獅子虎傳阿吽堂 vol 5 とスペシャルトークセッション ― 2010/02/02 00:02
2010年1月28日 世田谷パブリックシアター 午後3時開演、K列下手、トークセッション 5時開演 2階自由席、午後7時開演 L列上手
客席に入ったら、きょうは舞台が正方形。ここは時によって舞台の形が変わるのだが、正方形は初めて見た。左右にできた空間に、脇正面のような席ができていた。
客席に入ったら、きょうは舞台が正方形。ここは時によって舞台の形が変わるのだが、正方形は初めて見た。左右にできた空間に、脇正面のような席ができていた。
正方形の上にドーンと置かれた和太鼓。この太鼓はきょうは後ろに引っ込むことはあっても姿を消すことなく、ずっと見えていた。
時間になって、三兄弟登場。広忠は今年初めて見る。去年の思い出に残ることは広忠は「朝長の懺法と姨捨という大曲を打ったこと」、傳左衛門は「さよなら歌舞伎公演を長々と14か月もやってる中で大曲が多かったこと」、傳次郎は「フラッシュにモザイクデビューしたこと(真面目に言うと、珠響をサントリーホールでやったこと)」。海老蔵がフラッシュに載ったとき、いっしょに写真に入っていて、顔にモザイクがかかって掲載されていたそうだ。今月は、傳左衛門は演舞場と歌舞伎座の掛け持ち、傳次郎は浅草と演舞場の掛け持ちで大忙しだったと言う。
林英哲、観世喜正、愛之助、と出演順にゲストが現れて兄弟とお話する。愛之助と広忠の会話が聞きたがったが、広忠は能チームなので愛之助の相手は歌舞伎チームの弟たちにまかせたらしく、観世喜正と並んで後ろに立っているだけだった。
愛之助は、素踊りは恥ずかしいので、顔だけでも塗って出たいと言った。3月の日生劇場の話になり、「ボーイズラブですね」と言った。「男同士の恋愛です。昔は衆道というきちんとしたものがあったようで・・・」
レクチャー
舞台に残っていた観世喜正による「高砂」の歌唱指導。
舞台の後ろのスクリーンに「高砂や~」の歌詞が出て、観世喜正が高砂の松と住吉の松が相生の松で・・・・と説明。半世紀以上生きて来て、この「高砂」が地名だということを初めて知った。「高砂や~」は、何か「やれめでたい」みたいな意味だとしか思っていなかった。観世喜正は話がうまくて面白い。この人の能で寝たことは何回もあるが、講演会だったら絶対眠らない自信がある。
レクチャー
舞台に残っていた観世喜正による「高砂」の歌唱指導。
舞台の後ろのスクリーンに「高砂や~」の歌詞が出て、観世喜正が高砂の松と住吉の松が相生の松で・・・・と説明。半世紀以上生きて来て、この「高砂」が地名だということを初めて知った。「高砂や~」は、何か「やれめでたい」みたいな意味だとしか思っていなかった。観世喜正は話がうまくて面白い。この人の能で寝たことは何回もあるが、講演会だったら絶対眠らない自信がある。
お名前を失念したが若手の能楽師が模範歌唱のために出てきて、一度通して謡ってくれた。 その後、観世喜正が少しずつポイントの説明をし、観客が模範歌唱といっしょに謡ったり、観客だけで謡ったりしながら、「はや住の江に着きにけり」まで謡った。傳次郎は「宇宙人と交信してるみたい」と笑うが、私の方から見ると、大太鼓の周りに4人が正座していて、1人が立っている様子を、知らない人が見たら一体何をしてるところに見えるんだろうと思った。
「高砂や
この浦舟に帆をあげて
この浦舟に帆をあげて
月もろともにいでしおの
浪の淡路の嶋かげや
遠く鳴尾の沖すぎて
早や住の江につきにけり
早や住の江につきにけり」
高砂や~嶋かげや、までは、「あげて」を「あげーーてーー」のように伸ばす他は、平板に謡って良い。次は「とオくなるおのオ沖すぎて」のオのところが上がる。その次の二行が観世喜正のいう通りとんでもなく難しく、私の予想と記憶の限界を超えていた。「はアやすみのオえに」と山になるように上がり、最後の「けり」の「り」が下がる。下がるときは力を入れてください、という指導だった。そして、最後の行は、同じ文句だけれども上がり下がりが違う。
普通の歌だと出ない音があったりするか、謡は音程はないようで、どうにかついて行けた。
「宴」
大太鼓 林英哲、笛 竹井誠
大太鼓 林英哲、笛 竹井誠
私は太鼓は好きだが、獅子虎傳や珠響で聴く太鼓が大音響で不安感を持つことがあった。きょうは通路際の席だし、逃げたくなったらいつでも逃げられるから大丈夫とは思ったが、胃が痛むような恐怖感が少しあった。
この後、休憩。
能 「高砂」
シテ 観世喜正、笛 栗林祐輔、小鼓 田邉恭資、大鼓 亀井広忠、太鼓 林雄一郎
シテ 観世喜正、笛 栗林祐輔、小鼓 田邉恭資、大鼓 亀井広忠、太鼓 林雄一郎
はじめて見たが、とても良かった。広忠の掛け声は勢いが良く、笛も華やかで、観世喜正の謡も舞も素晴らしく、本当に目出度い席にぴったりの能だ。事前に全く期待していなかった演目だが、レクチャーの時の歌唱指導もあり、きょう一番心に残ったのは高砂だ。
舞踊 「老松」
立方 片岡愛之助、小鼓 田中傳左衛門、太鼓 田中傳次郎、笛 福原寛、長唄 杵屋利光、三味線 今藤長龍郎
立方 片岡愛之助、小鼓 田中傳左衛門、太鼓 田中傳次郎、笛 福原寛、長唄 杵屋利光、三味線 今藤長龍郎
高砂があんまり良かったので、最後が盛り下がらないかと心配だったが、悪くはなかった。
「スペシャルトークセッション」
終演後、次の回との間にトークセッションがあった。本当はみずほプレミアムクラブの会員様用だが三響会倶楽部の会員も特別に2階の自由席で見ることができた。
正方形の舞台の上に椅子が4脚。三兄弟プラス1人。最初は林英哲。林は、二十歳のとき、先代の傳左衛門に歌舞伎の大太鼓を教わったのだそうだ。先代は当代とキャラが似ているのだそうだ。
大太鼓を正面から打つスタイルを初めて作ったのが林、と聞いて意外だった。とても当たり前のことのように思っていた。
次は、三兄弟のお母さんの田中佐太郎さん。おととい急遽頼んだ、という。「公開説教」になるかもしれないと言いながら、兄弟から母への質問という形式で行われた。「お稽古は好きでしたか」「嫌いでした」のような感じ。
稽古は八歳から始めたそうだ。古典芸能の稽古としては遅いのだが、鼓や太鼓は子供用がないので、楽器を操れる年齢ということで八歳になった。この道に進むことになると思ったのは中学の頃。小学校の高学年から、歌舞伎役者のお子さんの稽古のお相手をしていた。高校一年で佐太郎襲名。歌右衛門の娘道成寺から陰囃子デビュー。男社会の中に女が入ると目立つので、着物も稽古着のように地味なもの。挨拶のとき笑顔は不要と父に言われた。
三兄弟が三歳、二歳、一歳で稽古を始めた話もあった。
獅子虎傳阿吽堂 夜の部
午後7時開演の夜の部は、昼の部とトークセッションを踏まえて、段どりの悪いところを直したり、間違っていたことの訂正などをしていた。
獅子虎傳阿吽堂 夜の部
午後7時開演の夜の部は、昼の部とトークセッションを踏まえて、段どりの悪いところを直したり、間違っていたことの訂正などをしていた。
林英哲は、世田谷パブリックシアターに出演するのは初めてと言ったが、実は出たことがあるそうで、それを聞いて傳次郎と傳左衛門が「僕、それ見ました」と言った。太鼓を正面から打つスタイルを始めた人ときいて驚いていたが、伝統的なスタイルは太鼓の脇に立って打つものだった、という説明をした。それは右利きに有利な打ちかたで、正面から打つと、右利きの場合、左が弱くなるという。
昼は出演順の紹介で観世喜正が先に出て来たが、その後、歌唱指導のために残っていたので、夜は愛之助が先に紹介された。昼には掛らなかった「松嶋屋」の掛け声がかかった。浅草ごくろうさまでした、の後、傳次郎は草摺の後、演舞場へ回ったそうで、役者より大変でしたね。という話を愛之助がした。綱豊については、台詞が多くてぶったまげた、シェイクスピアなんて目じゃない、白石と2人のときも4ページぶっ続けの台詞がある、と言っていた。
そして、最後に観世喜正が紹介されて、歌唱指導。模範歌唱のお兄さんが、最後の一行だけを謡ってくれと言われたときにちょっと吹き出して謡えなくなり、私達も笑ってしまった。後ろに正座していた三兄弟が笑って、広忠が「最後の二行を謡ってくれれば良いから」とフォローした。
夜の部は昼より客の平均年齢が下がったのでどうかなと思ったが、若いとまた別の強みがあるようで、それなりに歌えた。
トークセッションも含めて林英哲の話をきいて親しみを感じたせいか、夜の部では、通路際の席ではなく逃げ出すのは難しかったにもかかわらず、昼の部で感じたようなかすかな恐怖もなく、気持ちよく聴くことができた。
「老松」は上手から見ると、最後に扇を開いて決まるところが下手から見るより綺麗に見えるような気がした。
「老松」は上手から見ると、最後に扇を開いて決まるところが下手から見るより綺麗に見えるような気がした。
歌舞伎座さよなら公演 二月大歌舞伎 昼の部 ― 2010/02/11 21:30
2010年2月11日 歌舞伎座 午前11時開演 1階7列9番
「爪王」
七之助と勘太郎の舞踊で、浅草の続きのような気分になる。
幕が開くと座っていた七之助を狐かと思って、その割には鷺娘を思い出すような振りだと思ったら、鷹の役だった。 袖口が縫い付けてあって手が出ないようになっている。その着物の袖を鷺娘の時のように動かす。帯は鷹の模様。ぶっかえった後は金色と銀色の細い紐が沢山ついているような着物で綺麗だった。
狐の役は勘太郎。キツネ跳びで下手に消えたり、片膝を折って片足で鷹に向かって前進したり、運動量が多い振付だった。
鷹は最初の戦いで狐に負け、傷心の面持ちで鷹匠のもとに戻る。その後、雪辱を期して鷹匠と練習を重ねたようだ。鷹の急降下のような感じの振りがあった。花道での鷹と狐の対決は、近くだったので迫力があった。最終的に鷹が勝って、狐の勘太郎は斜めに海老反るような格好でスッポンに消えた。
狐に比べて鷹の衣装や振付が格段に良いと思ったら、元々波乃久里子の名取披露のための作品だそうで、鷹の役に花を持たせたのは当然なのだ。七之助は華がある。上背のある弥十郎と並んで踊るところも綺麗だった。
庄屋の役は錦之助だ。こんな少ししか踊らない役でも歌昇が踊ってくれれば、と思ったが、上演記録を見たら初演のときに初代の錦之助がやった役だった。
「俊寛」
何回も観てるわりには途中で眠ったり集中が途切れたりして筋が頭に入らない話で、今回やっと、おおよその筋がわかった。勘三郎は、俊寛の役で見るとまだ若い。
左団次の瀬尾を見て、キャラクターデザインの見事さにはじめて気づいた。左団次は長身で足も立派なので、上半身の衣装のボリュームがあって下半身は王子様のタイツみたいでも、結構かっこ良い。目鼻立ちにもインパクトがあるので、くせ毛の白髪にヒゲがよく似合う。このままアニメのキャラになっても良い感じだ。
千鳥役の七之助は、たまに動きがロボットのようになる。恋人の成経役は勘太郎。
丹左衛門は去年の一月に同じ役をやった梅玉。非常に割り切った態度が気持ち良い。
「口上」
芝翫は病気のため欠席。各自が先代勘三郎の思い出を語ったが、話の長さから判断すると、最初にしゃべった仁左衛門と玉三郎が一番格上。
「ぢいさんばあさん」
若いときのるんと伊織が綺麗で、やっぱり、とってもお似合いの2人だった。年とったのを補うようにベタベタ度が増したような気がした。
勘三郎の下嶋は、今まで見た中で一番うまい下嶋で、芝居全体のレベルが上がった。
ぢいさんの仁左衛門が、肌につけていたお守りをるんに見せようとして自分の懐を探る時の顔が可愛かった。
「爪王」
七之助と勘太郎の舞踊で、浅草の続きのような気分になる。
幕が開くと座っていた七之助を狐かと思って、その割には鷺娘を思い出すような振りだと思ったら、鷹の役だった。 袖口が縫い付けてあって手が出ないようになっている。その着物の袖を鷺娘の時のように動かす。帯は鷹の模様。ぶっかえった後は金色と銀色の細い紐が沢山ついているような着物で綺麗だった。
狐の役は勘太郎。キツネ跳びで下手に消えたり、片膝を折って片足で鷹に向かって前進したり、運動量が多い振付だった。
鷹は最初の戦いで狐に負け、傷心の面持ちで鷹匠のもとに戻る。その後、雪辱を期して鷹匠と練習を重ねたようだ。鷹の急降下のような感じの振りがあった。花道での鷹と狐の対決は、近くだったので迫力があった。最終的に鷹が勝って、狐の勘太郎は斜めに海老反るような格好でスッポンに消えた。
狐に比べて鷹の衣装や振付が格段に良いと思ったら、元々波乃久里子の名取披露のための作品だそうで、鷹の役に花を持たせたのは当然なのだ。七之助は華がある。上背のある弥十郎と並んで踊るところも綺麗だった。
庄屋の役は錦之助だ。こんな少ししか踊らない役でも歌昇が踊ってくれれば、と思ったが、上演記録を見たら初演のときに初代の錦之助がやった役だった。
「俊寛」
何回も観てるわりには途中で眠ったり集中が途切れたりして筋が頭に入らない話で、今回やっと、おおよその筋がわかった。勘三郎は、俊寛の役で見るとまだ若い。
左団次の瀬尾を見て、キャラクターデザインの見事さにはじめて気づいた。左団次は長身で足も立派なので、上半身の衣装のボリュームがあって下半身は王子様のタイツみたいでも、結構かっこ良い。目鼻立ちにもインパクトがあるので、くせ毛の白髪にヒゲがよく似合う。このままアニメのキャラになっても良い感じだ。
千鳥役の七之助は、たまに動きがロボットのようになる。恋人の成経役は勘太郎。
丹左衛門は去年の一月に同じ役をやった梅玉。非常に割り切った態度が気持ち良い。
「口上」
芝翫は病気のため欠席。各自が先代勘三郎の思い出を語ったが、話の長さから判断すると、最初にしゃべった仁左衛門と玉三郎が一番格上。
「ぢいさんばあさん」
若いときのるんと伊織が綺麗で、やっぱり、とってもお似合いの2人だった。年とったのを補うようにベタベタ度が増したような気がした。
勘三郎の下嶋は、今まで見た中で一番うまい下嶋で、芝居全体のレベルが上がった。
ぢいさんの仁左衛門が、肌につけていたお守りをるんに見せようとして自分の懐を探る時の顔が可愛かった。
講談「細川の血達磨」 ― 2010/02/27 20:03
2010年2月26日 紀尾井小ホール 午後6時半開演
日生劇場三月花形歌舞伎『通し狂言 染模様恩愛御書』記念イベント、と銘打った講談「細川の血達磨」。講談で聞く!禁断の歌舞伎、だそうだ。
自由席で、下手に座った。講談を聞くのは初めてだ。すぐに「細川の血達磨が始まるのかと思ったら若い人が出て来た。旭堂南青という人だった。講談にも前座があるのか。まず、「細川」のイントネーションが違うので驚いた。武州の八王子に住む男が細川家の門松を立てる話で「細川の福の神」というらしい。落語との違いは何だろう。
この後、真打(?)登場。 4年前の松竹座の語り手、旭堂南左衛門。いきなり語りだすのではなく、枕がある。松竹座の初日に舞台に出たら「待ってました南左衛門!」と声がかかって驚いたと話していた。私は初日を観たが、覚えていない。
本題の話は本を読みながら語る。これが講談か。 図書の名が出れば猿弥、十内の名が出れば薪車、と役者の顔が浮かんで頭の中で動き始める。講談の設定では、友右衛門は妻帯者で、舅が図書に殺される。父を殺された数馬と共通の仇がいる。自分と同じ立場の数馬の話を耳にして友右衛門は数馬に会うことにする。でもきっと、「美貌」と聞いたから会うことにしたのだろう。
浅草で出あって互いに一目ぼれするシーンがあるが、店で働いている人や、数馬と諍いを起こす人が、コテコテの関西弁。筋が通るように友右衛門の言葉として「上方の人が浅草にたんと来ている」というのが出てくるが、浅草にいる気が全くしない。上方講談だからしかたないのだろう。
友右衛門が細川家で働くようになって、ある夜、数馬の家に忍び込む。互いの愛の告白があって、ひょっとしてBL講談か!?と場内シンとして待ち構えていたが、濡場はなかった。
友右衛門が細川の殿様にとりたてられ、殿様も敵討ちの仲間の一人になるところで前半終了となった。
休憩の後、後半が始まるかと思ったのだが、幕が上がると旭堂南左衛門、染五郎、愛之助が立っていた。染五郎、愛之助は普段着で、座った椅子もパイプ椅子だし、カジュアルな雰囲気の対談だった。素顔の染五郎を見るのは初めてだ。色が白くて髭の剃り後が目立つ。
真ん中に座った司会の染五郎は前日は博多の千秋楽で、帰りの飛行機が羽田の濃霧のために遅れたりして大変だったらしい。途中で「さー困った」と言うくらい行きあたりばったりの感じだった。
染五郎が、染模様を4年前にやってどうでしたか、と愛之助に振ったら、「プライベートで本当はどうなんですかとか、染五郎さんとはその後どうなってるんですかという質問が多かった。あんな素敵な奥様とお子さんがいらっしゃるのにねえ」と客席に向かって手を振った。後ろを見たら一番後ろに斎君とお母さんが座っていた。この小ホールの中央最後列なんていう良席が関係者席になっていて頭に来ていたが、斎は可愛いから許す。
染五郎が愛之助に「長崎のハウステンボスにいたでしょう」と振ると、テレビ番組の収録のために亀治郎といっしょに行ったという話をした。ハンターから逃げ回って90分つかまらないと107万円もらえるとかで、すごく走ったらしい。亀治郎はその後、博多座に出た。
3月の舞台については、「日生でしかできないようなものを」という以外、具体的な話は聞けなかった。染五郎が膝に載せていた台本のうち表紙がピンクのが松竹座のときの台本で、今回のは赤い表紙。今回のがページ数が多いが、コンパクトにしたいと言っていた。
ポスターの写真撮影は11月に、愛之助は演舞場の舞台の後、染五郎はりびんぐでっどの稽古の後にやって6時間か7時間かかったそうだ。「僕は寝ているだけです」と言う愛之助に、染五郎は「寝ているといったって、この体勢って言ったらないでしょう」。実はかなり辛い体勢だったそうだ。写真は2人を別々にとって合成したのだと思っていたらそうではなく、染五郎は顔を近くに置くために「こんなでした」と、足を開いて腰をぐっと落として見せた。「それで、この顔してくれって言うんですから」と。その時の写真はパンフレットの中にも使われる予定で「かっこいいんですから」と言って、「自分で言っちゃいますか」とつっこまれ、場内爆笑だった。染五郎は「写真のことですよ」「思ってても言いませんよ」と言った。
南左衛門は、松竹座のときに火事場の話のときはむせてくださいと言われたが、自分のところに煙が来たので本当にむせたとか、語ってると義太夫の太夫さんのような気持ちになる、という話をしていた。南左衛門の語りに合わせて友右衛門や数馬が動くシーンは気持ちが良いそうだ。
最後に、3月に向けての決意を聞かれ、愛之助は、初めて歌舞伎を観る人に向いてる演目だと思う、チラシを見せて勧めてください、一度だけでなく二度三度と観てください、としっかり営業トークをしていた。
短い休憩の後、後半の講談があった。
講談では、敵討より前に友右衛門は火事場で死ぬ。数馬は1人で敵討ちをすることになるが、友右衛門は亡霊として現れて数馬を助ける。染五郎の船弁慶の知盛が好きなので、亡霊も良いと思った。講談の方には春猿がやったあざみは出ない。
日生劇場三月花形歌舞伎『通し狂言 染模様恩愛御書』記念イベント、と銘打った講談「細川の血達磨」。講談で聞く!禁断の歌舞伎、だそうだ。
自由席で、下手に座った。講談を聞くのは初めてだ。すぐに「細川の血達磨が始まるのかと思ったら若い人が出て来た。旭堂南青という人だった。講談にも前座があるのか。まず、「細川」のイントネーションが違うので驚いた。武州の八王子に住む男が細川家の門松を立てる話で「細川の福の神」というらしい。落語との違いは何だろう。
この後、真打(?)登場。 4年前の松竹座の語り手、旭堂南左衛門。いきなり語りだすのではなく、枕がある。松竹座の初日に舞台に出たら「待ってました南左衛門!」と声がかかって驚いたと話していた。私は初日を観たが、覚えていない。
本題の話は本を読みながら語る。これが講談か。 図書の名が出れば猿弥、十内の名が出れば薪車、と役者の顔が浮かんで頭の中で動き始める。講談の設定では、友右衛門は妻帯者で、舅が図書に殺される。父を殺された数馬と共通の仇がいる。自分と同じ立場の数馬の話を耳にして友右衛門は数馬に会うことにする。でもきっと、「美貌」と聞いたから会うことにしたのだろう。
浅草で出あって互いに一目ぼれするシーンがあるが、店で働いている人や、数馬と諍いを起こす人が、コテコテの関西弁。筋が通るように友右衛門の言葉として「上方の人が浅草にたんと来ている」というのが出てくるが、浅草にいる気が全くしない。上方講談だからしかたないのだろう。
友右衛門が細川家で働くようになって、ある夜、数馬の家に忍び込む。互いの愛の告白があって、ひょっとしてBL講談か!?と場内シンとして待ち構えていたが、濡場はなかった。
友右衛門が細川の殿様にとりたてられ、殿様も敵討ちの仲間の一人になるところで前半終了となった。
休憩の後、後半が始まるかと思ったのだが、幕が上がると旭堂南左衛門、染五郎、愛之助が立っていた。染五郎、愛之助は普段着で、座った椅子もパイプ椅子だし、カジュアルな雰囲気の対談だった。素顔の染五郎を見るのは初めてだ。色が白くて髭の剃り後が目立つ。
真ん中に座った司会の染五郎は前日は博多の千秋楽で、帰りの飛行機が羽田の濃霧のために遅れたりして大変だったらしい。途中で「さー困った」と言うくらい行きあたりばったりの感じだった。
染五郎が、染模様を4年前にやってどうでしたか、と愛之助に振ったら、「プライベートで本当はどうなんですかとか、染五郎さんとはその後どうなってるんですかという質問が多かった。あんな素敵な奥様とお子さんがいらっしゃるのにねえ」と客席に向かって手を振った。後ろを見たら一番後ろに斎君とお母さんが座っていた。この小ホールの中央最後列なんていう良席が関係者席になっていて頭に来ていたが、斎は可愛いから許す。
染五郎が愛之助に「長崎のハウステンボスにいたでしょう」と振ると、テレビ番組の収録のために亀治郎といっしょに行ったという話をした。ハンターから逃げ回って90分つかまらないと107万円もらえるとかで、すごく走ったらしい。亀治郎はその後、博多座に出た。
3月の舞台については、「日生でしかできないようなものを」という以外、具体的な話は聞けなかった。染五郎が膝に載せていた台本のうち表紙がピンクのが松竹座のときの台本で、今回のは赤い表紙。今回のがページ数が多いが、コンパクトにしたいと言っていた。
ポスターの写真撮影は11月に、愛之助は演舞場の舞台の後、染五郎はりびんぐでっどの稽古の後にやって6時間か7時間かかったそうだ。「僕は寝ているだけです」と言う愛之助に、染五郎は「寝ているといったって、この体勢って言ったらないでしょう」。実はかなり辛い体勢だったそうだ。写真は2人を別々にとって合成したのだと思っていたらそうではなく、染五郎は顔を近くに置くために「こんなでした」と、足を開いて腰をぐっと落として見せた。「それで、この顔してくれって言うんですから」と。その時の写真はパンフレットの中にも使われる予定で「かっこいいんですから」と言って、「自分で言っちゃいますか」とつっこまれ、場内爆笑だった。染五郎は「写真のことですよ」「思ってても言いませんよ」と言った。
南左衛門は、松竹座のときに火事場の話のときはむせてくださいと言われたが、自分のところに煙が来たので本当にむせたとか、語ってると義太夫の太夫さんのような気持ちになる、という話をしていた。南左衛門の語りに合わせて友右衛門や数馬が動くシーンは気持ちが良いそうだ。
最後に、3月に向けての決意を聞かれ、愛之助は、初めて歌舞伎を観る人に向いてる演目だと思う、チラシを見せて勧めてください、一度だけでなく二度三度と観てください、としっかり営業トークをしていた。
短い休憩の後、後半の講談があった。
講談では、敵討より前に友右衛門は火事場で死ぬ。数馬は1人で敵討ちをすることになるが、友右衛門は亡霊として現れて数馬を助ける。染五郎の船弁慶の知盛が好きなので、亡霊も良いと思った。講談の方には春猿がやったあざみは出ない。

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