10月松竹座花形歌舞伎2006/10/05 02:32

松竹座

2006年10月2日 初日 夜の部 午後4時開演 1階3列17番

2006年10月3日 昼の部 午前11時開演 1階1列14番

「染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん) 細川男敵討」

(こんな話です) 会津藩剣道師範の横山図書は美しいイヨを嫁にもらって皆からうらやまれている。図書は刀を買おうとして舅に目利きを頼んだが、舅は焼刃が悪く不吉だと言って買うのを止める。一旦はあきらめた図書だが門弟の勧めにより気持ちを変えて買ってしまう。門弟が図書にイヨには忍び男があると告げる。イヨは実は図書を好きになれず婚儀以来気鬱の病で枕も交わしていない。帰宅した図書はふとしたはずみでイヨを切り殺してしまう。そこに印南十内が現れる。図書は十内も切り殺す。

そのときから10年の時が流れ、十内の忘れ形見数馬は細川家の小姓に召抱えられている。数馬に思いを寄せる腰元の薊は恋人の吉三に会いたいために火をつけたお七について数馬に語る。秋元家に仕える大川友右衛門は浅草寺参詣の際に数馬を見、その美貌に一目惚れして浅草寺に日参するようになる。ある日数馬を呼び止めてたもとに艶書を忍ばせる。やがて、秋元家から暇をとり、細川家に中間として奉公する。それが昇進したので仲間が祝ってくれる。ある日、通りかかった数馬の袖に恋歌を書いた短冊を忍ばせる。数馬は薊と立ち話をした後、その短冊を落としてしまい、それを薊が拾う。数馬は「今宵忍べ」と書いた文を友右衛門に投げる。

その夜、友右衛門は数馬の部屋に忍んで行き、二人は衆道の契りを結ぶ。数馬は自分には父の仇があると打ち明ける。薊は二人の密会を殿様に密告する。数馬の部屋に細川家の家臣が来たので数馬は友右衛門を長持ちの中に隠す。家臣は数馬の腕に衆道の契りの切り傷があるのに気づく。長持ちの中の友右衛門も見つかり、二人は殿様の前で詮議を受ける。二人は殺されそうになるが、友右衛門は数馬には父の仇打ちという使命があるので殺さないでくれと懇願する。友右衛門の心に打たれた殿様は友右衛門を士分に取り立てることにし、数馬を彼に預けることにする。悔しさに歯軋りする薊。

友右衛門の妹きくは図書が殺した妻イヨに瓜二つで、今は別の家に奉公している図書の妻になった。それを知った数馬は敵討ちに急ぐ。細川家を訪れていた図書は逃げようとするが細川家の家臣に邪魔をされる。薊は、家に火をつけて図書を助けるかわりに友右衛門を殺してほしいと頼む。弓矢で図書を討ち取ろうとした家臣を殺して弓矢を奪い、薊の持つろうそくの火をつけた矢を放って家に火をつける。敵討ちにやってきた数馬を図書は返り討ちにしようとする。約束が違う、という薊。あれは方便だった、と言う図書。やがて友右衛門も加勢し敵討ちが成る。

友右衛門は細川の殿の恩義に報いるため、火のついた家の中から家宝の御朱印を取りに行こうとする。数馬もいっしょに行こうとするが、友右衛門から殿と奥方を守れと言われ、残る。

火の中に入った友右衛門は御朱印を火から守るため自分の腹を切り内臓を取り出してそのかわりに腹の中に御朱印を入れる。鎮火後、友右衛門の死体の中から血まみれの御朱印が見つかる。悲しみにくれる数馬。殿様は数馬が大川の家を継ぐように言い渡す。

(舞台と感想) 幕が開くと「染模様恩愛御書」と墨で書いた幕の前に講談師が座って発端を語る。講談師はこの後も何回か出たが、芝居に盛り込めなかった事情を語らせて話の筋がわかるようにするためだと思う。 その幕が上ると廻り舞台の上で役者が踊っている。下にいた四人のうち一人は松之だった。階段の上の段でも何人か踊っていた。 この階段つきの台がメインの舞台装置で、廻り舞台が廻って場面が転換する。役者にも装置にもあまり金をかけない舞台だった。一幕目が二時間、間に三十分の休憩をはさんで二幕目が一時間5分。

発端で妻の十内とイヨを殺してしまう横山図書だが、刀の祟りというより婚儀以来妻が気鬱の病で枕を交わしていない欲求不満のイライラから殺してしまったのかもと感じる。

主役の一人印南数馬役の愛之助は台上の上手から登場。声は通常の立役の声よりもやや高め。杜若の花が天井から降りてきて、それを手にした数馬が下手から登場した友右衛門(染五郎)と後ろ向きでぶつかる。これは「世情浮名横串」の見初めの場を思い出す。

数馬の愛之助は女っぽい小姓をやるのかと思っていたら声を普通よりやや高くして少年を表現している以外はわりと普通の男。しかし友右衛門に「今宵忍べ」と投げ文をして寝所に忍ばせ、二人で語るあたりは女形の経験を生かしたやわらかい動きで身体からエロスを発している。男も惚れるような美少年の小姓、というほどの美貌ではないが、今回愛之助は時分の花で勝負できない分、歌舞伎役者としての技術で勝負したのだと思う。

濡場は期待したわりには物足りない。演出、役者ともに足りない。同じ演出でも仁左衛門と玉三郎なら十分色っぽさを感じたろうし、染五郎と愛之助でも演出によってはもっと色っぽいものになっただろう。数馬が行灯の灯りを消し、だんまり状態になって友右衛門の腕をとって奥の間に連れて行く。その後の二人の様子はシルエットで見せる。シルエットでキスされても感動は少ない。

奥の間から出てきた後、互いの腕に傷をつけて血をすすり、傷口を重ねる。このあたり、仁左衛門と玉三郎だったらどんなに・・・・・と、個人的結論は「仁左衛門と玉三郎は偉大だ」になってしまう。

この様子を見ていて悔しがる腰元・薊役の春猿が舞台に花を添えている。詮議を受けたにもかかわらず最後には許され、数馬までもらった友右衛門の様子に歯軋りする幕切れもおもしろい。

ツイストローズ2006/10/05 18:17

ツイストローズ

きのうは湯島のおりがみ会館へ行ってツイストローズの折り図つき折り紙をゲット。

これは折りバラと言っていいのか? 折っている時間は三分程度? 折り畳み傘の骨が折れてる状態で真ん中をひねって回りの紙を巻いて花びらにするような感じ。でもできた形は福山ローズよりも美しいような気がする。

簡単に作れるのではまっていくつも作った。おりがみ会館で買った「ねじる薔薇」用の紙だとブローチにしてもいいようなのができる。こしのある和紙で金箔が入っているようなので作ると一番綺麗かもしれない。メッシュは広がってしまうのでもっと糊をきかせたりしないと形がつかない。