七世松本幸四郎襲名百年 日生劇場 十二月歌舞伎公演 夜の部 ― 2011/12/21 23:58
2011年12月17日
「錣 引」
舞台も客席も暗くて、眠気を催す演目。
せっかく笑也が出ているのに活きていない。話の筋はともかく、もっと演出を考えないと、全く面白くない。
「口上」
七世の曾孫である3人の口上。
真ん中に染五郎、上手に松緑、下手に海老蔵。染五郎が最初に挨拶。年上というより、松本家の跡取りという立場だろう。紋付で素顔、というのは、七世襲名のときを踏襲したそうだ。そういえば、口上のときはみんな拵えをして並ぶのが普通だな。きょうの口上の3人は浅草歌舞伎のお年玉ご挨拶みたいな格好をしている。
七世襲名のときは毎日口上の内容が変わったそうで、松緑だけがそれを踏襲している。きょうは、染五郎が高校のときにもてて、正門と裏門に別の女子高の女の子が待っていたとか、千代田線で女性といっしょにいるところを見たとか、学校では染五郎は良い藤間、自分はダメな藤間だった、そして、染五郎が卒業したと思ったら亀治郎が一年下に入ってきて、こんどは良い歌舞伎役者とダメな歌舞伎役者と呼ばれるようになった、という話をして、盛大な拍手をもらっていた。
続く海老蔵は、七世は若いときに団十郎の弟子になって・・・等、非常に真面目な内容。なんて綺麗な顔なんだろうと思った。
最後を染五郎がしめる。「松緑さんが無いこと無いこと言ってくれて」というと松緑が染五郎のほうに顔を向けた。しかし、毎日違う内容の口上は染五郎と海老蔵はできないけれども、松緑がやってくれているのだそうだ。
「勧進帳」
立鼓が傳左衛門で、その隣に今日は小鼓の傳次郎。
富樫役の松緑が上手から現れ、夜の部も太刀持音若の梅丸が後に続く。松緑は、怪しい者はいっちにんも通さないぞ、という気迫がある。舌足らずだが声量はあり、荒事に向いてそうな感じがする。相撲の行司風というか。
「染五郎と読む歌舞伎になった義経物語 」の表紙の写真と同じ拵えの染五郎。 女々しさのある顔立ちが、義経にぴったり。四天王よりも長身で、スラリと品のある貴公子。前の代には義経に向く人はいなかったが、染五郎は極め付けといっても良いくらい義経向き。
四天王は亀三郎、亀寿、猿弥、市蔵で、役者がそろっている。
最後に出てくる海老蔵の弁慶は、ドスの聞いた低音か素敵。何か尋常でないものが出てきた雰囲気がある。
弁慶が勧進帳を読んでいるとき富樫がそろそろと近づいて来て、弁慶がそれに気づくところの緊張した場面が面白くなかった。海老蔵襲名の松竹座のときは、あれが本当に面白くて、観客全員が舞台に引き込まれるような魅力があった。あれは仁左衛門がうまかったんだなあ。
松緑は、弁慶の方を見ているときに棒立ちになっていることが多い。仁左衛門の富樫は、終始もっと緊張感を感じる格好をしていたと思うのだが。踊りが得意な松緑なら、首から下はもっとどうにかできそうなものだ。
海老蔵は美声で声量もあるが、今月は台詞がききとりにくかった。勧進帳の台詞は、聞き取れても私には半分も意味がわからない。しかし、今月はひらがなで書き取るのも無理そうだった。口の前にある烏帽子の紐の先がじゃまに見えたくらいだ。あんな、言ってることもわからない、目ばかりぎょろぎょろさせた胡散臭い男に、富樫はだまされないと思う。
舞台の幕がしまって、花道の六方。長く片足を上げて、かっこいい弁慶。
「錣 引」
舞台も客席も暗くて、眠気を催す演目。
せっかく笑也が出ているのに活きていない。話の筋はともかく、もっと演出を考えないと、全く面白くない。
「口上」
七世の曾孫である3人の口上。
真ん中に染五郎、上手に松緑、下手に海老蔵。染五郎が最初に挨拶。年上というより、松本家の跡取りという立場だろう。紋付で素顔、というのは、七世襲名のときを踏襲したそうだ。そういえば、口上のときはみんな拵えをして並ぶのが普通だな。きょうの口上の3人は浅草歌舞伎のお年玉ご挨拶みたいな格好をしている。
七世襲名のときは毎日口上の内容が変わったそうで、松緑だけがそれを踏襲している。きょうは、染五郎が高校のときにもてて、正門と裏門に別の女子高の女の子が待っていたとか、千代田線で女性といっしょにいるところを見たとか、学校では染五郎は良い藤間、自分はダメな藤間だった、そして、染五郎が卒業したと思ったら亀治郎が一年下に入ってきて、こんどは良い歌舞伎役者とダメな歌舞伎役者と呼ばれるようになった、という話をして、盛大な拍手をもらっていた。
続く海老蔵は、七世は若いときに団十郎の弟子になって・・・等、非常に真面目な内容。なんて綺麗な顔なんだろうと思った。
最後を染五郎がしめる。「松緑さんが無いこと無いこと言ってくれて」というと松緑が染五郎のほうに顔を向けた。しかし、毎日違う内容の口上は染五郎と海老蔵はできないけれども、松緑がやってくれているのだそうだ。
「勧進帳」
立鼓が傳左衛門で、その隣に今日は小鼓の傳次郎。
富樫役の松緑が上手から現れ、夜の部も太刀持音若の梅丸が後に続く。松緑は、怪しい者はいっちにんも通さないぞ、という気迫がある。舌足らずだが声量はあり、荒事に向いてそうな感じがする。相撲の行司風というか。
「染五郎と読む歌舞伎になった義経物語 」の表紙の写真と同じ拵えの染五郎。 女々しさのある顔立ちが、義経にぴったり。四天王よりも長身で、スラリと品のある貴公子。前の代には義経に向く人はいなかったが、染五郎は極め付けといっても良いくらい義経向き。
四天王は亀三郎、亀寿、猿弥、市蔵で、役者がそろっている。
最後に出てくる海老蔵の弁慶は、ドスの聞いた低音か素敵。何か尋常でないものが出てきた雰囲気がある。
弁慶が勧進帳を読んでいるとき富樫がそろそろと近づいて来て、弁慶がそれに気づくところの緊張した場面が面白くなかった。海老蔵襲名の松竹座のときは、あれが本当に面白くて、観客全員が舞台に引き込まれるような魅力があった。あれは仁左衛門がうまかったんだなあ。
松緑は、弁慶の方を見ているときに棒立ちになっていることが多い。仁左衛門の富樫は、終始もっと緊張感を感じる格好をしていたと思うのだが。踊りが得意な松緑なら、首から下はもっとどうにかできそうなものだ。
海老蔵は美声で声量もあるが、今月は台詞がききとりにくかった。勧進帳の台詞は、聞き取れても私には半分も意味がわからない。しかし、今月はひらがなで書き取るのも無理そうだった。口の前にある烏帽子の紐の先がじゃまに見えたくらいだ。あんな、言ってることもわからない、目ばかりぎょろぎょろさせた胡散臭い男に、富樫はだまされないと思う。
舞台の幕がしまって、花道の六方。長く片足を上げて、かっこいい弁慶。
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