歌舞伎座さよなら公演七月大歌舞伎 初日 夜の部 ― 2009/07/04 00:19
「夏祭浪花鑑」
海老蔵は男っぽさと爆発力が団七に合っている。義平次を突き飛ばすところなどが乱暴な感じがするのも、役作りではなく、海老蔵本来の持ち味だろう。ただ身体つきがスポーツマンすぎて、殺しの場で褌姿になっても、刺青模様の水着の上にさらに褌を締めているように見えるあたりは好みが分かれると思う。
獅童の徳兵衛は下半身不安定で、歌舞伎役者用の筋肉ができてないのがわかる。徳兵衛の最初の出の時、団七の海老蔵は床屋で髭を剃ってすっきりした後で、祭りの浴衣を着ていなせな感じなので、徳兵衛はなんでこんな寝巻きみたいなものを着て出てきたのかと思った。 団七を呼び留め、床几に座るシーンでは、黒衣が床几の上に置いた補助の台に腰を載せると伸ばした両足がグラグラしているように見えた。足の長さに不足があるはずもないのに、あれは何なのだ? 海老蔵の団七と二人で組んで高札を持って跳んだり跳ねたりする時に、獅童は一度高札を取り落としそうになってハラハラした。二人の背丈が合っていて見栄えのする所作になりそうなものを、技量に差があるのでそうならない。
錦之助がやった徳兵衛を見たことがあるが、錦之助は一応形になっていた。獅童は錦之助よりかっこいいから徳兵衛向きかと思ったが、かっこ良さだけではできない役だったようだ。
三婦役の猿弥がとてもうまい。もっとベテランの名優が演じているように錯覚するくらいだ。それでも、浴衣を着るときは女房役に手伝ってもらって前をきちんと合わせてから着る。私は松竹座で見た我當が一人で着ていた様子が忘れられない。はじめから裾を持ち上げて適当に帯を締め、その後で形を整えて、最終的には凄く格好良くなっていた。
お辰の勘太郎は、顔はともかく姿と動きが綺麗だった。台詞も良く、怪物系の面白いキャラで、笑也の磯之丞を取って食いそうな勢いがあった。
義平次の市蔵も良かった。いろんな役をこなす人だと感心した。
「天守物語」
玉三郎の富姫は永遠だが、図書之助には賞味期限があると思っている。海老蔵は前回で賞味期限切れかと思っていたが、また見られて嬉しかった。
勘太郎の亀姫も良かった。玉三郎と立派に渡り合っている。声を聴いてると波野久里子を思い出すときがあった。勘太郎は、お辰にしても亀姫にしても「ブスとは言わせないわ」みたいな迫力がある。
獅童の朱の盤坊は、ポスターの赤っ面と違い、顔を真赤に塗っていて、赤鬼のお面のようだった。
最後にカーテンコールがあり、玉三郎、海老蔵と、我當が出ていた。
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