平成中村座 十月大歌舞伎2022/10/23 08:51

2022年10月15日 平成中村座 1階19列1番


久しぶりの中村座だ。以前行ったときより浅草の駅から近くて、浅草寺の境内をつっきって行くので楽だった。

「角力場」
勘九郎の長五郎、七之助の吾妻は予想の通り。虎之介の長吉がとてもわかりやすい演技で、成長したとも思ったし、十代の頃感じたように相変わらず気の利いた子だな、とも思った。
与五郎は歌舞伎の登場人物の中で一番共感できる人かもしれない。新悟は長五郎の着物がちょうどぴったりのような長身だが、ひ弱な若旦那をよくやっていた。

「幡随長兵衛」
獅童が長兵衛で息子の陽喜が倅長松。本当の親子でやるのは初めて見る。大河が長松をやったときはたまに「あいよー」とか答えながらもう少し長く舞台にいたように記憶しているが、陽喜はあの時の大河より少し幼いので、あまり長く舞台にはいないのだろう。
獅童は着るものが似合ってかっこいい長兵衛。見た目だけなら御所五郎蔵も文句ないのにな、とちらっと思う。萬屋錦之助が歌舞伎座で長兵衛を演じたときは子分の役で出ていた。あのときは「ずいぶん背が伸びてもうすっかり大人だ」と日記に書いたほど若かったが、何年も経って自分が長兵衛やれるようになったのは素晴らしい。
水野は勘九郎。最初は2階席の後ろの方に現れ、花道の外の外側の席の私のところからけっこう近かった。最初に観たのが孝夫の水野だったせいか、敵役だけどかっこいい人、みたいなイメージを持っていたが、勘九郎はそういうカリスマ性を感じなかった。
舞台番役の獅一が良かった。名前は知っていても役と一致することがなかったが、今回初めて意識してみて、芝居がうまい人だと思った。

帰りは屋台を見て歩いて、途中で鮎の塩焼きを食べた。