婦系図2008/06/17 23:34

2008年6月14日 新橋演舞場 午前11時開演 2階4列42番

婦系図は記憶よりも早瀬主税が活躍する芝居だった。仁左衛門は、大詰めの馬丁小屋の場では実に男っぽくてセクシー。仁左衛門がやる役の中で、歌舞伎のさまざまな役と比べても、かなり見る価値の高い役なのではないか。ケチらないでもっと仁左衛門の顔がよく見える席を買えばよかったと後悔した。

恋愛物としての感動はなかった。最後のシーンは新派大悲劇で今の時代では白ける。この芝居ができた当時はあれで涙を流す人がいたのだろうか。

この芝居における私の泣きのポイントは「めの惣」。話を予め知っているほうが泣ける。妙子が銀貨三枚を包んでくれるあたりで涙が出てしまう。

小芳役の八重子は風邪を引いているような声で演技も冴えない。少なくともどこか体調不良の感じがした。一方、久里子は安定していてうまい。しかし、最後に2人で「私たちは因果だねえ」と声をそろえるところで客が笑ってしまうのは2人の力不足のような気がする。

酒井が主税に蔦と別れるように説教をしているシーンで安井昌二が途中で台詞を忘れ、プロンプがつけている台詞にも納得できない様子でなかなかしゃべり出さないのでドキドキした。再びしゃべり出したと思ったら、しばらくしてまた同じことを言っているので、このまま無限ループが続いたらどうしようと思ったが、どうにか終った。

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