ここで、琴浦がお中に嫉妬して磯之丞と喧嘩している。磯之丞は「若い娘がいる家で働かせる三婦が悪い」と言う。三婦は、「伝八が残した書置きが伝八の手ではないという噂があるので、安全のために磯之丞を遠くへやりたい」と言う。
歌舞伎では観たことがない前の2段を観た後では、琴浦と磯之丞の諍い、磯之丞を遠くへやることの必然性がわかる。そして、「若い娘がいる家で働かせる三婦が悪い」という言葉は、次に出て来るお辰に三婦が「顔に色気がある」と言って磯之丞を預けることを拒む伏線になっている。
お辰は、文楽でもやはりすごくかっこいい。文楽では、お辰が花道を引っ込むときの「ここじゃない、ここでござんす」のやり取りはない。

クライマックスの「長町裏の段」は、歌舞伎とほとんど同じではないだろうか。あの立ち回りを、全部人形がやるのが凄い。文楽の方が歌舞伎より先なんだとすれば、よくあんなこと考えたと思う。台詞がない立ち回りに見とれた。
神輿と人波が入って来るシーンが面白かった。団七はそれに紛れて行く。歌舞伎では大抵はこれで終わりだが、文楽は「田島町団七内の段」というのがある。歌舞伎でも、この段をやったのを観たことがあるが、団七が踊りながら祭りの人波についていくので終わる方が芸術性が高いと思う。

松竹大歌舞伎 平成三十年度 西コース 初日2018/09/02 22:11

2018年8月31日 川口リリア 午後1時開演 1階12列36番

「吉野山」

邪魔になるものがなく舞台と花道のように使う舞台袖を見渡せて、気持ちの良い席だった。
壱太郎と愛之助の「吉野山」は永楽館以来。最初に静が出てきて、静だけのときがけっこう長い。玉三郎と海老蔵のときは二人いっしょに出て来たような記憶があるのだが、あれはまた違う型のものだったのかも。
忠信役の愛之助は、一度暗転した後に明るくなったら舞台袖に立っていた、という出方だった。愛之助は忠信の拵えが似合う。
忠信がたまに狐になるときが可愛いかった。
忠信が静に振りを教えて静がそれに習って踊るシーンは綺麗だった。最後に忠信が両手を開いて静の後ろに立って男雛女雛の形になるところで拍手をもらっていた。
合戦を回想するシーンでは浄瑠璃の「思いぞいずる壇之浦の」に続けて忠信が「うみにひょうせんへいけのあかはた、くがにしらはたげんじのつわもの~」と語るのが良い声だった。踊りはそんなにうまくないが、まぎれもなく歌舞伎役者、という雰囲気。
逸見藤太は猿弥。歌舞伎座でも観たことがある。
立ち廻りが終わると、みんな舞台にいて幕となった。忠信の花道の引っ込みはない。

「四の切」

幕が開くと欄間に目をやって、四角の切込みが見えなかったので、きょうは欄間抜けはないのだと察した。
川連法眼は寿治郎、妻の飛鳥は吉弥。声が聞こえにくかった。何年か前にここで観たときも一部聞こえにくいところがあった。
義経は門之助、亀井六郎は猿弥、駿河次郎は松江。
静が鼓を打つと忠信が出て来る階段返しはあって、出て来る直前に誰かが叫ぶのもあった。
忠信が静に自分の素性を語るとき、狐っぽさはあまり強くなかった。ただ、今更ながらこの語りは上方アクセントなんだと気づいて、上方役者でこの役を観るのは初めてだと思った。
「さては其方は狐じゃな」と言われて床下に消え、狐の姿になって館の中の上手方面から出てきて、階段を下りてくる。この型は、国立で翫雀がやったときにも観た。
狐の姿で階段を上るのは、猿之助ほどうまくはない。欄干を掴んで館に上り、欄干の上をちょこちょこ歩くのは無事にできた。そして、下手奥の竹垣の上部が倒れて、そこに飛び込んで消える。
狐が再び現れるときは澤瀉屋では欄間抜けだが、この型では床下から出て来る。
最後は上手の桜の木に登った。

澤瀉屋型の方が面白いとは思うが、狐がいつどこから出て来るか全部わかって、そんな自分に嫌気がさして、この演目自体にも少し嫌気がさしている自分にとっては今回の巡業は新鮮だった。「見せる」よりも「聴かせる」四の切があってもいいと思う。愛之助の狐をまた観たい。

第十回 広忠の会2018/08/28 00:07

2018年8月25日 観世能楽堂 12時開演 正面席7列1番

亀井俊雄五十回忌追善、葛野流十五世家元継承披露、ということだ。
切符といっしょにもらったチラシは二つ折りだが、入り口がもらったチラシは三つ折りで、広忠の「御挨拶」と亀井俊雄三回忌追善の番組が載っていた。

最初は「翁」で、三番叟は野村萬斎。野村萬斎の三番叟を観るのはこれで5回目。面箱は野村裕基。小顔の若者だ。

最後は「道成寺」。重そうな鐘を竹に吊るして4人で運んできて、竹の先に金具をつけたような道具を使って天井に縄を通してつるし、終わった後は縄を下ろして、再び金の頭に巻き付けて運んで行く情景が珍しくて、見とれた。

八月納涼歌舞伎 2部2018/08/18 23:19

2018年8月18日 歌舞伎座 午後3時開演 1階11列42番

納涼の2部は昔から出ている役者に加えて澤瀉屋のNARUTOに出ていない役者、趣向の華に出ていた役者が加わって、特に若手がすごくたくさん出ていた。

「東海道中膝栗毛」

幕開け、いきなり喜多八の葬式。喜多八(猿之助)の大きな遺影の前で弥次郎兵衛(幸四郎)が泣いている。死んだ理由は、大阪の襲名について行って大道具をやって、油地獄の油ですべって頭をうった、ということだ。周りで慰めている人がたくさんいて、虎吉役の虎之介がけっこううまいと思った。

七之助、獅童、中車が三人セットでいろいろな役で早変わりで出る。こういうのは今まで見たことがないが、三人が何度もそろって出てきて物語を運んで行くので、役の数は多いのにとっちらかった感じがしない。役者は大変だと思うが、納涼ならではの贅沢な配役かもしれない。

七之介がお染、獅童が久松、中車がお染の母で花道で並んだとき、獅童より先に行こうとする中車を獅童が何度も押しとどめるのが笑いを誘っていた。

「美少年が来たよ~」という台詞の後に花道を出て来るのが染五郎と團子。二人は、嘆き悲しむ弥次郎兵衛に貯めた金を差し出して、お伊勢参りに行くように勧める。二人の良い行いに対し、「親の教育がいいんだろう」という幸四郎の台詞。前回は観なかったが、初回の弥次喜多では一本調子の子役の台詞だった染五郎が、若者らしくなっていた。

写真がくるりと反転して幽霊となった喜多八役の猿之助が出て来る。猿之助は、立っているだけでわかるレベルのうまさ。花魁の役のときよりも、喜多八の方がうまいと感じた。
地獄へ行くのだと絶望的になっている喜多八のところへ両親と兄(例の3人)の幽霊が現れて、一番大切に思う人に「ありがとう」と言ってもらえれば極楽に行ける、と告げる。
その後、喜多八は、怪しげな三人組(例の3人)が弥次郎兵衛を追っていくのを見て、心配になって後をつける。

第二場は神奈川宿の茶飯屋。茶屋の女が新悟。黒衣が犬と猫を操っている。人間になると犬が弘太郎、猫が鶴松。
猿之助が、花魁役で、例の3人も入った花魁道中で通りかかる。ここは籠釣瓶のパロディで、弥次郎兵衛は花魁を追って旅籠に向かう。
喜多八の幽霊はそれを心配し、話しかけてきた犬と猫といっしょに弥次郎兵衛を追いかける。

旅籠の亭主役は廣太郎。
喜多八と犬と猫は入り口に御札が貼ってあるため入れなかったが、犬と猫が爪ではがす。「器用な子じゃのう」は鮓屋のパロディか。
怪しげな三人組も続いて入る。

旅籠の女将の役は米吉。
喜多八は花魁を身請けしたいと言って若い二人にもらった路銀を出すが、3両しかない。それでは身請けできない、と女将は言うが、花魁は面白がってそれで身請けされる、と言う。
花魁に惚れている次郎左衛門の役は片岡亀蔵で、「そでなかろうぜ」の台詞。
怪しい三人組は次郎左衛門に「愛想づかしは辛かったろう」と言って近づき、いっしょに喜多八と花魁を殺して恨みをはらそう、という。

次の場は、旅籠内にいる人々のだんまりになって、幕。

次の場で、若い二人は富士川の渡しを渡るが、弥次喜多は怪しげな三人に騙されて地獄に連れて行かれてしまう。犬と猫はそれを若い二人に伝え、若い二人は、地獄とつながっていると言われる富士山の麓の洞穴に飛び込む。

地獄では祭りの最中で、みんなで踊りを踊っている。鷹之資と橋之助あたりがうまかった。千之助は女歌舞鬼の役で、一人で長く踊った。小鬼の役は右近。右近が踊っているとき、閻魔役の右團次が写真をとったりいっしょの振りをしたりしていた。右近は昔の亀治郎のようだ。

弥次喜多を助けに来た若い二人と地獄の面々の間で立ち回りがある。
團子一人の立ち廻りの見せ場もあった。

弥次郎兵衛は生きて現世に戻るが、瀕死の状態。今まで聞こえなかった喜多八の声が聞こえるようになった。

舞台後ろから、キリストが天使を従えて現れる。キリストは誰かと思ったら門之助。

宙乗りは、高麗屋親子と、猿之助團子の二組だった。


「雨乞其角」

其角が扇雀で、船頭は歌昇と虎之介、芸者は新悟と廣松だった。
納涼で歌昇の踊りが見られるとは思わなかった。廣松は踊りうまいのに役不足に感じる。
弟子たちには若手がそろう。たくさんいる若手を捌くのにちょうど良い演目なのだろう。男寅を見るのは久しぶりだ。千之助もこの演目では立役で弟子として踊っている。鶴松がうまかった。

NARUTO2018/08/06 23:11

2018年8月6日 新橋演舞場 午前11時開演 1階3列23番

幕開き、舞台後ろの映像に狼みたいな絵が映っていて、その前に格子が閉まっていて「封」と書いた紙がついていた。狼に見えたのは九尾の狐だった。赤ん坊のナルトに九尾を封じ込めた、というのが発端らしい。封じ込められた九尾の力が漏れるときはナルトの後ろの映像に九尾がめらめらっと映る。

音楽は普通の歌舞伎の義太夫が使われ、時々、現代的なテーマソングのような歌が入る。義太夫のときは下手に字幕が出ていた。

漫画のNARUTOは読んだことがないが、芝居を観て登場人物とあらすじは大体理解できたので、よくできていると思う。忍者の話でワンピースのような洋物より元々歌舞伎になじむし、九尾の狐や八岐大蛇のような歌舞伎でおなじみのものが出てきて、歌舞伎らしかった。

ナルト役の巳之助、サスケ役のかっこいい隼人、ピンクの衣装のさくら役の梅丸は、木の葉隠れの里の下忍。「三忍」と呼ばれる忍者が自雷也(猿弥)、大蛇丸(笑三郎)、綱手(笑也)。フレッシュな浅草組が走り回り、ベテランの澤瀉組が安心の芸で支えてくれる。出る人が多すぎないのでそれぞれの役者の演技をたっぷり楽しめたのが嬉しかった。

笑也演じる綱手はキリッとした女で、いつも美女役の笑也が男っぽく怒鳴るのが笑えた。綱手は請われて五代目火影となる。「四代目」「三代目」という言葉が芝居を通して頻繁に出るので、どうしても猿之助のことを連想してしまう。笑也は梅丸を鍛える役で、美女二人が並ぶのが良かった。

自雷也役の猿弥は、ナルトを鍛える。遊女の格好をした段之についていったり、ラーメンを食べるのを我慢しろとナルトをからかったり、ユーモラスなシーンが多い。

笑三郎は、大蛇丸と、ナルトの母の二役で活躍。大蛇丸は語尾が女性的になる印象的なキャラで、愛之助がやっても面白そうだった。サスケに教えるが、最後はサスケにやられてしまう。大蛇丸が大蛇の姿になってサスケ役の隼人と戦うところでは、先月の錦之助の八岐大蛇との闘いを思い出した。8人がくっついてやっていた先月と違い、こちらの大蛇はやられて何個かに分かれた。梅丸のサクラが大蛇につかまりそうになるところもあり、それは稲田姫を思い出した。

愛之助はマダラの役で、「暁」という黒装束のグループを率いている。
開幕間もなく、愛之助の声の黒装束が舞台上でぶら下がっていたが中の人は愛之助ではない感じがした。仮面をとって顔を見せたのは二幕目。私の席からよく見えるところに立って台詞を言った。大詰でナルトとサスケにやられて死ぬときは仏倒れだった。

九尾の狐の声は猿之助。猿之助がマダラをやるときは愛之助が九尾の狐の声なのだろう。猿之助の台詞は良かった。

大詰はナルトとサスケその他で本水の立ち廻り。この暑い時期にぴったりだ。座席にビニールが配ってあったが、私のところには水はほとんど飛んでこなかった。

その他、印象的だったのは大蛇丸の側近のカブトの役で、きれいな顔立ちだと思ったら國矢、サスケとの立ち回りで殺陣がうまかったイタチ役の市瀬秀和、カカシ役の嘉島典俊。

国立劇場 7月歌舞伎鑑賞教室2018/07/27 23:56

2018年7月14日 国立劇場 午前11時開演 2階4列39番

「歌舞伎のみかた」は新悟。日本振袖始は過去に何回か観ているが、タイトルの由来を初めて知った。舞台をしっかり見ていればわかるのかもしれないが、いつもぼーっと観ているから。作者が近松門左衛門というのも意外。上方歌舞伎のイメージなのに、こんなものも書いているのか。

「日本振袖始」は、岩長姫が時蔵、稲田姫が新悟、素戔嗚尊が錦之助。
この演目の歌舞伎座の舞台は材質や色が歌舞伎離れした印象を受けたが、今月はそうでもない。
両サイドに義太夫の字幕が出るが、字幕を見ても難しい言葉が多い。
時蔵が下手なわけではないが、岩長姫の踊りのところで眠くなった。花道から素戔嗚尊が出て来ると目が覚める。玉三郎が岩長姫だったときはどうでも良かった八岐大蛇が良くて、この演目の一番の見どころなんだと再認識した。

国立劇場 6月 歌舞伎鑑賞教室 「連獅子」2018/06/06 01:26

2018年6月2日 国立劇場大劇場 午後2時半開演 3階8列22番

「歌舞伎のみかた」
巳之助は舞台後方に立っていて、舞台の奥の深さを強調した。きょうは、生徒を舞台に上げていろいろさせるタイプ。二人上がってきた。演目が踊りなので舞台には所作台が置いてある。
すり足の仕方、見得、扇の使い方などを指導し、最後は花道を通ってすり足ではけた。
巳之助の解説は明瞭でわかりやすい。噛まないだけではなく、聴いている人にわかりやすいようなメリハリをつけている。「山や谷」の言い方とか。この仕事をするにあたって、誰かに指導されるのだろうか。
「連獅子」のストーリーの説明用に四枚の絵が出てきた。上手から、石橋、牡丹と獅子、崖の上と下に離れた獅子の親子、宗論の二人。巳之助は「ポップな絵」と表現していたが、ヘタウマな味わいがあって印象的。
最後は、また歌舞伎が観たいと思ったら~ということで、八月のNARUTOの宣伝をした。

「連獅子」
又五郎、歌昇親子の連獅子を観るのは何年か前の巡業以来だ。あのときは歌昇の熱血仔獅子に萌えたが、きょうは、あの時ほど格好つけた感じはしなかった。だが狂言師の衣装と赤い色が似合って、ほんのりとした色気を感じた。又五郎は全く外連味なく名人の踊り。

宗論は、隼人と福之助。巡業のときに種之介が踊った浄土の僧を隼人が踊り、隼人が踊った法華の僧をきょうは福之助が踊る。浄土の僧の方が難しい踊り。隼人は法華の僧の方が見映えがして似合うような気がした。福之助は踊りはしっかりしている。

又五郎と歌昇が獅子の格好になって花道から出てきた。仔獅子が花道を後退るときの足の運びが上から見えた。獅子の踊りはわりとあっけなくて、すぐ毛振りになる。毛の量や質が違うせいもあるのだろうが、又五郎の毛は先が最後にくるんと丸くなるのに、歌昇の方は丸まり方が不完全に見えた。毛振りの最後、歌昇は高速でグルグル回した。