七月大歌舞伎 昼の部 初日 ― 2014/07/08 02:38
2014年7月5日 歌舞伎座 午前11時開演 1階15列15番
歌舞伎座を入るときから、報道の人や警備の人が目についたので誰かセレブが観に来るのだろうと思った。席についてしばらくしたら周りが拍手し始めたのでいっしょに拍手していたら、安倍首相一行が入って来た。私の横あたりで少し立ち止まって客席の人に手を振っていた。安倍さんの後ろにはケネディ駐日大使が続いていた。昔、少女フレンドで「キャロリン日記」というのを読んでいた世代なので、本物のキャロラインちゃんを見られて嬉しかった。
「正札附根元草摺」
五郎の右近と舞鶴の笑三郎。右近は川口のときは休演だったが復活して良かった。動きの切れはまだ完全に復活していないように思う。
「夏祭浪花鑑」
夏祭の幕開きはいつも住吉大社の鳥居前だったが、きょうは、お座敷。「お鯛茶屋の場」という。磯之丞(門之助)がいつもの着物の上にばか殿のガウンみたいなのを羽織って出て来て、それはすぐに脱ぐ。
お梶(吉弥)が出て来て、磯之丞を連れ戻すために一芝居打たせた徳兵衛(猿弥)に金と着物を与える。これが、次の場でお梶が団七と徳兵衛の喧嘩を止めたときに、徳兵衛に気づいて「お前は~」と言う台詞の前提になるわけだ。
住吉鳥居前の場では、三婦(左團次)、お梶と市松が出てくる。可愛い市松。お梶と市松がお参りに行っている間に上手から出てくる釈放された団七(海老蔵)。
三婦は団七を髪結床にやり、髪結に着替えを渡そうとするが、着替えの褌を忘れたことに気づく。ここで、自分の締めているおろしたての赤褌を髪結(國矢)に引っ張らせてとらせるのが見せ場だが、きょうは、三婦と髪結が長いのれんの向こうにすっぽりと隠れて、台詞しか聞こえなかったので狐につままれたような気分。出て来て花道を引き揚げるときはいつもの動きだった。
髪結でさっぱりした団七が現れ、徳兵衛に呼び止められる。自分が今までに見た徳兵衛は仁左衛門とか錦之助とか獅童のような二枚目系が多かったので、猿弥の徳兵衛は違和感があった。しかし、次の幕で二人が色違いの浴衣を着て花道から出てくるとき、揚幕の後ろから声が聞こえるが、猿弥の方がうまく、比べると海老蔵の台詞はどことなく間が抜けている。
三婦の家にお辰(玉三郎)がやってくる。前に玉三郎のお辰を観たときも三婦は左團次だった。もう四半世紀前になるのだ。玉三郎は出だしはもたもたした感じだったが、しり上がりに良くなって、花道で胸を叩くところはかっこよかった。
そして、いよいよ、きょう一番注目している中車の義平次の登場となる。腰をかがめて少し左右に揺れながら花道を歩いて行く後ろ姿が目に焼き付く。声は、特にはじめのうち、年寄りにしては可愛すぎる印象だった。笠をとって顔が見えると場内が沸く。海老蔵の団七と今にもキスしそうなくらい顔をくっつけて睨み合ったり、相手の大げさな芸風を互いにしっかりと受け止めていて、演技がかみ合って面白い。「暑いなあ~」と何度もいうところや、「若いくせに物忘れ」のあたりで笑いが起きていた。斬られた後、舞台の前の方の穴に落ち、泥水でびっしょりになって戻って来て、ふらふらの義平次が団七の髪を後ろから引っ張る姿が面白い。海老蔵は所作がうまいわけではないが、美しい姿がどろどろの中車と対称的で引き立った。長町裏の場は期待通りの盛り上がり。
団七が神輿について踊りながら花道を引っ込むところで終わりではなく、団七内の場と、屋根上の立ち回りの場がつく。
歌舞伎座を入るときから、報道の人や警備の人が目についたので誰かセレブが観に来るのだろうと思った。席についてしばらくしたら周りが拍手し始めたのでいっしょに拍手していたら、安倍首相一行が入って来た。私の横あたりで少し立ち止まって客席の人に手を振っていた。安倍さんの後ろにはケネディ駐日大使が続いていた。昔、少女フレンドで「キャロリン日記」というのを読んでいた世代なので、本物のキャロラインちゃんを見られて嬉しかった。
「正札附根元草摺」
五郎の右近と舞鶴の笑三郎。右近は川口のときは休演だったが復活して良かった。動きの切れはまだ完全に復活していないように思う。
「夏祭浪花鑑」
夏祭の幕開きはいつも住吉大社の鳥居前だったが、きょうは、お座敷。「お鯛茶屋の場」という。磯之丞(門之助)がいつもの着物の上にばか殿のガウンみたいなのを羽織って出て来て、それはすぐに脱ぐ。
お梶(吉弥)が出て来て、磯之丞を連れ戻すために一芝居打たせた徳兵衛(猿弥)に金と着物を与える。これが、次の場でお梶が団七と徳兵衛の喧嘩を止めたときに、徳兵衛に気づいて「お前は~」と言う台詞の前提になるわけだ。
住吉鳥居前の場では、三婦(左團次)、お梶と市松が出てくる。可愛い市松。お梶と市松がお参りに行っている間に上手から出てくる釈放された団七(海老蔵)。
三婦は団七を髪結床にやり、髪結に着替えを渡そうとするが、着替えの褌を忘れたことに気づく。ここで、自分の締めているおろしたての赤褌を髪結(國矢)に引っ張らせてとらせるのが見せ場だが、きょうは、三婦と髪結が長いのれんの向こうにすっぽりと隠れて、台詞しか聞こえなかったので狐につままれたような気分。出て来て花道を引き揚げるときはいつもの動きだった。
髪結でさっぱりした団七が現れ、徳兵衛に呼び止められる。自分が今までに見た徳兵衛は仁左衛門とか錦之助とか獅童のような二枚目系が多かったので、猿弥の徳兵衛は違和感があった。しかし、次の幕で二人が色違いの浴衣を着て花道から出てくるとき、揚幕の後ろから声が聞こえるが、猿弥の方がうまく、比べると海老蔵の台詞はどことなく間が抜けている。
三婦の家にお辰(玉三郎)がやってくる。前に玉三郎のお辰を観たときも三婦は左團次だった。もう四半世紀前になるのだ。玉三郎は出だしはもたもたした感じだったが、しり上がりに良くなって、花道で胸を叩くところはかっこよかった。
そして、いよいよ、きょう一番注目している中車の義平次の登場となる。腰をかがめて少し左右に揺れながら花道を歩いて行く後ろ姿が目に焼き付く。声は、特にはじめのうち、年寄りにしては可愛すぎる印象だった。笠をとって顔が見えると場内が沸く。海老蔵の団七と今にもキスしそうなくらい顔をくっつけて睨み合ったり、相手の大げさな芸風を互いにしっかりと受け止めていて、演技がかみ合って面白い。「暑いなあ~」と何度もいうところや、「若いくせに物忘れ」のあたりで笑いが起きていた。斬られた後、舞台の前の方の穴に落ち、泥水でびっしょりになって戻って来て、ふらふらの義平次が団七の髪を後ろから引っ張る姿が面白い。海老蔵は所作がうまいわけではないが、美しい姿がどろどろの中車と対称的で引き立った。長町裏の場は期待通りの盛り上がり。
団七が神輿について踊りながら花道を引っ込むところで終わりではなく、団七内の場と、屋根上の立ち回りの場がつく。
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