新春浅草歌舞伎 2019 第2部2019/01/05 01:55

2019年1月4日 浅草公会堂 午後3時開演 1階け列3番

挨拶は橋之助。今年は年男だそうだ。年齢より落ち着いた雰囲気だ。30くらいになったら雰囲気に年齢が追いつきそう。

「寿曽我対面」
昨日、「曽我五郎役の橋之助がうまかった」と書いたが、あれは松也の間違いだった。うまくて当たり前だわ。ずっと橋之助だと思って観ていて、なんてうまいんだろうと思って、「今の浅草メンバーにはいない、力強い正統派のうまさを感じる。」なんて書いてしまって、申し訳ありません。

「番町皿屋敷」
山王下の場で、橋之助は、青山播磨に喧嘩をふっかける放駒四郎兵衛の役。これがうまくて、青山播磨役の隼人がしゃべり始めると、「やっぱり隼人って下手」と思った。
ところが、次の青山家の場では、隼人の青山播磨にすっかり魅了されてしまった。今まで3回くらい観たが、初めて、青山播磨がお菊を手打ちにした気持ちが理解できた。それは隼人が青山播磨の気持ちを完全に理解して、その世界を観客に提示できたからだと思う。だから、手打ちを止めようとする奴に向かって「そちにはわからん」と叫ぶのを聞くと、そうだそうだ、と思う。
お菊役の種之助は、朋輩の腰元お仙(鶴松)の後ろについて出てきたとき、むっつりした表情で、十太夫と話すのは主にお仙の方で終始無愛想で色気がないので大丈夫かと心配したが、台詞が多くなったらしっかりしていて、所作は元々綺麗なので、最終的には良いお菊だった。
名古屋で観た壱太郎・梅丸コンビは、壱太郎のお菊は男を知ってる女、お仙の方はまだ男を知らない生真面目な腰元、というように見えた。種之助のお菊は端正だが、そこまでの色気はなかった。壱太郎のお菊は青山播磨の気持ちを知って、皿を割るときも殺されるときも喜びでうっとりした中で死んだようにも見えたが、種之助のお菊は、皿を割られているときは明らかに怯えていて、「この人、あぶない人だったんだ」と思っているように見えた。
鶴松のお仙はお菊より少しお姉さんのように見えるので、皿を割ったことを十太夫に告げたのが少し意地悪のようにも思えてしまう。
今年の浅草で一番注目していた演目で感動できて幸せだ。隼人の青山播磨はもちろん見た目はすごく良くて、この役ではそれも重要なのだが、特に書く必要を感じないほど演技が良かった。おそらく原作の意図を正しく観客に伝えてくれた。

「乗合船恵方萬歳」
役者が一人ずつ踊るので、好きな演目だ。
今年の浅草は例年になく踊りが多い。
ここでやっと、芸者役の鶴松の踊りが観られて嬉しかった。才造役の種之助の踊りも堪能した。

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