歌舞伎座こけら落とし 5月大歌舞伎 第三部2013/05/08 10:32

2013年5月6日 歌舞伎座 午後6時開演 2階1列19番

2階1列目はストレスなく観劇できていい。2列目以後はどうしても前の人に運命を左右される。

「梶原平三誉石切」

これもよく観る芝居だが、特に好きではない。それでも今月はほとんど最高のキャストで、みんなうまいのはわかる。

梢役の芝雀が下手に倒れているときの形が美しくて見とれた。

下手に並ぶ梶原方の大名4人は、真ん中に近いところから歌昇、弟の種之助、従弟の米吉、また従弟の隼人。台詞は、年長の歌昇に一日の長がある。種之助はまだ時々声が裏返る。

六郎太夫役の歌六は端正な老け役。隣りに座る囚人役で大きな人が来たなあと思ったら彌十郎だった。

目立つ赤っ面の俣野五郎は又五郎。台詞も所作も流石。以前、歌舞伎座で幸四郎が梶原をやった時、愛之助の俣野を見たのを思い出した。あれはずいぶん良い役をもらってたんだ。そして、あの時も「二人道成寺」を観た。上演記録をチェックしたら7年前だった。

「二人道成寺」

幕が閉まると、周りのお客さんが口々に「よかったねぇ」と言い合っている。感想はそれに尽きる。

きょうの舞づくしは萬太郎。元々声は良いし、こういうものはしっかり暗記してくるだろう信頼しているので、安心して聞けた。ころっと倒れる所化の役も萬太郎だったと思うが、それはあんまりうまくなかった。倒れるときの思いっきりに欠ける。

玉三郎と菊之助の「二人道成寺」は初演以来、松竹座での公演を含めて5回、全部観ている。以前は菊之助をどうこう言う余裕もあったが、今となっては、玉三郎のこの踊りを生で観られるのはあと何回かという気持ちが大きくなり、菊之助に目をやる余裕がない。ひたすら玉三郎の姿を目で追う。玉三郎の顔や、ひねった身体の形の美しさ。他の誰にも替えられない。

二人で踊るときの華やかさやレスビアン的耽美な場面も良いが、玉三郎が一人で踊る「恋の手習い」が、玉三郎ファンにとっては最高。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://wonwon50.asablo.jp/blog/2013/05/08/6803742/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。