八月納涼歌舞伎 初日 一部2016/08/09 23:22

2016年8月9日 歌舞伎座 午前11時開演 1階12列26番

「嫗山姥」
観るのは三度目くらい。面白かった記憶はなくて、女形の見せ場があったとだけ覚えている。
きょう見ても、話は頭に入ってこない。しかし八重桐役の扇雀は、所作はうまくないが、面白い味が出て来たと思う。

「権三と助十」
これは初めて観た。染五郎と獅童は同い年のいい男なのにがっぷり四つで共演することが少ない。それは歌舞伎役者としての格や実力の違いからしかたないのかもしれないが、二人が組むとどんな感じなのか、見てみたかった。
結論としては、この話みたいにいっしょに駕籠かきをやってるコンビのような場合、もっとタイプの違う二人の方が良いと思う。たとえば、次の部で弥次喜多をやった染五郎と猿之助のように。

わりと楽しい話で、ハッピーエンディング。昼寝から起きてきたときの権三(獅童は黒い褌がハイレグの海パンのように見えて、身体に入っている入れ墨もかっこよく、そのまま海に行けそうだった。

役に一番ぴったりでうまかったのは、権三のおかみさん役の七之助。牡丹灯籠の前半みたいで、すごくいい。

巳之助は、助十(染五郎)の弟の役。獅童と染五郎の声が時に聞き取りにくかったので、巳之助の大音量が良かった。

権三と助十に恨みを持つ勘太郎(亀蔵)が酒を持って礼に来るシーンが緊張感があって面白かった。