六月大歌舞伎 昼の部 二回目2006/06/25 18:42

2006.06.25 午前11時開演 歌舞伎座 1階11列5番

家を出たのが10時10分近く。愛之助の出番はただでさえ少ないのだから最初の演目に遅刻するわけにいかないと、地下鉄の銀座駅から歌舞伎座に向かう地下通路で少し走った。歌舞伎座前の階段下に着いたのが57分で、間に合ったと思った。

あまり前の列ではないが、前回よりは中央寄りで、役者の顔も前回に比べるとよく見えた。

「君が代松竹梅」

ほとんど愛之助ばかり見ていたが、お遊戯に毛がはえた程度のもので、ダンスを見ているときの興奮がない。やる気があるように見えない。京浜東北色の扇子を持っているな、とか、三人それぞれ松、竹、梅を包んだものを片手に持って踊っているな、とかが前回気づかなかったことだ。

「双蝶々曲輪日記」 角力場

染五郎がやっている放駒長吉と与五郎の役は愛之助もやったことがあるらしい。考えてみると愛之助が最も得意そうな上方のつっころばしの役はまだ見たことがない。長吉が二回目に花道から出てくるときの衣装がとても綺麗だ。大柄で若い男が着たらさぞ着映えがすることだろう。

最後に足を広く開いて決まるところは、舞踊が得意な染五郎らしく形が美しい。

「藤戸」

あいかわらず良さがわからない。隣りに座っていた人は「これは面白かった」と言っていたので、面白さがわかる人には面白いのだろう。

「荒川の佐吉」

仁左衛門は美しくてかっこいいのだが、客を泣かせる部分がダラダラ長すぎる。これは役者のせいではなく脚本のせいだ。泣くのはひとつのカタルシスだが、一瞬に集中してわっと泣かせてくれないと疲れる。

佐吉は父ではないが、いわば父と子の「子別れ」。父と子の「子別れ」と言えば萩尾望都の「訪問者」も泣けた。「訪問者」はどちらかというと息子の方に感情移入して泣く。卯之吉は「リデル森の中」のリデルのように、少し大きくなったら「自分はどうして親と離れて住んでいたのだろう。自分を育ててくれたあの人はどういう人だったのだろう」と考えるようになるだろう。

きょうは写真が出ていたし、筋書きにも写真が入ったので筋書きを買った。 愛之助の写真は買う予定だったが、仁左衛門の「荒川の佐吉」の写真はもういいか、と思っていた。しかし、写真売り場で写真を見ていたら仁左衛門の顔に負けて二枚買ってしまった。客に写真を買わせる力のある美貌ってすごいと思う。

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