バルバラ異界2006/12/03 02:20

萩尾望都の「バルバラ異界」が日本SF大賞を受賞したそうだ。「残酷な神が支配する」が手塚賞を受賞したときは今さらと思ったものだが、「バルバラ異界」の受賞は素直に嬉しい。萩尾作品としては知名度も低く、これから先も萩尾作品の中ではマイナーな部類であり続けるだろうが、個人的に思いいれのある作品だ。

第一話読後は初期の作品のような軽いファンタジーかと思ったが第二話のSF度が尋常でなく、一気にはまった。特に瀬戸内海に現れる幻の島のあたりに魅力を感じた。結局、この第二話が連載中ベストだった。

英会話のレッスンのときにこの第二話の要約を英語で書いたものをMiriにチェックしてもらった。Miriも面白いと言ったが、後でそれを読ませたら息子も面白いと言ったそうだ。

4巻で終わったがせめてもう1巻あったほうが広げた風呂敷をもっとうまくたためたのではないかと思う。ずっとキリヤに感情移入して読んでいたので最後が悲しかった。どんな形であっても渡会とキリヤが幸せになったと読者が安堵できるような番外編をひとつ書いてほしい。