シリース゛「歌」 こころ響きあうとき VOL 11 「歌・舞・音・曲」 6/122008/06/15 22:35

2008年6月12日 紀尾井ホール 午後7時開演 1階10列18番

 素囃子「神舞(かみまい)」 (笛:一噌幸弘、小鼓:吉阪一郎、大鼓:原岡一之、太鼓:大川典良)

とても威勢の良い曲。大鼓は広忠ではないが、最初の音からまた、このホールの音に感動。

この曲が終ったら広忠がmcに出てきた。このときはもう雨は上がっていたのだが、「足元のお悪い中」と言ったので、そういえば先週もそう言ってた、先週も雨降りだったんだ、と思い出した。

 舞囃子「乱(みだれ)」 (シテ:谷本健吾、笛:一噌幸弘、小鼓:大倉源次郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:助川治)

私は能を見た回数が少ないので間違っているかもしれないが、能にしてはいろんな動きがあって面白いと思った。

 舞囃子「融(とおる)」 (シテ:観世喜正、笛:一噌幸弘、小鼓:吉阪一郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:大川典良)

5日にやった時はシテが谷本健吾だった。5日にも観世喜正のシテのとき、眠くなった。偶然か?

この後、20分休憩。

休憩の後、広忠がmcに出てきた。

 小鼓一調「夜討曽我(ようちそが)」 (謡:観世喜正、小鼓:大倉源次郎)

 大鼓一調「花筐(はながたみ)」 (謡:川口晃平、大鼓:亀井広忠)

 太鼓一調「春日龍神(かすがりゅうじん)」 (謡:山崎正道、太鼓:助川治)

太鼓一調ははじめて聴いた。mcに出てきた広忠が、最初の小鼓一調があまりに華麗で、その次の自分の大鼓一調を置いたのを後悔した、と言った。

 居囃子「熊野(ゆや)」 (シテ:観世喜正、地謡:山崎正道・味方玄・谷本健吾・川口晃平、笛:一噌幸弘、小鼓:大倉源次郎、大鼓:亀井広忠)

次の演目が良すぎて、あまり印象に残っていない。

 舞囃子「天鼓(てんこ)」 (シテ:味方玄、笛:一噌幸弘、小鼓:吉阪一郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:助川治)

これは良かった。味方玄は観客全員を引きつける力がある。自分がひきつけられて見ていたから他の人のこともそう見えたのかもしれないが、会場全体が味方玄の舞に見入っている気配がした。この後出てきた広忠が「美しい舞姿でしたね」と言ったときにみんなが拍手したのは、みんなそう思って見ていたからだと思う。舞がついているとシテが自分の位置に戻るまで拍手が起きないので、それも良かった。

 素囃子「獅子(しし)」 (笛:一噌幸弘、小鼓:吉阪一郎、大鼓:亀井広忠、太鼓:大川典良)

三響会でやる「獅子」は能と歌舞伎の折衷らしいが、これは歌舞伎の「獅子」の元になった能の「獅子」だそうだ。小鼓の咆哮がすごく、吉阪一郎の顔が獅子に見えてくるほどだった。

5日の公演のときのしゃべりが長すぎたと反省したそうで、きょうは4回出てきたが、演奏者の紹介もなくて淋しかった。

5日の公演の方が広忠が全曲打って、いろいろしゃべって広忠の魅力が炸裂していた。それに、あの日の観客の方が能を知ってる人が多かったのか拍手のタイミングも早すぎなくて良かった。