五耀会2010/05/24 01:11

2010年5月23日 三越劇場 午後2時開演 一階9列11番


去年は国立劇場の大劇場だったが、今年はこじんまりした劇場で花道もなく、最後に5人一緒に踊るときは、お囃子の人達の席は舞台からはみ出て上手客席に出来ていた。 去年は東京で初めてということでお弟子さんを動員して大劇場でやったのかもしれない。今年は動員がかかってないせいか、一見して日舞関係者とわかる人の率が少なかった。相変わらず贅沢に葛西アナウンサーの司会。

最初は花柳寿楽の「八島」。地歌を「踊る」のだという。 そういうのって、すごく技量のある人でないと観客を感動させるのは難しいと思う。見た目がお兄さん風の綺麗系の人なので、去年の「一人の乱」のようなドラマチックな踊りの方が向いてると思った。

次は西川箕之助の「瓢箪鯰」。箕之助は瓢箪をもって鯰をつかまえようとする男で、鯰役の人は着ぐるみ。今年の人気ナンバーワンは間違いなく、鯰だろう。ちょっと口を開いた顔で、長~い髭。お尻のところに尾っぽが出ている。鯰が、髭を振りそでのように持ってくるくる回したり口にくわえたり、開いた手ぬぐいを持って踊ったりするその所作が超可愛い。幕切れは男に頭を踏まれながらの三点倒立。箕之助のイトコの西川じゅん(?)という話だが、主役よりも絶対客の目を集めていた。

藤間蘭黄の「一人椀久」。椀久役は今までに仁左衛門と愛之助しか観たことがないが、容貌的に見劣りしない綺麗な椀久だ。踊りは当然のことながら、比較にならないくらいうまい。 この人は、踊りのうまさ以上に、見ている人に何かを訴えようとする気持ちを感じる。

花柳基の「旅奴」。とってもうまい人が、うまさがよくわかるものを踊った、という感じ。 短いのが残念だった。

山村若の「ままの川」。着流しの素踊り。個人的には、この人と花柳基が、このグループでは、うまさの双璧だと思う。こういう女性の踊りを観るのは初めてで、うまいとは思ったが遅い動きに、ついウトウトとしてしまう自分。しかし、踊りがわかる客が多いせいか、拍手は盛大だった。

最後は5人そろって「旅」。この中の山村若の踊りの方が私の好みだった。

「旅」の幕が下りて間もなく、最後のアフタートークというのがあった。踊った直後に御苦労なことだ。事前に観客から質問を募ってあり、やっぱり、鯰が可愛いという話が出ていた。鯰をやった人の顔が観たかったが、もう着替えてしまったということで出てこなくて残念だった。

舞と踊りの違いという質問があり、葛西アナウンサーが、花柳寿楽と山村若に振った。山村若の、「旋回運動が中心なのが舞で、上下運動が中心なのが踊り」という説明に、とても納得がいった。