リフレッシュ休暇2006/10/01 00:18

10月2日~6日まで20年勤続のリフレッシュ休暇を5日連続でとる。 その前夜祭ともいうべき昨夜は10時40分まで会社にいた後、帰宅途中に中央線が東京駅で動かなくなり、大混雑の丸ノ内線で帰った。幸先が悪い。

10日連続の休暇だが金がないので大阪に一泊するだけで、あとは東京にいる。平日の昼間にしかできないことをするつもり。おりがみ会館に行くのと赤坂のファラフェル屋さんに行くのが希望。

「薔薇よ永遠に」 「紅蓮のくちづけ」 Yogini2006/10/02 01:26

きょう買った本と雑誌だ。

明日、松竹座で「染模様恩愛御書」を見るために大阪へ行くので、行きの新幹線で「薔薇よ永遠に」を、帰りの新幹線で「紅蓮のくちづけ」を読む予定。「薔薇よ永遠に」 は三島由紀夫について書かれている箇所だけ 先に読んだが、福島次郎以外にもベッドをともにした男や恋人と目される男の名前が出てきておもしろかった。三島と寝たと 言うのはいいが、福島も藤田も三島の身体に欲情しないと言ってるのは墓の下の三島が気の毒。

Yoginiは愛之助が出ているので買った。ヨガのポーズで写っている写真はポロシャツの下のがっしりした上半身がよくわかって好きだ。

10月松竹座花形歌舞伎2006/10/05 02:32

松竹座

2006年10月2日 初日 夜の部 午後4時開演 1階3列17番

2006年10月3日 昼の部 午前11時開演 1階1列14番

「染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん) 細川男敵討」

(こんな話です) 会津藩剣道師範の横山図書は美しいイヨを嫁にもらって皆からうらやまれている。図書は刀を買おうとして舅に目利きを頼んだが、舅は焼刃が悪く不吉だと言って買うのを止める。一旦はあきらめた図書だが門弟の勧めにより気持ちを変えて買ってしまう。門弟が図書にイヨには忍び男があると告げる。イヨは実は図書を好きになれず婚儀以来気鬱の病で枕も交わしていない。帰宅した図書はふとしたはずみでイヨを切り殺してしまう。そこに印南十内が現れる。図書は十内も切り殺す。

そのときから10年の時が流れ、十内の忘れ形見数馬は細川家の小姓に召抱えられている。数馬に思いを寄せる腰元の薊は恋人の吉三に会いたいために火をつけたお七について数馬に語る。秋元家に仕える大川友右衛門は浅草寺参詣の際に数馬を見、その美貌に一目惚れして浅草寺に日参するようになる。ある日数馬を呼び止めてたもとに艶書を忍ばせる。やがて、秋元家から暇をとり、細川家に中間として奉公する。それが昇進したので仲間が祝ってくれる。ある日、通りかかった数馬の袖に恋歌を書いた短冊を忍ばせる。数馬は薊と立ち話をした後、その短冊を落としてしまい、それを薊が拾う。数馬は「今宵忍べ」と書いた文を友右衛門に投げる。

その夜、友右衛門は数馬の部屋に忍んで行き、二人は衆道の契りを結ぶ。数馬は自分には父の仇があると打ち明ける。薊は二人の密会を殿様に密告する。数馬の部屋に細川家の家臣が来たので数馬は友右衛門を長持ちの中に隠す。家臣は数馬の腕に衆道の契りの切り傷があるのに気づく。長持ちの中の友右衛門も見つかり、二人は殿様の前で詮議を受ける。二人は殺されそうになるが、友右衛門は数馬には父の仇打ちという使命があるので殺さないでくれと懇願する。友右衛門の心に打たれた殿様は友右衛門を士分に取り立てることにし、数馬を彼に預けることにする。悔しさに歯軋りする薊。

友右衛門の妹きくは図書が殺した妻イヨに瓜二つで、今は別の家に奉公している図書の妻になった。それを知った数馬は敵討ちに急ぐ。細川家を訪れていた図書は逃げようとするが細川家の家臣に邪魔をされる。薊は、家に火をつけて図書を助けるかわりに友右衛門を殺してほしいと頼む。弓矢で図書を討ち取ろうとした家臣を殺して弓矢を奪い、薊の持つろうそくの火をつけた矢を放って家に火をつける。敵討ちにやってきた数馬を図書は返り討ちにしようとする。約束が違う、という薊。あれは方便だった、と言う図書。やがて友右衛門も加勢し敵討ちが成る。

友右衛門は細川の殿の恩義に報いるため、火のついた家の中から家宝の御朱印を取りに行こうとする。数馬もいっしょに行こうとするが、友右衛門から殿と奥方を守れと言われ、残る。

火の中に入った友右衛門は御朱印を火から守るため自分の腹を切り内臓を取り出してそのかわりに腹の中に御朱印を入れる。鎮火後、友右衛門の死体の中から血まみれの御朱印が見つかる。悲しみにくれる数馬。殿様は数馬が大川の家を継ぐように言い渡す。

(舞台と感想) 幕が開くと「染模様恩愛御書」と墨で書いた幕の前に講談師が座って発端を語る。講談師はこの後も何回か出たが、芝居に盛り込めなかった事情を語らせて話の筋がわかるようにするためだと思う。 その幕が上ると廻り舞台の上で役者が踊っている。下にいた四人のうち一人は松之だった。階段の上の段でも何人か踊っていた。 この階段つきの台がメインの舞台装置で、廻り舞台が廻って場面が転換する。役者にも装置にもあまり金をかけない舞台だった。一幕目が二時間、間に三十分の休憩をはさんで二幕目が一時間5分。

発端で妻の十内とイヨを殺してしまう横山図書だが、刀の祟りというより婚儀以来妻が気鬱の病で枕を交わしていない欲求不満のイライラから殺してしまったのかもと感じる。

主役の一人印南数馬役の愛之助は台上の上手から登場。声は通常の立役の声よりもやや高め。杜若の花が天井から降りてきて、それを手にした数馬が下手から登場した友右衛門(染五郎)と後ろ向きでぶつかる。これは「世情浮名横串」の見初めの場を思い出す。

数馬の愛之助は女っぽい小姓をやるのかと思っていたら声を普通よりやや高くして少年を表現している以外はわりと普通の男。しかし友右衛門に「今宵忍べ」と投げ文をして寝所に忍ばせ、二人で語るあたりは女形の経験を生かしたやわらかい動きで身体からエロスを発している。男も惚れるような美少年の小姓、というほどの美貌ではないが、今回愛之助は時分の花で勝負できない分、歌舞伎役者としての技術で勝負したのだと思う。

濡場は期待したわりには物足りない。演出、役者ともに足りない。同じ演出でも仁左衛門と玉三郎なら十分色っぽさを感じたろうし、染五郎と愛之助でも演出によってはもっと色っぽいものになっただろう。数馬が行灯の灯りを消し、だんまり状態になって友右衛門の腕をとって奥の間に連れて行く。その後の二人の様子はシルエットで見せる。シルエットでキスされても感動は少ない。

奥の間から出てきた後、互いの腕に傷をつけて血をすすり、傷口を重ねる。このあたり、仁左衛門と玉三郎だったらどんなに・・・・・と、個人的結論は「仁左衛門と玉三郎は偉大だ」になってしまう。

この様子を見ていて悔しがる腰元・薊役の春猿が舞台に花を添えている。詮議を受けたにもかかわらず最後には許され、数馬までもらった友右衛門の様子に歯軋りする幕切れもおもしろい。

ツイストローズ2006/10/05 18:17

ツイストローズ

きのうは湯島のおりがみ会館へ行ってツイストローズの折り図つき折り紙をゲット。

これは折りバラと言っていいのか? 折っている時間は三分程度? 折り畳み傘の骨が折れてる状態で真ん中をひねって回りの紙を巻いて花びらにするような感じ。でもできた形は福山ローズよりも美しいような気がする。

簡単に作れるのではまっていくつも作った。おりがみ会館で買った「ねじる薔薇」用の紙だとブローチにしてもいいようなのができる。こしのある和紙で金箔が入っているようなので作ると一番綺麗かもしれない。メッシュは広がってしまうのでもっと糊をきかせたりしないと形がつかない。

お手入れ会2006/10/06 23:50

きょうは雨の中を化粧品店のお手入れ会に出かけた。8月のときは松島会があってキャンセルしたのだ。

きょうも十二万円のクリームのパックをしてもらった。買った化粧品の景品として、小さい容器に入っているクリームをもらった。それだけで9千円分だと言われてドキドキ。

休暇の終わり2006/10/10 01:52

長い休暇は夢のように過ぎ去るのが常だが今回も同じ。おりがみ会館には行けたが赤坂のファラフェル屋さんには行けず、カポーティも出口のない海も見られずに休暇終了。ひたすらお金ばかり出て行く。南座の顔見世を申し込み、玉三郎の観世能楽堂での公演を申し込み、国立劇場の11月公演を申し込み、三越の歌舞伎おもしろ講座を申し込んだ。この後まだ歌舞伎座の11月公演のチケットと演舞場の11月公演のチケットを買う。それにケンブリッジ英検の申し込み。

ケンブリッジ英検2006/10/12 00:40

会社の帰りに飯田橋のブリティッシュカウンシルにケンブリッジ英検の申し込みに行った。昼休みに振り込んだときの証明書と会社で打ち出して電車の中で書き込んだ受験申込書、同じく電車の中であて先を書いた封筒二通を持って。窓口に提出するのかと思ったら、窓口のお姉さんがポストの場所を教えてくれて、特に提出物をチェックせずに封筒に入れてポストに入れた。

今回はCAEを受けることにした。宣言してしまえば勉強するかと思ったがいつまでたっても勉強モードにならずCPEは無理とあきらめた。今年CAEを受けて英語の実力を安定させ、それを基礎に来年CPEに挑戦しよう。

出口のない海2006/10/18 00:03

午後半休して新宿ジョイシネマで「出口のない海」を見た。友達にチケットをもらっていたが今まで行きそびれていて、でも二十日までなので歌舞伎を見るために半休する予定だったきょう見ることにした。会社からも歌舞伎座からも近い有楽町にしなかったのは9階で見るのがこわいから。きょうのジョイシネマは入ってすぐの1階。すごく私好み。

「出口のない海」は強く反戦を訴えるわけでもなくお涙頂戴でもなくて好感が持てた。感動の名作というわけではないが、今まできいた戦争のエピソードの一つとして長く心に残るだろう。回天で特攻する予定の主人公の並木が恋人の美奈子と最後に汽車の窓で話すシーンで泣いた。実際にああいう恋人達は自分の両親の世代にはたくさんいたわけだ。友人の中にもお母さんの許婚が戦死したからお父さんと結婚したという人はいる。もう一つ泣けたのは主人公が整備係とキャッチボールしているところ。日本人はアメリカと戦争してるにもかかわらず野球は好きで捨てられなかったんだというところに感動した。

人間が簡単に死ぬ時代だったわけだ。

海老蔵は回天の複雑な操縦なんか覚えられなくて途中で爆死しそう。あの人は繁殖に精を出して民族の容貌の向上に尽くした方が世のため人のためになる。

歌舞伎座 十月大歌舞伎 夜の部2006/10/19 22:46

2006年10月17日 歌舞伎座 午後四時半開演 1階7列1番

「仮名手本忠臣蔵」 五段目、六段目

1月に松竹座で見た演目。勘平役の仁左衛門が玉三郎演じるお軽とわかれるときに「まめでくらせ」と言うときの目がもう一度みたいと思ったのだが今回はあのときのように気が入っているように見えなかった。菊之助のお軽 は綺麗でうまいが仁左衛門と恋人には見えない。何も言ってくれない勘平に、お軽があきらめて行こうとするときに呼び戻して膝に抱くとき、先ずお軽を抱きしめていた。慣れてないコンビなので、ああするのが確実なのだろう。

おかやが下手だったと思う。松竹座の竹三郎は夫や娘に対する情愛を感じさせたが。

これに先立つ五段目、山崎街道は海老蔵の定九郎が迫力があった。もっと色男風なのかと予想していたが、甘みは薄く、凄みのある若い男。傘をさして膝を折っているところの写真を買ったがシャープな線で描いた浮世絵のようだ。 今ビジュアル的には最高の役者だろう。玉三郎は写真よりも絶対肉眼で見たいし、動きがあるほうが美しい。しかし海老蔵はある一瞬を切り取って静止させた写真を見るとき、肉眼で動いているのを見たときよりもその一瞬の美しさがはっきり捉えられて、「こんなに美しかったか」と驚く。今の若さは冷厳なカメラアイにも耐え、その美貌は肉眼で見たときと比較していささかも遜色がない。

「髪結新三」

有名な演目だがはじめてみた。幸四郎が登場したとき、写真で見た勘九郎の方が似合ってると思った。門之助の髪をなでつけているときの様子が江戸の髪結いはこんな風にしてたのか、と興味深い。

新三は悪い奴なのだ。知らなかった。

途中眠ってしまったが、弥十郎のごうつくばりの大家がとても面白かった。最後に鰹の半身を忘れずに持って帰るところは笑った。

十月花形歌舞伎2006/10/22 22:20

2006年10月21日 松竹座 夜の部 午後4時開演 2階6列15番

2006年10月22日 松竹座 昼の部 午前11時開演 1階14列9番

「染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん) 細川男敵討(ほそかわのかたきうち)」

2階席後方は花道が見えないので今回の演目では欲求不満になる。ただ、照明がどう当たっているか、とスモークの出方はよく見えた。火事場の場面ではスモークとテープの火の粉が舞っているスペースが前方に見えて、1階に座った経験がなければ一体下はどうなってるんだろうと思っただろう。

1階14列9番の席は、全体が一番よく見通せた。前の方の席にいたときは気づかなかった、数馬が友右衛門が袂に入れた艶書に気づいてドギマギする様子もわかって面白かった。客先もそれを見て沸いていて、はじめの期待は外れたが全体として軽めのボーイズラブとしては楽しめるものだと思った。

前回とは演出が変わった点がいくつかある。

数馬が登場して間もなく、杜若を手にするシーンで、前は杜若が天井から降りてきていたが後ろの花の中から摘むような、より自然な設定になっていた。

寝所から出てくるとき、数馬が袴の紐をしめようとしている。前は着物がヨレッとしていただけのような気がする。

二幕目で、前は花道から客席の後ろ通路から上手通路を走り抜けていた友右衛門と数馬が、舞台から下手通路に降りるようになった。上手通路から舞台に駆け上がった後、階段を上がって上段のでっぱりのところで数馬がつまづいて転び、友右衛門が「数馬」と言って駆け寄り寄り添うシーンは前はなかった。日曜昼はここで「ご両人!」とかかった。

友右衛門の焼死体が舞台に置かれたときの数馬の嘆きも前より目立つようになったと思う。前は初めに駆け寄ったあと、「殿の御前じゃぞ」と言われて離れてからあんなに声を出して泣いてはいなかった気がする。

二幕目のはじめの「歌舞伎体操」の後でしのすけの父親が「歌舞伎体操のふりがちがいますらよ。そんなことでどうする。2階のロビーで歌舞伎体操のCDと・・・」というのも前はなかった。その続きで、しのすけが医者に診てもらつているとき、胸を診られてアンアン言ってるのも前はなかったような気がする。

役者はみんなそれぞれ役が身についてきたと思った。カーテンコールは愛之助も染五郎も上手から出てくる。カーテンコールでは二人は見詰め合うこともなくそっけなく感じた。