十二月大歌舞伎 夜の部2018/12/07 23:52

2018年12月3日 歌舞伎座 午後4時半開演 2階東10の1

「阿古屋」
何回も観た演目だが今までは正面から見たので、きょうは横上からの視点で花道に登場した阿古屋(玉三郎)が捕手たちの真中で決まるときの花道全体とか、琴を弾く手と指の動き、琴を弾くときに阿古屋の右の毛氈の上に置いてある三味線と胡弓などを楽しんだ。
1つの楽器の演奏が終わると次の楽器に移る前に何かする、とか三味線のときは下手に三味線の人が来てそれと合わせるように弾く、とか今回初めて認識したこともある。
舞台で動いている玉三郎を見ることは快楽である。

所作が綺麗な松緑の岩永は、ずっと観たいと思っていた。重忠役は、台詞の良い彦三郎。絶妙の配役である。

「あんまと泥棒」
見るのは二回目。前回の泥棒役は猿之助だった。
前回ほど練れた感じはしないが、松緑の泥棒も悪くはない。あんまに金をやろうかと行ったり来たりするところは猿之助と同じようにうまい。
中車は相変わらず、口先と本音が違う性格の悪いあんま役がうまい。泥棒とのやりとりで「甘いな!」と言うところが面白い。

「二人藤娘」
暗闇の後、場内がパッと明るくなると、舞台と花道の両方に藤娘がいて、客席からおーっという感嘆の声が上がる。
梅枝の方がお姉さんの感じだが、児太郎は酔態がうまく、色っぽかった。