二月大歌舞伎 夜の部2019/02/08 00:38

2019年2月6日 歌舞伎座 午後4時半開演 3階4列1番

「熊谷陣屋」
食傷気味の「熊谷陣屋」で漫然と観ていたが、菊之助の義経が出てきて後半になるにつれ、芝居の質の高さに感動した。国立で「岡崎」を観たときのように、全員がニンに合った役をやっている感じがした。菊之助は風邪を引いたようでやや鼻声だったが、それを忘れさせるほどの力があった。

「當年祝春駒」
梅丸は先月に続いて化粧坂少将。今月は舞踊で動くのが嬉しい。
曽我五郎役の左近の踊りを期待していたが、凡庸なのでがっかり。

「名月八幡祭」
新助が出て来る前に、三次(仁左衛門)が美代吉(玉三郎)に金を無心するシーンがある。玉三郎の美代吉は昭和の御代に観たがその時の三次は橋之助で、孝夫の三次は観たことがない。雰囲気的に桜姫の権助とか、三五大切の三五のような、私が一番観たいタイプの孝夫の役だ。5両になるという簪を頭にさして出て行く、色っぽい仁左衛門。
新助役の松緑は、口調は丁寧だが身体全体に「腰が低い」雰囲気が足りないと思った。
美代吉は我儘な女だがそれが許せてしまう玉三郎、そして、その恋人であるのが当然な仁左衛門。この二人に対すると、新助は気の毒だが美代吉をものにすることは「ありえない」ことに見える。
美代吉を刺す前に狂っているときは、追いつめられて狂ってしまった、というより、初めからそういう精神的傾向があった人なのかもしれない、と思えてしまう。
最後は吉右衛門のときと同じく、祭りの若い衆に担ぎ上げられて花道を去った。

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