永遠の少女マンガ展2013/02/10 01:40

水野英子グッズ
2013 1/19〜2/11 江東区 森下文化センター 「永遠の少女マンガ展」

2月8日に見学。 展示はロビーで、入場無料。

私のメインの興味対象である萩尾、大島、山岸からは外れている企画なので、あまり期待していなかったのだが、水野英子のグッズをたくさん売っていたし、昔の「なかよし」も読めたので、子供時代に返れてうれしかった。自分の還暦祝賀月間にはぴったりのイベントだった。

三原順の原画が何枚か展示されていた。 手に取って読んでかまわない本も置いてあった。三原順は私と同じ学年で、生きていれば去年還暦を迎えたはず。「三原」は三原綱木からとったペンネームだそうだ。
「はみだしっ子」はリアルタイムで読まなかったし、読んだとしても、はまる年齢ではなかった。LaLaに連載していた「ルーとソロモン」は好みではなかった。文庫で読んだ「ムーンライティング」なんかが一番好みだ。

漫画、関連本、雑誌など、自由に読めるものがたくさん置いてあった。 「なかよし」も何冊かあった。 東京オリンピックの頃の「なかよし」で、表紙の写真の一人は可愛い上原ゆかりちゃん。表紙をめくると、私が好きそうな透明の紙と綺麗な模様の紙が綴じこんである。こんなのを毎月集めていたかもしれない。牧美也子の漫画は「ひとりぼっち」というので、覚えがない。「マキの口笛」は既に終わっていたのか。中の連載漫画には覚えのあるものがなかったが、読み物で「私のグチ日記」というタイトルには覚えがあった。

「なかよし」の近くに「マキの口笛」の復刻版が置いてあった。読む時間はなかったので、帰宅してからアマゾンに注文した。

ちぱてつや、横山光輝など、男性漫画家の作品を展示しているコーナーもあった。私が子供の頃は、少年漫画の大御所が少女漫画も描いていた。

その他の漫画家の複製原画や作品も展示されていた。個人的に目を惹かれたのは、美内すずえと和田慎二。美内すずえは別冊マーガレットで読んだ「孔雀色のカナリヤ」が懐かしい。ケースの中に「孔雀色のカナリヤ」のコミックスが展示してあった。 和田慎二の作品で一番有名なのは「スケバン刑事」らしいが、私は「銀色の髪の亜里沙」が懐かしい。

少女漫画家の名前の五十音順に漫画を並べてある棚があり、周りに座って読んでいる人たちがいた。なるべく多くの漫画家を万遍なく、ということらしく、萩尾望都の作品は「ポーの一族」はあったが「トーマの心臓」はなかった。誰かが貸してくれたら読んでみたいと思っていた「はちみつとクローバー」もあったが、時間がなくて読まなかった。内田善美の「星の瞳のリデル」の豪華本があり、中をパラパラと見た。

このロビーでは漫画家の講座を開くことがあるようで、漫画家の写真とサイン入りの絵が壁に飾ってあった。吉田秋生の、たぶん今連載している漫画の主人公の絵もあった。

グッズは、三原順のジグソーパズル、水野英子、あすなひろしの本や絵葉書などを売っていた。この3人のファンにとっては、嬉しいイベントだったと思う。

アイテムが印刷してある紙に、ほしいものの個数を書き込んで事務所に持っていくと、係りの人が紙を見ながら揃えてくれる。私は水野英子の漫画と絵葉書を大人買いした。 「ローマの休日」は子供のとき、雑誌の付録で読んだものだ。絵葉書には、「セシリア」や「Fire!」の絵もあった。「白いトロイカ」の切手シートも買った。これは現品限り、ということで、ケースに飾ってあったものを持ってきてくれた。 水野英子の絵は、今でも一番好きかもしれない。

二階堂の鬼2007/03/01 01:26

月刊フラワーズ4月号の表紙の絵は吉田秋生で、「海街diary」の第三話「二階堂の鬼」が掲載されている。今月は「ラバーズ・キス」から緒方と、はじめは気づかなかったが尾崎酒店という言葉が出てきたのでたぶん美樹の弟が出ていた。話が進んで行ったら緒方が鷺沢を見初めるシーンも出てくるのだろうか。

途中、難病の男の子が出てくると「ジュリエットの海」? その子が足を切断すると「リアル」? と他の作品を思い出したが結局どちらの方向にも行かず、話全体としては淡々とした「河よりも長くゆるやかに」だろうか。

最後の方ですずが走っていく後姿は大島弓子が入っていた。

京都国際マンガミュージアム2006/12/23 23:10

京都国際マンガミュージアム

2006年12月18日

顔見世夜の部に行く前に京都国際マンガミュージアムに行った。 http://www.kyotomm.com/

場所は地下鉄烏丸線の烏丸御池を降りてすぐのところ。廃校になった小学校の跡地を利用したもの。校舎は昭和4年に建てられたものだそうで、作りが豪華でまるで大学の校舎のようだ。細かいタイル貼りの階段があったりして自分が卒業したちゃちな木造校舎と比べると涙が出るのだった。

午前10時から午後8時までやっていて、大人五百円で出入り自由。一階から三階まで部屋はいろいろあり廊下の壁に並んだ書架にびっしり入っているマンガ本は立ち読み自由。一階が少年漫画、二階が少女漫画、三階が青年漫画(レディースも含む)で、作者のあいうえお順になっている。

ここを見てから一度ホテルに戻ってから顔見世、という心積もりだったが、これは腰をすえて見なければ、という気持ちになり、結局ここから顔見世直行。

11時からギャラリーツアーというのがあり、一階の集合場所に行ったら平日でお客さんが少ないのか私一人。研究員一人とスタッフ三人と私、という甚だ贅沢なツアーをさせていただいた。 後からサイトを見てみるとスタッフはボランティアで、どうりでマンガが好きそうな人ばかりだった。

最初に案内された地下は書庫に漫画雑誌が詰まっているのがガラス戸越しに見えた。4月以降は登録したお客さんに公開するような話だった。廊下には、鳥獣戯画からはじまる漫画の歴史のパネルがあった。

一階から三階までの壁に「百人の舞妓展」といって、日本漫画家協会所属の漫画家が描いた漫画が貼ってあった。警備室の隣の壁を指して「これが竹宮さん」と教えてくれたが、教えられないとわからない絵柄だった。その隣にあった武田京子の描いた舞妓さんがとてもかわいいと思う。

京都精華大学がやっているミュージアムだそうで、一階の部屋には学生が来てワークショップが開かれることがあるそうだ。

二階には東京パックとか大阪パック、戦後に出た赤本、貸本漫画、いろんな雑誌の創刊号などの日本の漫画史的な資料や外国の漫画、日本の漫画の翻訳版などがあった。

三階で青年漫画の書架を見たところでツアーは終了し、エレベーターで一階の集合場所まで送ってもらいました。迷う人がいるそうだ。

ツアーの後、目をつけた大島弓子の「ポーラの涙ペールの涙」を立ち読みしに二階に行き、しばらく読んでいたら「紙芝居がはじまるよ」とおじさんが木を鳴らして歩いて行ったので、すぐ後ろの紙芝居の部屋に入った。懐かしいお菓子も売っていた。紙芝居の最後のクイズをあてておもちゃの指輪をもらった。

今でも中高年のお客さんが多いそうだが、有名になったら客が殺到してジブリみたいに予約制にしなければならないかも、と言ったら研究員の方はそうなったら嬉しい、今は修学旅行生に来てもらおうかと思っている、と言ったので、心の中で「それだけはやめてくれ」と叫んだ。

入り口にミュージアムショップもあるが売っているものの魅力はイマイチ。鉄腕アトムのノートを買ったがこれは京都駅の手塚治虫記念ミュージアムでも売ってるものだろう。

バルバラ異界2006/12/03 02:20

萩尾望都の「バルバラ異界」が日本SF大賞を受賞したそうだ。「残酷な神が支配する」が手塚賞を受賞したときは今さらと思ったものだが、「バルバラ異界」の受賞は素直に嬉しい。萩尾作品としては知名度も低く、これから先も萩尾作品の中ではマイナーな部類であり続けるだろうが、個人的に思いいれのある作品だ。

第一話読後は初期の作品のような軽いファンタジーかと思ったが第二話のSF度が尋常でなく、一気にはまった。特に瀬戸内海に現れる幻の島のあたりに魅力を感じた。結局、この第二話が連載中ベストだった。

英会話のレッスンのときにこの第二話の要約を英語で書いたものをMiriにチェックしてもらった。Miriも面白いと言ったが、後でそれを読ませたら息子も面白いと言ったそうだ。

4巻で終わったがせめてもう1巻あったほうが広げた風呂敷をもっとうまくたためたのではないかと思う。ずっとキリヤに感情移入して読んでいたので最後が悲しかった。どんな形であっても渡会とキリヤが幸せになったと読者が安堵できるような番外編をひとつ書いてほしい。

吉田秋生 「佐助の狐」2006/10/28 23:19

フラワーズ十二月号に吉田秋生の新シリーズ「海街diary」の2作目「佐助の狐」が載っている。

カラー扉の狐の面をつけた男子は「ジュリエットの海」の主人公を思い出させる。

今回の話は一作目より完成度は落ちるがそれでも笑ってしまう。日常性のある話が吉田秋生の持ち味が最も生きる分野なのだと思う。腹違いの妹がサッカー少女らしくて楽しみだ。吉田はサッカーファンで「ミーハーサッカー」に対談もあるのに今までサッカーものは書いていない。間違いがたくさんあったという野球ものは書いているのに。私は好きだったが。

次女がつきあっている朋章が今回は話の重要な部分になっていて、やや「ラヴァーズ・キス」の番外編のようでもあった。一作目を読んだときは「ラヴァーズ・キス」より何年か後かと思っていたが、今回の内容から判断すると、「ラヴァーズ・キス」のほんの少し前、という感じだ。「ラヴァーズ・キス」を読んだとき、朋章のお母さんは若くて美人なんだから息子なんかに執着しないで自分も若い恋人を見つければいいのにと思ったが、今回は母の浮気相手という男が登場したので安心した。

松島会2006/08/19 22:34

2006年8月19日 国立劇場大劇場 午前11時~午後9時 自由席

最後に愛之助が出る「万歳」があるので、それ目当てに「松島会」に行った。

開演の11時を10分くらい過ぎたところで国立劇場に到着。タイムテーブルを見たら最後の演目が終わるのは9時をやや過ぎた時刻。この後に予定していた化粧品店のお手入れ会にキャンセルの電話を入れた。

最初の演目は女性三人の三番叟で、次は小学生二人の胡蝶の踊り。ふと、新之助の胡蝶の踊りを思い出した。次は小学校二年生の女の子の「手習子」。なかなかうまいが、日本舞踊って、どうしてこんなに色っぽい内容のものばかりなんだろう。「言わず語らず~」とか。 大向こうが複数いて、踊っている人の名前を必ず呼ぶ。プロに頼んだと見た。

次の演目「舞妓」には高麗蔵さんが出た。きょう買ったプログラムに高麗蔵さんが寄せていた挨拶文で、高麗蔵さんが昔の新車なのだと知った。昔、イケメンの新車というのがいたが、最近はどうしてるんだろうと思っていたのだ。

9時までいるのでとりあえず食料を確保しようと売店で大福とおにぎり弁当を買った。特に食事時間は設けられていないので、自分で見ない演目を選ぶ以外ないのだ。

「松・竹・梅」の舞台装置が綺麗だった。「越後獅子」と「俄獅子」に出ていた中村梅之と中村梅秋はよかった。(今、ネットで検索して中村梅之さんのサイトを見たら、萩尾望都のことが書いてあった。こんなところにも萩尾さんのファンがいたんだ。私が「トーマの心臓」を読んだときよりも後に生まれた人なのにねえ。)とんぼをきったり、獅子舞の足になったり。

うまい踊り手かどうかはプロク゜ラムを読んでいてはわからない。自分の目で見なくては。綺麗だ、うまい、と思う人たちが何人かいた。この演目は人を選ぶな、とか配役が逆の方がニンなのではないか、とか、この人は玉三郎のDVDを見て研究してるんじゃないか、とかいろいろ素人らしい感想を持った。

娘道成寺はいつも玉三郎を思いながら見る演目だが、きょう踊った人はうまかった。「言わず語らず~」のあたりは会場の視線を一身に集めていた。着物の引き抜きは歌舞伎で見るときのように一瞬で変わる!という感にやや欠ける。歌舞伎はもっとショーだということか。

「団十郎娘」は「日本一の成田屋に惚れた私がなぜ悪い」という歌の文句が気に入った。

最後から二つ目の演目の前に、席を中央の前から7番目あたりに移動。帰った人もいるので空席ができたのだ。

最後の「万歳」は、「漫才」で、愛之助と家元は万歳の太夫のいでたちで花道から出てきた。先に愛之助が出てきた。きょうも仁左衛門似の顔。今では、あの仁左衛門似の顔が愛之助の顔であると私の頭の中では定着してしまった。前に座っていた人たちが「仁左衛門・・・・・」と話しているのが聞こえた。踊りだけでなく台詞もあり、鼓も叩いた。マイ鼓を買おうかと思うほど鼓は気に入ったと愛之助の本に書いてあったが、腕の方はたいしたことはなかった。愛之助のマジックは、最初は二本の瓶の間に入れた扇子を瓶を倒さずに引き抜く、というもの。見事に成功したが、実はつながっている瓶だった。もう一つは、傘の上の玉まわし。でも、傘と玉をつなぐ糸が見えている。客席から指摘され、「え?」という愛之助。玉をまわし始めるが、結局糸が傘に巻き付いて玉が動かなくなってしまってばれる。 最後は家元と愛之助が交互に踊って、幕。楽しい内容だし、舞台中央の愛之助の顔がよく見えたしとっても満足できた。

吉田秋生新連載「蝉時雨のやむ頃」2006/06/29 01:06

歌舞伎がなくても生きていけるが漫画がなければ生きていけない私なのに今まで漫画の話題がなかったが、きょうは書く!

フラワーズに吉田秋生が連載を開始した「蝉時雨のやむ頃」は吉田秋生の漫画で何年ぶりかで面白いと思った。やっとスランプを脱してくれたのか? アッシュは好きだが天才や超能力はもういい。現実感、生活感のある、共感できるものを書いてくれ。

今度の話は三人姉妹プラス腹違いの妹。一人一人に生活感がある。中年になった吉田秋生は、大人の生活感があるものを書けるはずだ。この人は、男も女も魅力あるキャラが描ける数少ない漫画家だ。