新春浅草歌舞伎 2日目 第2部 ― 2007/01/05 22:48
2007年 1月3日 浅草公会堂 午後3時開演 1階う列21番
今月買ったチケットのうち一番前の席。舞台が近くて中央だと役者さんの熱演が目の前で起きるので迫力がすごい。獅童が汗をポタポタ落としているのがよく見えた。
「義経千本桜 渡海屋・大物浦」
芝のぶは女官の一人で、最初に安徳天皇の世話をする女房の一人として出てくるが、しぐさがとても自然で、女の人にも好かれるああいう優しい女の人っているなあ、と思った。何度も見ているとファンになる気持ちがわかる。
亀鶴といっしょに花道を出てきた愛之助の姿はかなり近くで観られたが、手の甲に布をつけていたので残念ながら血管は見えなかった。
七之助の長台詞は本当に素晴らしい。玉三郎だって23歳のときにこれほどうまくはなかったろう。女形というと、まず綺麗か不細工かに関心が行くが、この人の演技を見ると大人っぽくて、歌舞伎には若く綺麗な女の役以外にもいろいろ大きな役があるのだから女形だって綺麗なばかりが価値じゃないと思い至る。この人の魅力はまず声だが、声の質というよりそれをコントロールするセンスの良さを感じる。 こんな風に若い才能が花開くのを見られるのが花形歌舞伎の魅力だ。
長台詞はオペラのアリアと同じでうまい人のを聞くとうっとりする。古典はやはり凄い。
熱演の獅童もよくて、この演目が公演中一番楽しめた。公演前に一番期待した「すし屋」は愛之助の肩や腕を見られて嬉しいが、話の内容自体が好きになれない。仁左衛門の権太は見たことがないが、仁左衛門はステキでも話自体はやっぱり私の好みではないような気がする。
「身替座禅」
愛之助の玉の井は近くから観るとがっちりした体格があまりよくわからない。顔はおかめというか、火の鳥のアメノウズメのようなブス顔。仁左衛門は素顔そのままで般若のように怖い顔だったが。
愛之助は玉の井の声のようなやや高い声の方がよく通ってききやすい。権太の声は11月の羽倉斎宮と同じで良い声なのだがややぽおっと広がる感じで台詞がやや聞き取りにくくなる。
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