歌舞伎座新開場こけら落とし 九月花形歌舞伎 初日 昼の部 ― 2013/09/01 22:18
2013年9月1日 歌舞伎座 午前11時開演 1階4列22番
「新薄雪物語」
すごく良かった。特に良かったのは梅枝と松緑。
序幕の最初は清水寺の花見。腰元(芝喜松)に連れられて薄雪姫(梅枝)が花道から出てくる。後ろに続くのは腰元の籬(七之助)。
薄雪姫が短歌を書いて桜の枝に結び付け、その後に来た園部左衛門(勘九郎)が、奴の妻平(愛之助)に、その枝を折らせる。
ここは、姫の気持ちを察して左衛門との仲をとりもつ籬の七之助が面白い。赤姫の梅枝はあくまでもおっとりした古風な雰囲気が良い。
睡眠不足だったので、この後、亀三郎、海老蔵が出て来たあたりで眠くなったが、愛之助と奴たちとの立ち回りがあったのですっかり目が覚めた。数人を下に置いて飛び越えたり、階段の上からトンボをしたり。かなり高度なレベルの立ち回りだった。愛之助は、この芝居の初めの方では喉に痰が絡んだような声だったが、奴たちの真中で言うセリフは立派だった。
ここまで、30分の休憩前は、主要な人物たちはまだ出てこない。
休憩の後、二幕目の幸崎邸詮議の場では、左衛門が奉納した太刀に鎌倉の将軍調伏のための鑢目が入っており、これが左衛門と薄雪姫の企てではないかとの嫌疑があり、詮議する。
ここで、薄雪姫の父幸崎伊賀守(松緑)と左衛門の父園部兵衛(染五郎)が登場する。
最後の三幕目、園部邸の芝居が盛り上がった。ここで初めて園部兵衛の奥方、梅の方(菊之助)が登場する。私は前に一度だけ「新薄雪物語」を観たことがあるが、それは玉三郎の梅の方目当てだったに違いないので、ここまでジリジリしながら待ったのだろう。
兵衛と梅の方は、ピンクの着物の薄雪姫に、身を隠すように強く勧め、薄雪姫は妻平、籬を供に泣きの涙で園部邸を去る。このときの梅枝の悲しそうな顔、演技が秀逸で、一人で客の注目を集めていた。
奥書院の場では、陰腹を切った幸崎伊賀守(松緑)が首桶を持って花道を歩いてくる。怪我をした人の歩き方、やっとのことで家に上がり、履物も上まで上がってから脱ぐような動きを、松緑はしっかりとやった。声を出すときもお腹に力を入れられないときの声だった。左衛門を逃がすために追い払うときに、最後に「消えろー」と怒鳴った声は、この人、こんな声が出せたのかと思うような迫力だった。
前に観た「新薄雪物語」で覚えているのは、三人笑いのときの玉三郎の、無理やりに「ホホ」と笑おうと口をひきつらせてる様子と、伊賀守役の幸四郎が変な歩き方で尋ねてくるところだけで、園部兵衛役の孝夫は覚えてない。幸崎伊賀守がいかに印象的な役かということだ。
幸崎伊賀守は顔も衣装も黄色っぽくて、舞台にいると半分透明みたいな地味な存在。歌舞伎の二枚目から外れた松緑の顔が、こういう異常な状態の人間の顔には合ってると思った。
三人笑いは、菊之助、染五郎、松緑の三人とも頑張ってくれた。
園部邸広間の襖の、雲海の中にいくつかの山の頂が見えている絵と、奥書院の襖の、雪景色の中で枝の上に二羽のサギ(?)がいる絵が、綺麗だった。
「吉原雀」
お馴染み、吉原仲之町の華やかな景色を背景に、勘九郎と七之助がせり上がって来る。鳥売りの男女。前に錦秋公演で観たことがある。
「新薄雪物語」の終わりが壮絶だったから、明るい踊りをつけるのだろうか。
勘九郎の踊りを観られて嬉しかったのだが、ちょっと物足りなかった。何故かはわからない。
「新薄雪物語」
すごく良かった。特に良かったのは梅枝と松緑。
序幕の最初は清水寺の花見。腰元(芝喜松)に連れられて薄雪姫(梅枝)が花道から出てくる。後ろに続くのは腰元の籬(七之助)。
薄雪姫が短歌を書いて桜の枝に結び付け、その後に来た園部左衛門(勘九郎)が、奴の妻平(愛之助)に、その枝を折らせる。
ここは、姫の気持ちを察して左衛門との仲をとりもつ籬の七之助が面白い。赤姫の梅枝はあくまでもおっとりした古風な雰囲気が良い。
睡眠不足だったので、この後、亀三郎、海老蔵が出て来たあたりで眠くなったが、愛之助と奴たちとの立ち回りがあったのですっかり目が覚めた。数人を下に置いて飛び越えたり、階段の上からトンボをしたり。かなり高度なレベルの立ち回りだった。愛之助は、この芝居の初めの方では喉に痰が絡んだような声だったが、奴たちの真中で言うセリフは立派だった。
ここまで、30分の休憩前は、主要な人物たちはまだ出てこない。
休憩の後、二幕目の幸崎邸詮議の場では、左衛門が奉納した太刀に鎌倉の将軍調伏のための鑢目が入っており、これが左衛門と薄雪姫の企てではないかとの嫌疑があり、詮議する。
ここで、薄雪姫の父幸崎伊賀守(松緑)と左衛門の父園部兵衛(染五郎)が登場する。
最後の三幕目、園部邸の芝居が盛り上がった。ここで初めて園部兵衛の奥方、梅の方(菊之助)が登場する。私は前に一度だけ「新薄雪物語」を観たことがあるが、それは玉三郎の梅の方目当てだったに違いないので、ここまでジリジリしながら待ったのだろう。
兵衛と梅の方は、ピンクの着物の薄雪姫に、身を隠すように強く勧め、薄雪姫は妻平、籬を供に泣きの涙で園部邸を去る。このときの梅枝の悲しそうな顔、演技が秀逸で、一人で客の注目を集めていた。
奥書院の場では、陰腹を切った幸崎伊賀守(松緑)が首桶を持って花道を歩いてくる。怪我をした人の歩き方、やっとのことで家に上がり、履物も上まで上がってから脱ぐような動きを、松緑はしっかりとやった。声を出すときもお腹に力を入れられないときの声だった。左衛門を逃がすために追い払うときに、最後に「消えろー」と怒鳴った声は、この人、こんな声が出せたのかと思うような迫力だった。
前に観た「新薄雪物語」で覚えているのは、三人笑いのときの玉三郎の、無理やりに「ホホ」と笑おうと口をひきつらせてる様子と、伊賀守役の幸四郎が変な歩き方で尋ねてくるところだけで、園部兵衛役の孝夫は覚えてない。幸崎伊賀守がいかに印象的な役かということだ。
幸崎伊賀守は顔も衣装も黄色っぽくて、舞台にいると半分透明みたいな地味な存在。歌舞伎の二枚目から外れた松緑の顔が、こういう異常な状態の人間の顔には合ってると思った。
三人笑いは、菊之助、染五郎、松緑の三人とも頑張ってくれた。
園部邸広間の襖の、雲海の中にいくつかの山の頂が見えている絵と、奥書院の襖の、雪景色の中で枝の上に二羽のサギ(?)がいる絵が、綺麗だった。
「吉原雀」
お馴染み、吉原仲之町の華やかな景色を背景に、勘九郎と七之助がせり上がって来る。鳥売りの男女。前に錦秋公演で観たことがある。
「新薄雪物語」の終わりが壮絶だったから、明るい踊りをつけるのだろうか。
勘九郎の踊りを観られて嬉しかったのだが、ちょっと物足りなかった。何故かはわからない。
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