歌舞伎座こけら落とし12月 初日 昼の部 ― 2013/12/09 23:59
2013年12月1日 午前11時開演
仮名手本忠臣蔵
えっへん、えっへんの配役紹介。海老蔵は流石にすごい拍手、と思ったら、その後が玉三郎で、一番だった。当然。
「大序」
役者が目を閉じてじっとしている幕開き。顔を下向き加減にしているので、師直は、ん、あれ本当に海老蔵?という感じだった。でも順番が来たらカッと目を見開くんだろうと思っていたら、その通りだった。
海老蔵初役の師直は悪くない。染五郎は師直に呼び止められるたびに明らかに不機嫌な様子を見せ、幕が閉まる前は肩を大きく上下させて怒りの様子を表していて、前にいてとどめる様子の菊之助と対照的だった。
「三段目」
進物の場、伴内役の幸太郎は台詞がよく入ってなかったようだ。
刃傷の場の前には、長い畳を一回投げるだけで反対側まで敷き詰め、客席から拍手が湧くお約束も無事に終了。
役者本人の年齢差を考えながら見ると、海老蔵の師直、染五郎の若狭之助、菊之助の判官のからみは面白かった。この世代は、海老蔵を師直に回しても勘平や判官や定九郎の配役に困らないくらい美形が多いんだな、とも思った。
「四段目」
去年の花形忠臣蔵に引き続き、菊之助の判官は良い。力弥を前にしてダメだというような顔をするのは菊五郎の方がわかりやすかったが。
力弥役の右近は先月の梅枝ほどは目立たない。普通の出来。
大星は私は染五郎が好きで、幸四郎の大星は、基本的には同じだろうから、たぶん良かったんだろう。私は一番大事なところで睡魔に襲われて、大星が判官の横でポンと胸を叩くあたりを見そこなった。
七之助の顔世は、相変わらず綺麗でうまい。大序からずっと、特筆するところがなく、普通。
「道行旅路の花聟」
玉三郎のおかる、待ってましたっ!
おかると勘平が笠で顔を隠して現れて、笠をとって顔が見えると美しさに客が拍手する、この嬉しさ。
玉三郎の衣装は御所模様で綺麗。松竹座で仁左衛門と踊ったときは、衣装まで、輝くように美しく見えたが、きょうはそれほどではない。おかるに比べて勘平は終始難しい顔をしていて、気にかかることがあるんだとわかる。仁左衛門のときは難しい表情でさえ美しさの中に溶け込んでしまって、勘平の置かれた状況がどうのよりも、見る方はただただ美しさに酔う。
玉三郎は、「賃仕事」のところで昔ほど華麗にひら~んと手を動かさなくなった。勘平の世話をやくような所作をするとお母さんみたいに見えてしまうのも仕方ない。海老蔵と二人の踊りなら、吉野山の方が好きかも。
それでも二人は十分美しい。勘平が一人で踊るところで、黒い着物と赤い襦袢、白い襟の色彩がとても綺麗だと感じたのは初めてだ。
二人が引っ込みで花道七三にいるとき、「お似合いです!」と声が掛かった。
仮名手本忠臣蔵
えっへん、えっへんの配役紹介。海老蔵は流石にすごい拍手、と思ったら、その後が玉三郎で、一番だった。当然。
「大序」
役者が目を閉じてじっとしている幕開き。顔を下向き加減にしているので、師直は、ん、あれ本当に海老蔵?という感じだった。でも順番が来たらカッと目を見開くんだろうと思っていたら、その通りだった。
海老蔵初役の師直は悪くない。染五郎は師直に呼び止められるたびに明らかに不機嫌な様子を見せ、幕が閉まる前は肩を大きく上下させて怒りの様子を表していて、前にいてとどめる様子の菊之助と対照的だった。
「三段目」
進物の場、伴内役の幸太郎は台詞がよく入ってなかったようだ。
刃傷の場の前には、長い畳を一回投げるだけで反対側まで敷き詰め、客席から拍手が湧くお約束も無事に終了。
役者本人の年齢差を考えながら見ると、海老蔵の師直、染五郎の若狭之助、菊之助の判官のからみは面白かった。この世代は、海老蔵を師直に回しても勘平や判官や定九郎の配役に困らないくらい美形が多いんだな、とも思った。
「四段目」
去年の花形忠臣蔵に引き続き、菊之助の判官は良い。力弥を前にしてダメだというような顔をするのは菊五郎の方がわかりやすかったが。
力弥役の右近は先月の梅枝ほどは目立たない。普通の出来。
大星は私は染五郎が好きで、幸四郎の大星は、基本的には同じだろうから、たぶん良かったんだろう。私は一番大事なところで睡魔に襲われて、大星が判官の横でポンと胸を叩くあたりを見そこなった。
七之助の顔世は、相変わらず綺麗でうまい。大序からずっと、特筆するところがなく、普通。
「道行旅路の花聟」
玉三郎のおかる、待ってましたっ!
おかると勘平が笠で顔を隠して現れて、笠をとって顔が見えると美しさに客が拍手する、この嬉しさ。
玉三郎の衣装は御所模様で綺麗。松竹座で仁左衛門と踊ったときは、衣装まで、輝くように美しく見えたが、きょうはそれほどではない。おかるに比べて勘平は終始難しい顔をしていて、気にかかることがあるんだとわかる。仁左衛門のときは難しい表情でさえ美しさの中に溶け込んでしまって、勘平の置かれた状況がどうのよりも、見る方はただただ美しさに酔う。
玉三郎は、「賃仕事」のところで昔ほど華麗にひら~んと手を動かさなくなった。勘平の世話をやくような所作をするとお母さんみたいに見えてしまうのも仕方ない。海老蔵と二人の踊りなら、吉野山の方が好きかも。
それでも二人は十分美しい。勘平が一人で踊るところで、黒い着物と赤い襦袢、白い襟の色彩がとても綺麗だと感じたのは初めてだ。
二人が引っ込みで花道七三にいるとき、「お似合いです!」と声が掛かった。
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