新春浅草歌舞伎 第1部 2回目2010/01/16 22:59

2010年1月16日 浅草公会堂 午前11時開演 1階せ列

お年玉ご挨拶は、また七之助。今回は、昔は客席がガラガラだったという話はなくて、替わりにパンフとイヤホンガイドの宣伝が入った。

「正札附根元草摺」

初日に「せりあがってきた」と書いたが、それは記憶違いで、本当は五郎と朝比奈はお囃子の壇が二つに割れて、後ろから押しだされて来たのだった。

きょうのように遠くから観ると、亀治郎の体格が分かるので勘太郎と間違えたりはしない。亀治郎は顔も体格も力強さが足りない。勘太郎の踊りはきょうも良かった。

「御浜御殿」

亀治郎が少し静かになったような気がする。

愛之助の綱豊は助右衛門が出てくるまで客の気持ちを舞台に引きつけておくのはちょっと苦しい。仁左衛門でも梅玉でも眠ったことがあるから、なかなか難しいだろう。もう少し年をとって、台詞が心から言えるようになればと思うが、今はまだ中身がチンピラなので仕方ないか。愛之助の、綱豊の笑い声が気に入っているので、今後に期待している。

「忍夜恋曲者」

初日はちょうどこの演目の時に睡魔に襲われて、まともに観られなかったが、きょうはこれが一番良かった。

七之助の滝夜叉姫が下手から出て来るときに、七之助の後ろと花道から面明りを持った黒衣が出てきて左右につく。その蝋燭の明かりに照らし出される滝夜叉姫に古風な味があって良い。そして、きょうの席からは、下手側の壁に映る影が影絵のように美しく見えた。誰かあの影も入れた写真を撮ってくれないだろうか。

勘太郎の光圀の長い踊りは素晴らしいから、終わったとき思いっきり拍手したいのに、ここで拍手することにはなっていないようだ。1人で拍手するのも変だから我慢したが、拍手させてくれたら観てる方の気持ちがもっと盛り上がるのにと、残念に思う。