映画 「赦免花」 ― 2013/03/17 20:29
2013年3月16日 テアトル新宿 午後9時開演
吉原の女郎お雪(西条美咲)は客(竹内力)の目を突き刺して、佐渡に流刑となる。
お白洲で刑を言い渡す松前伊豆守の役が愛之助。「申し渡す・・・・・遠島申し付ける」と畏まった調子で言い渡した後、世話にくだけて「お雪さんよぉ、・・・・・しっかり生き抜け」と話しかけ、最後にまた畏まって「引っ立てい」と言う。鼻の丸さが目立ったが、愛之助の台詞で短い場面が引き締まった。
お雪はいっしょに佐渡に流された女3人と暮らすようになる。島長の近藤武造は川野太郎。川野太郎は初日の舞台挨拶で見たが、顔立ちが愛之助に似ている。
4人の女がつながれて小屋に入る前に、既に流刑になって島で医者をやっている早坂憲吾(市瀬秀和) に会う。こんな若い良い男に会ったら、女たちのテンションは一気に上がるだろう。
女たちが畑を手伝いに行く先で、みつ(十勝花子) は、お前たちみたいなのが来るからまた食べ物が減る、ちゃんと働け、と怒鳴りつける。十勝花子は挨拶の後、前の方の席で見ていた。
働きながらみつの噂をする流人の女たち。吉原で女郎なんかやるより、ずっと健康的で自由でいいじゃないか。これから、解放区で女たちのサバイバルが始まるのかと期待した。土豪の娘で意地悪なお染(辻やすこ)というのもいて、少女漫画的な面白い話になるのかと思った。
しかし、娼婦の道に引き込まれたおりん(安井真理子)が泣き叫ぶあたりから、なんかこれは男の頭で考えた話だな、という疑問が湧いた。若い女が食べていくには娼婦になるのが手っ取り早く、それで金を稼いで土地や種を買って自立するのが着実な方法だろう。
お雪が、もらった着物を着て、もらった釣り具をもって魚を捕りに行くシーンは、魚釣りの女郎という感じの珍しい絵面で、リアリティには欠けるが綺麗だった。
草鞋を編んで売り歩く場面もあるが、あれで十分な金が稼げるはずはない。お雪たちがどうやって食べていたのか、よくわからない。こういう点でリアリティが欠けるのは個人的に許せない。
お雪役の西条美咲は、舞台挨拶のときはきゃりーぱみゅぱみゅかと思うような人工的なアイドル風の格好だったので、こんなちゃんとした女優さんなのがびっくり。
登場人物が出そろった後半は、ストーリーや台詞を考える作業を停止してしまったかのように陳腐な展開になり、感傷的なシーンに感傷的な音楽が重なってウンザリした。最後まで盛り返せずに尻つぼみ。残念。
特機で上から撮影したシーンや、白黒画面のような色合いの佐渡の風景は綺麗だった。
吉原の女郎お雪(西条美咲)は客(竹内力)の目を突き刺して、佐渡に流刑となる。
お白洲で刑を言い渡す松前伊豆守の役が愛之助。「申し渡す・・・・・遠島申し付ける」と畏まった調子で言い渡した後、世話にくだけて「お雪さんよぉ、・・・・・しっかり生き抜け」と話しかけ、最後にまた畏まって「引っ立てい」と言う。鼻の丸さが目立ったが、愛之助の台詞で短い場面が引き締まった。
お雪はいっしょに佐渡に流された女3人と暮らすようになる。島長の近藤武造は川野太郎。川野太郎は初日の舞台挨拶で見たが、顔立ちが愛之助に似ている。
4人の女がつながれて小屋に入る前に、既に流刑になって島で医者をやっている早坂憲吾(市瀬秀和) に会う。こんな若い良い男に会ったら、女たちのテンションは一気に上がるだろう。
女たちが畑を手伝いに行く先で、みつ(十勝花子) は、お前たちみたいなのが来るからまた食べ物が減る、ちゃんと働け、と怒鳴りつける。十勝花子は挨拶の後、前の方の席で見ていた。
働きながらみつの噂をする流人の女たち。吉原で女郎なんかやるより、ずっと健康的で自由でいいじゃないか。これから、解放区で女たちのサバイバルが始まるのかと期待した。土豪の娘で意地悪なお染(辻やすこ)というのもいて、少女漫画的な面白い話になるのかと思った。
しかし、娼婦の道に引き込まれたおりん(安井真理子)が泣き叫ぶあたりから、なんかこれは男の頭で考えた話だな、という疑問が湧いた。若い女が食べていくには娼婦になるのが手っ取り早く、それで金を稼いで土地や種を買って自立するのが着実な方法だろう。
お雪が、もらった着物を着て、もらった釣り具をもって魚を捕りに行くシーンは、魚釣りの女郎という感じの珍しい絵面で、リアリティには欠けるが綺麗だった。
草鞋を編んで売り歩く場面もあるが、あれで十分な金が稼げるはずはない。お雪たちがどうやって食べていたのか、よくわからない。こういう点でリアリティが欠けるのは個人的に許せない。
お雪役の西条美咲は、舞台挨拶のときはきゃりーぱみゅぱみゅかと思うような人工的なアイドル風の格好だったので、こんなちゃんとした女優さんなのがびっくり。
登場人物が出そろった後半は、ストーリーや台詞を考える作業を停止してしまったかのように陳腐な展開になり、感傷的なシーンに感傷的な音楽が重なってウンザリした。最後まで盛り返せずに尻つぼみ。残念。
特機で上から撮影したシーンや、白黒画面のような色合いの佐渡の風景は綺麗だった。
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