御名残四月大歌舞伎 初日 二部、三部2010/04/03 02:43

2010年4月2日 歌舞伎座


歌舞伎座の、この建物最後の初日だ。通りの向かい側から写真を撮った。歌舞伎座をバックに記念写真を撮っている人が多かった。

第二部 午後3時開演 1階10列26番

「寺子屋」

金太郎が菅秀才の役ができるほど大きくなった。「1日に一字覚えれば・・・」と台詞もちゃんと言えた。

その後、仁左衛門の源蔵が花道から出てくる。海老蔵の源蔵を見て「寺子屋」に目覚めて以来楽しみにしていた仁左衛門の源蔵だが、声が少し苦しい。ギラギラした海老蔵に比べると、ずいぶん枯れた源蔵だ。

勘三郎は松王丸より戸浪の方が良い。

玉三郎の千代が出て来て、イマイチ舞台に集中できなかった気持ちが一気に舞台に向いた。源蔵の太刀を防いで「お役に立ちましたか」という台詞のところは目が覚めるような気がした。

幸四郎は背が高くて松王丸の派手な衣装も似合い、良かった。


「三人吉三」

大川端の場だけ。 菊五郎、吉右衛門、団十郎という配役は、自分が今まで観た中では一番正統派かと思うが、特に感動したわけでもない。
お嬢はともかく、お坊も和尚も正しいイメージというのがわからない。

吉右衛門のお坊の声は、「頼朝の死」のときの頼家のように高い。それなら、愛之助のお坊も、あんな低い声でなくてよかったのか。愛之助は高い声にすると子供っぽくなるからダメなのか。


「藤娘」

舞台が、暗闇からぱーっと明るくなった。藤十郎は足が衰えて、もう舞踊としては評価できない。しかし、酔態のところがものすごくうまいのが、さすがにスターだ。


二部が終わったのが5時36分で、時間が十分あったので横の食堂で「穴子入り特上ちらし」1300円を食べた。おかげで、予定通り最初の演目「実録先代萩」の途中で眠り、万全のコンディションで助六を観ることができた。


第三部 午後6時20分開演 1階3列4番

花道の外側の席は久しぶりだ。


「実録先代萩」

亀千代役の千之助は、年齢が二倍の分、金太郎よりしっかりしている。じっと座っている時間が長くて大変だろう。

花道のすぐ外側の席だったので腰元達が花道に座っていたときは、扇雀の打ちかけの裾が目の前に垂れていた。

途中で眠ってしまったので話の筋はよくわからない。千代松が実家に戻らなくてはならないが戻りたくない、亀千代も帰したくない、という話だけはわかった。2人で両手をつないだり、お子様版BL?みたいなムードだった。

「助六」

幕が開くと、華やかな舞台の上に先ず海老蔵が出て来て口上。華やかさに華やかさを重ねたようで場内は盛大な拍手。最後に河東節の皆さんに、始めてくださいと言って退場。

河東節の歌が始まると音がして、花道から、私の席から顔は見えないが廣太郎と廣松の茶屋廻りが出て来て、次いで上手からは種太郎と萬太郎の茶屋廻りが並んで歩いて来た。

並び傾城は松也、梅枝、巳之助、新悟と続き、最後が菊史郎。 並び傾城達が「揚巻さんが・・・」と言うと、花道の揚幕が開く音がして、先頭に
揚巻と書いた提灯が見えた。揚幕のところのライトが目に入るのでが、やがて功一の肩に手を置いた玉三郎が見えた。 花道の、私の席の斜め前あたりで止まった。顔は見えないがぽっくりと、その上の足がよく見える。大きな足で、指がぽっくりをしっかりつかんでいる。身体の微妙な動きにつれてぽっくりと足も動く。長い髭の伊勢海老の飾りを背中につけ、美しい昆虫のようだ。

舞台に出て、やっと顔がよく見えた。美しい。意休への悪態の始まりは長く声を張って、かっこ良かった。「もし、意休さん」と初めは軽く色っぽく。美しさと芸が頂点の玉三郎の揚巻が、この歌舞伎座を見送るわけか。玉三郎に肩を貸す功一も、裾を整える腰元達も、舞台上の人はすべて玉三郎のために存在しているように見える。正に舞台を支配している。何十年か後に、若い役者達はこの舞台に出ていたことを自慢して語るのだろう。

揚巻は一度花道まで歩いて来て、白玉に引きとめられ、舞台に戻る。福助は綺麗だが、白玉は最初に観た時蔵の印象が強い。福助みたいに玉三郎と同じタイプではなく、時蔵のような真面目な雰囲気の女形が向いてると思う。

下手側からだと、揚巻が意休にフンッという顔をして引っ込むところが後ろ姿しか見えないのが残念だ。

やがて尺八の音が聞こえて。助六の出端になる。すすすっと出て来てちょっと止まり、いろんな所作をする。助六は黄色い足袋をはいている。団十郎は玉三郎より足が小さいかもしれない。主に後ろ姿が見えるので、印蠟の根付けとか帯の結び方とかを観察した。助六が足を開いて決まる時に足が見える、ある意味おいしい席だった。

仁左衛門がくわんぺら門兵衛で、始めは、やっぱり江戸歌舞伎とは色合いの違う人だと思ったが、最終的には、これはこんな良い役だったかしら、とびっくりした。平成中村座の不破数右衛門とか、仁左衛門がやると、よくそういうことがある。 今回の役の中では、期待していた源蔵よりも良かった。
仁左衛門は顔も老けたし声も美声ではなくなったが姿の良いのが相変わらずで、動くと、団十郎の助六よりずっと良い男に見える。いつか必ずやるだろうが、意休役を観るのが楽しみだ。左団次もタッパがあって衣装映えがするが、あの派手な衣装は仁左衛門が着るとより映えるだろう。

通人の勘三郎が上手から登場すると大拍手。股潜りをする前、団十郎には「何でも知ってるの。たかとしは昨日、まおちゃんに初めて料理作ってもらったの」とかいろいろ言って、三升の紋のふくさを頭に載せて潜った。菊五郎には、「遅ればせながらしのぶちゃん、おめでとう。」と映画祭での受賞の話をしていた。花道に来てからはさよなら公演が「よく粘ったねえ」と指折り数えて笑わせた。

玉三郎は助六の母と出てくるときは殊勝な嫁の表情をしている。

最後は、助六は花道を駆けて引っ込み、揚巻が舞台中央でそれを見送って幕になる。

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