芸術祭十月大歌舞伎 昼の部 2回目2007/10/19 23:32

2007年10月19日 歌舞伎座 昼の部 2階5列33番

会社を午後半休して、「封印切」から観た。

「封印切」は、周りの役者たちが藤十郎の芝居になじんできたようだ。藤十郎の忠兵衛というのは、孝夫や染五郎に感じるようなちょっと拗ねた若旦那よりも、もう一段ひねくれている感じがする。「いけず」度が高いというか。藤十郎の八右衛門が観たいものだ。 それにしても、封印が自分の意思でなく切れてしまうのは観ていて気が楽。一瞬ですむ。あとは死ぬ覚悟をするだけだ。八右衛門に追い詰められて自分で切るのは、追い詰められて行くのを観るのが辛い。

「新口村」は、初日に観たときもきれいで、時蔵もこちらの方が向いているようで印象が良かったが、きょうは我當の孫右衛門に感動した。孝夫の忠兵衛のときに八右衛門で見たときは一本調子だったし、いつもあんまりうまいと思わない役者だが、この役と個性がマッチして当たり役になるだろう。情があって朴訥な感じが良い。いい男にはできない役があってもいい。

「羽衣」は初日に観たときには各部分をバラバラに観ているだけで全体像がつかめなかったが、その後にいろんなブログを読んだのが助けになって今日は話がよくわかった。愛之助の伯竜が最後に奈落に沈んで行くのは、花道を引っ込む玉三郎の天女が天に昇っていくのを示すためだったのか。天女は終始、伯竜にとって手の届かない存在で、それが玉三郎と愛之助に重なって見えて面白いのだが、天女の衣をまとった玉三郎に愛之助がじりっじりっと近づくあたりで男を感じた。玉三郎相手では子供っぽく見えるだけかと思っていたが、これならばまた玉三郎の相手役をやっても良いだろう。二人で写っている写真が出ていたので買った。

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