エレベータの事故2006/06/04 01:24

昨日は休日出勤をした。8時すぎまで会社にいたが、8時前にサイレンの音を聞き、近くで火事があったのかと思った。窓からのぞこうかと思ったが忙しかったのでやめた。会社から出てすぐの信号のところに救急車その他何台か車が止まっていて、人が何人か立って待っているように見えたので小火でけが人でも出たのかと思った。

帰宅してニュースを見ると、都立高校生の男子がエレベータの床と天井の間にはさまって亡くなったという。あの高層ビルの下の方は障害者施設になっていて、一階にある食堂でたまに昼食を食べる。障害のある子達が何人か働いている。

会社近くであった大きな事故にびっくりした。

六月大歌舞伎2006/06/05 01:06

歌舞伎座 2006.06.04 午後4時半開演 1階10列11番

1時半から4時まで会社にいて、その後歌舞伎座に回る。

「暗闇の丑松」

はじめて見たがなかなか面白い話。

娘およねが亭主の丑松のことで母といさかいをしている。やがて帰ってきた丑松は用心棒と母を殺してしまい、二人で屋根づたいに逃げる。丑松は幸四郎、およねは福助。

舞台が娼家に変わり、丑松が泊り客として来る。その相手方のおきよが実はおよね。悪い男に騙されて身体をまかせ、ここに売られたという。およねが着替えのために出て行った後で宿の若い者から、およねをここに売ったのは丑松の元親方だと知る。およねは首をくくって死んでしまう。丑松は捕り手が来る寸前に宿屋から逃げる。

親方の家。建具職人や板前がいる。親方は段四郎、おかみさんは秀太郎。使いのものがおよねの死を知らせる文を届けに来るが、おかみさんはりんきのために文を渡そうとせず、破る。やっと親方がとりあげて読んでみると死んだと書いてある。親方が湯に行った留守に丑松が来る。亭主が狙われていると気づいたおかみさんは「仇が討てればいいんだろ」といい、自分と丑松ができれば親方に仇討ちができると誘う。亭主をかばって自分の身ほ投げ出す女の心が憎いと言って、おかみさんを刺し殺す。その後湯やへ行き、親方も殺して逃げる。

湯やの番頭が褌一丁で湯をうすめたり桶を運んだり働きまわっていておもしろかった。

「身替座禅」

亭主の浮気と女房の悋気という普遍的なテーマを上品に、また滑稽に描いた話。

右京は馴染みの白拍子花子が都に宿をとり自分に会いたいという文をくれたのでどうにか会いに行きたいので修行のため留守にしたいと奥方に言う。しかし奥方の玉の井は嫉妬深く、疑い深いので許さない。一晩の座禅なら許すという。右京は、家来の太郎冠者に自分の替わりに座禅をするよう言いつけて花子に会いに行く。座禅の様子をのぞきに来た奥方は座禅をしているのが太郎冠者と知ると激怒し、太郎冠者に替わって自分が座禅のかっこうをして亭主を待つ。やがて戻ってきた右京は、太郎冠者が座禅しているものと信じ、昨夜の首尾を語る。やがて座禅をしているのが奥方とわかり、逃げる右京を奥方が追っていくところで幕。

右京が菊五郎で玉の井が仁左衛門。玉の井役でもうまさはわかるが、昔見た右京の美しさを思うとまた仁左衛門で見たかった。菊五郎は全体的にうまいが、花子のところから引き上げてくるときの花道での「よかったー」というような色ボケしきった表情や、花道での衣装の映え方は仁左衛門の勝ちだろう。

尾上松也は顔も姿も美しい。180センチ超えだそうだがよく背を盗んでいる。

「二人夕霧」

吉田屋のパロディとでもいうべき作品。伊左衛門は二代目夕霧とくらしている。「傾城買指南」という看板を掲げて生計を立てている。客が三人来てお座敷遊びのお稽古のようなことをする。二代目夕霧の留守の間に先の夕霧が訪れる。幽霊ではなく、実は事情があって死んだとウソをついていたが実は生きていた夕霧なのだった。二代目の夕霧がかえってきてもめるが、最後は和解してめでたしめでたしで終わる。

話自体はあまり面白くなかったが、松之さんと、たぶん千志郎さんが若い者の役で出ているのがわかった。こういう楽しみができたのは平成若衆を見たせいだ。

きょうは大向こうさんもたくさんいて、右京が花道を出てきたときの笑いも大きく、雰囲気のいい客席だったと思う。だから日曜の歌舞伎座は好き。ただ、二人夕霧の前に帰る人がけっこういて、客席がややさびしくなった。今は観光シーズンなのか外人の姿も目立った。私の前の二人は外人の夫婦だった。

六月大歌舞伎 昼の部2006/06/10 23:49

2006.06.10  午前11時開演 歌舞伎座 1階13列3番

「君が代松竹梅」

松の君、梅の君、竹の姫が平安の衣装で踊る。 愛之助の追っかけを始めるまではこういう朝一の演目はパスしていた。 たいした振り付けでもなくただ衣装の雰囲気を楽しむだけ。でも梅の君の愛之助の顔がかわいいから許す。カン雀も孝太郎も背が低いので愛之助の背の低さが目立たない。後ろを向いても衣装に貧弱さがカバーされる。松の君のカン雀の衣装が一番大人っぽくて趣味が良さげ。座席が花道の外で愛之助が上手の方にいたら遠すぎると思ったが、下手の方にいたのでそんなに遠くはなかった。しかし11分であっという間に終わる。

「双蝶々曲輪日記 角力場」

濡髪長五郎役が幸四郎、それに買った放駒とつっころばしの与五郎役が染五郎。与五郎役がおもしろい。つっころばし役のできる息子のいる体格の良い役者は幸四郎だけかもしれないので、この親子に合った役だと思う。何も親子でやる必要はないが。

「藤戸」

ぼーっと見ていたので話がよくわからない。吉右衛門がはじめは老婆の役で出て、最後に悪霊になって出てくる。老婆役は母の役だったらしく、イアフォーン解説をきいて意味がわかった後ろの人は「涙が出ちゃう」と言っていた。 後ろに並んでいる若い男の中に種太郎がいた。

「荒川の佐吉」

仁左衛門の佐吉を見るのは三回目。今回は愛之助も出るのでことさら楽しみだったのだが、前回の方が感動があったような気がする。今回は特に最後の泣けるシーンが長すぎて感動が薄まったような気がした。

愛之助が出る場には仁左衛門は出ない。最初、上手の方にすわって腕組みしているのが愛之助だろうと思ったが遠すぎて顔がよくわからなかった。恋仲のお八重役の孝太郎が清五郎役の愛之助にお守りを渡す場面は動きがはっきりしているので恋人に見えた。そのお守りを懐にしまいながら下手に歩いてきて郷右衛門役の段四郎を相手に名乗りを上げ、斬られて死ぬ。 声がいい。もう一度見る予定だがやはり下手より。もう少し顔をよく見たい。

今後の歌舞伎観劇予定2006/06/22 22:42

きょう、7月の歌舞伎の昼と夜のチケットが届いた。歌舞伎友の会の花道グループというところに頼んで買っているが、7月は人気がある演目で、申し込みから届くまでやや時間があったのでちょっと心配していた。行く日が23日と29日なので、来月後半は歌舞伎の予定で埋まる。下に書き出して見る。

6月25日 歌舞伎座 昼

7月10日 歌舞伎座 夜

7月18日 松竹座 夜

7月19日 松竹座 昼

7月23日 歌舞伎座 昼

7月29日 歌舞伎座 夜

7月30日 京都芸術劇場春秋座

7月31日 京都芸術劇場春秋座

8月4日 国立劇場小劇場

最後の三つは亀治郎の会だ。

怖い夢2006/06/24 19:14

お風呂場かトイレの窓の向こうに知らない人がいる様子だが、こちらが気づいたとわかったら向こうは逃げるだろうと思って窓を見ていると、急に窓が開いて手が入ってきた。それで悲鳴を上げ、目が覚めた。

悲鳴を上げて目を覚ますような怖い夢を見たのは初めてだ。目覚めてからも胸がドキドキしていた。

六月大歌舞伎 昼の部 二回目2006/06/25 18:42

2006.06.25 午前11時開演 歌舞伎座 1階11列5番

家を出たのが10時10分近く。愛之助の出番はただでさえ少ないのだから最初の演目に遅刻するわけにいかないと、地下鉄の銀座駅から歌舞伎座に向かう地下通路で少し走った。歌舞伎座前の階段下に着いたのが57分で、間に合ったと思った。

あまり前の列ではないが、前回よりは中央寄りで、役者の顔も前回に比べるとよく見えた。

「君が代松竹梅」

ほとんど愛之助ばかり見ていたが、お遊戯に毛がはえた程度のもので、ダンスを見ているときの興奮がない。やる気があるように見えない。京浜東北色の扇子を持っているな、とか、三人それぞれ松、竹、梅を包んだものを片手に持って踊っているな、とかが前回気づかなかったことだ。

「双蝶々曲輪日記」 角力場

染五郎がやっている放駒長吉と与五郎の役は愛之助もやったことがあるらしい。考えてみると愛之助が最も得意そうな上方のつっころばしの役はまだ見たことがない。長吉が二回目に花道から出てくるときの衣装がとても綺麗だ。大柄で若い男が着たらさぞ着映えがすることだろう。

最後に足を広く開いて決まるところは、舞踊が得意な染五郎らしく形が美しい。

「藤戸」

あいかわらず良さがわからない。隣りに座っていた人は「これは面白かった」と言っていたので、面白さがわかる人には面白いのだろう。

「荒川の佐吉」

仁左衛門は美しくてかっこいいのだが、客を泣かせる部分がダラダラ長すぎる。これは役者のせいではなく脚本のせいだ。泣くのはひとつのカタルシスだが、一瞬に集中してわっと泣かせてくれないと疲れる。

佐吉は父ではないが、いわば父と子の「子別れ」。父と子の「子別れ」と言えば萩尾望都の「訪問者」も泣けた。「訪問者」はどちらかというと息子の方に感情移入して泣く。卯之吉は「リデル森の中」のリデルのように、少し大きくなったら「自分はどうして親と離れて住んでいたのだろう。自分を育ててくれたあの人はどういう人だったのだろう」と考えるようになるだろう。

きょうは写真が出ていたし、筋書きにも写真が入ったので筋書きを買った。 愛之助の写真は買う予定だったが、仁左衛門の「荒川の佐吉」の写真はもういいか、と思っていた。しかし、写真売り場で写真を見ていたら仁左衛門の顔に負けて二枚買ってしまった。客に写真を買わせる力のある美貌ってすごいと思う。

吉田秋生新連載「蝉時雨のやむ頃」2006/06/29 01:06

歌舞伎がなくても生きていけるが漫画がなければ生きていけない私なのに今まで漫画の話題がなかったが、きょうは書く!

フラワーズに吉田秋生が連載を開始した「蝉時雨のやむ頃」は吉田秋生の漫画で何年ぶりかで面白いと思った。やっとスランプを脱してくれたのか? アッシュは好きだが天才や超能力はもういい。現実感、生活感のある、共感できるものを書いてくれ。

今度の話は三人姉妹プラス腹違いの妹。一人一人に生活感がある。中年になった吉田秋生は、大人の生活感があるものを書けるはずだ。この人は、男も女も魅力あるキャラが描ける数少ない漫画家だ。