市川會 三代襲名披露2019/08/09 01:11

2019年8月8日 シアターコクーン 正午開演 1階C列13番

「寿式 三番叟」
寿紅の翁、翠扇の千歳、海老蔵の三番叟。

「高砂」
プログラムによると、きょうのシテは林宗一郎。「獅子虎傳阿吽堂」で高砂の歌唱指導を受けたのを思い出す。あのときに高砂の舞囃子も観たが、あれ以来大好きだ。大鼓は広忠。カーンという音は暑い日に聴くと気持ちがいい。

「口上」
上手から寿紅、海老蔵、翠扇、ぼたんの順に座っている。海老蔵の叔母、妹、娘の三代襲名だ。三代の団十郎の娘たち。海老蔵に「おばちゃん」と促されて寿紅が最初に口上した。古稀での襲名だそうだ。次はぼたんちゃん。「皆様のご賛同を得て市川ぼたんの名を四代目として相続いたす運びと~」なんて言って、しっかりしてるのでびっくり。かわいい~。最後は翠扇。亡くなった父も喜んでいることでしょう、と。

「玉兎」
勘玄は初めて見たが、やる気を感じる。祖父や父に似ぬ演技派になるかも。

「羽根の禿」
ぼたんちゃんは目がぱっちりで甘さのある顔なのが、団十郎の孫の雰囲気。綺麗な髪飾りや衣装がよく似合って、かわいい。

「京鹿子娘道成寺」
きいたか、きいたか、と出てきたのが勘十郎。きいたぞ、きいたぞ、は菊之丞。二人は強力、ということだが、いつもの娘道成寺で言えば所化の役回り。コロッと横倒しになるのは菊之丞はさすがにうまかった。
正直、途中で飽きるかと思ったのだが、勘十郎と菊之丞の舞踊が途中に入ったし、翠扇は色っぽくて愛嬌もあるので予想外に見ていて楽しかった。翠扇は顔の骨格がしっかりしているせいか、女形を見ているような感じがする。
押し戻しは海老蔵。

八月納涼歌舞伎 3部2019/08/19 00:03

2019年8月17日 歌舞伎座 午後6時半開演 2階7列34番

「新版 雪之丞変化」

幕開きは、政岡が八汐を刺す場面。政岡は玉三郎で八汐は七之助。そして床下になり、中車演じる仁木弾正が面明かりを受けて花道を歩く。その後は舞台後ろのスクリーンに仁木の拵えの中車が楽屋に戻るシーンが映る。そしてまた実演となり、楽屋で、仁木弾正を演じていた菊之丞(中車)が弟子の雪太郎(玉三郎)にダメ出しをする。
こんな風に実演とスクリーンが組み合わさって話が進む。
「雪之丞変化」のストーリーは、前に見たものと全然違っている。
五役を演じている中車は頑張っているが、個人的には先輩役者星三郎役の七之助と雪之丞役の玉三郎が二人で話し、後ろのスクリーンに映像が映し出される場面が楽しかった。玉三郎が、揚巻をやってみたい、と言い、七之助が助六で玉三郎が揚巻になって一場面をやる。七之助は男としても綺麗で、30過ぎて玉三郎の相手もやれるような芸のレベルになった。コクーンでやった与三郎みたいな雰囲気の助六を観るのも楽しいかもしれない。
来月の南座の話をしたり、二人で「鰯売恋引網」の一場面を演じたりした。星三郎の役は、玉三郎としては本当なら勘三郎にやってもらいたかった役なのだろうと感じた。
スクリーンには鷺娘や桜姫や娘道成寺の一部も映り、映像の前で玉三郎が後ろ向きでポーズをとったり娘道成寺の最初の拵えで一部を踊ったりするのを見るのがとても楽しかった。
最後は玉三郎を中心に、元禄花見踊り。
歌舞伎じゃないかもしれないが、金出して見たい人はたくさんいるだろうと思える公演だった。

第二回 古典芸能を未来へ2019/08/29 00:49

2019年8月28日 国立劇場大劇場 午後4時半開演 2階6列15番

「三番叟」
亀井忠雄が舞台中央に座り、 地謡が花道に並ぶ。「翁」にあたる部分だろうか。亀井忠雄の大鼓と声が力強かった。
その後、後ろから三兄弟たちと、上手に海老蔵、下手に萬斎が現れた。
萬斎が先に舞い、最後の方に三味線が入って海老蔵が踊りだした。
鈴の段では萬斎は面をつけた。上から見ていると照明で白い正方形が上手と下手にあって、その中で二人が踊っているように見えた。

「西王母」
上手から田中佐太郎、傳左衛門、亀井忠昭、亀井太一、傳次郎、の順に並ぶ。
忠昭は大鼓を打って、ヤーとかヨーという声がよく通る。太一は太鼓で隣の父と動きがシンクロしているのが可愛い。二人とも、ただの習い事ではなくて将来のプロであることを自覚している迫力を感じた。

「野宮」
半能で、シテは観世清和、ワキは宝生欣哉、大鼓は亀井忠雄。

「勧進帳」
傳左衛門、傳次郎が出て、勧進帳の長唄の素演奏。

「老松」
玉三郎の舞踊。前回の「囃子の会」のときも老松だった。
小鼓に、傳左衛門、傳次郎に忠昭が加わる。忠昭のよーっという子供の声が響いて、その前で玉三郎が踊る。
幕が下りた後のどよめきが前回と同じだった。、

「石橋」
「三響會」らしい演目だ。
2つの台の上に釣鐘がのっていて、演奏が始まると釣鐘が割れて中から能の獅子が姿を現す。シテは片山九郎右衛門と、観世喜正。ややあって、一階席で拍手が起き、花道から赤い鬣の海老蔵の仔獅子が出てくるのが見えた。海老蔵の仔獅子を見るのは初めてだ。歌舞伎の連獅子のときと同じで、一度花道を戻ってまた出てくる。、静かな動きの二頭の能の獅子の前で、激しく動く仔獅子。しかし、仔獅子と能の獅子達がいっしょに足を踏み鳴らすこともあった。海老蔵は毛振りをしながら花道を横向きに進み、七三で正面に向き直ってそこでも毛振りをした。国立劇場は花道と客席の間に十分なスペースがあるので、毛先で客の頭を叩いたりすることがないようだ。
太鼓の傳次郎のイヤーッという声がかっこよかった。ハーツと声を出す広忠。
美術的にとても綺麗で、構成も良く、能とも歌舞伎とも違う魅力があって、「三響會」が懐かしくなった。