右團次襲名披露 夜の部2017/01/26 01:29

2017年1月22日 新橋演舞場 午後4時半開演 1階6列26番

今月5回目の観劇。気ぜわしい日だったので黒塚以外観るのが面倒だったが、中車の折平が観たいと思いなおして、初めから行った。

「義賢最期」

上演記録を見ると、11年前の松竹座、愛之助の「義賢最期」以来、愛之助が5回、海老蔵がこれで2回、義賢を演じていて、私は全部観た。
愛之助のは親子の情愛や源氏への思いが伝わってくる義太夫狂言で、正調「義賢最期」だと思うが、海老蔵の、ときに「やっとことっちゃうんとこな」を思い出すような義賢も、海老蔵の魅力に組み伏せられ、あっ、あっ、あーっと引きこまれて見せられてしまう。
まず、襖が開いて登場する時の美しい細面の顔が、いかにも病の床にありそう。最後の仏倒れは真っすぐにきれいに倒れ、身体が少し弾んで階段の下の方に崩れ落ちた。
折平は中車に期待するような役ではないが、うまくはなくても違和感は感じさせないレベルだった。

「口上」
真ん中が梅玉で、上手の端が海老蔵、下手の端が門之助。海老蔵が、「右團次さんはアイロン掛けが趣味」「門之助さんの泣ける話がある」「襲名グッズは襲名クッキー、襲名ファイルもある」と笑いをとる。門之助は話し始めたが、最後に「泣けませんね」とあきらめたように言って、また笑いをとる。右團次は「門之助さんの話、泣けました。市川宗家みずから襲名グッズの宣伝、ありがとうございます」と話を回収していた。なごやかな口上。右近も幼稚園の子にしてはしっかり挨拶をしていて感心した。

「錣引」
こんなつまらなそうな演目、最初か最後にしてくれれば観なくてすむのに~と思って覚悟して観たが、米吉の簪が派手だとか、本筋に関係ないものをぼーっと見てるだけなら悪くはなかった。九團次と米吉、綺麗な二人の色っぽいやり取りは予想外で楽しかった。米吉は、「義賢最期」の待宵姫より、この伏屋姫の方が不良っぽくて似合う。

「黒塚」
本日の本命。猿之助の岩手の踊りが絶品だった。鬼女になってからの踊りはいつも通り、派手。花道七三で真っすぐに倒れた後、一瞬で逆を向く。暗転なし。
阿闍梨役が右團次で、うまいので気持ちがいい。中車は、これも中車には期待していない山伏の役。台詞を聴いて、一人下手な人がいるな、と感じる程度で、おかしくはない。

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