七世松本幸四郎襲名百年 日生劇場 十二月歌舞伎公演 昼の部 ― 2011/12/18 04:02
2011年12月17日 日生劇場 午前11時開演 1階I列17番
「碁盤忠信」
一幕目は、勝手神社の鳥居の前に義経(亀三郎)、静(春猿)たちが集まっていて、「鳥居前」のような舞台。役者の足の先まで見える、と思ったら、所作板が敷き詰めてあった。そこに忠信が出てくるのも鳥居前と同じ。 しかし忠信役の染五郎が出てくると、それまで地味ながらも歌舞伎だったものが、歌舞伎風味の別の芝居のように見えてくる。
二幕目で奴三郎吾(弘太郎)とお勘(笑三郎)が花道から出てきた。お勘は酒の言い立てをする。酒に酔った忠信(染五郎)が踊る。この踊りがこの芝居の中で一番楽しかった。後見は廣太郎。
海老蔵の声が花道の奥から聞こえて、道成寺の押し戻しのときのような衣装を着た横川(海老蔵)が出てくる。2人の立ち回りがあり、忠信の長刀と横川のさす又で、一瞬、夏祭りの団七と徳兵衛の立ち回りのときのような形にもなる。海老蔵には、人間の力を超えた力を感じる。
碁盤忠信というだけあって、碁盤、碁笥、碁石が小道具として活躍する。碁笥が持ち上がっていったり、碁石をならべたすだれのようなものが現れたり。染五郎が碁盤の足のひとつをもって碁盤を頭上に持ち上げ、見得を切る。「松本の家の芸を受け継ぐ」とか、「これを観れば皆さんの新年の厄落とし」という言葉が入っている。
「茨木」
以前、花柳流の舞踊会で綱を団十郎、宇源太を愛之助がやったのを観たが、それと大体同じだった。
最初に下手の揚幕から出てくる宇源太は亀寿、それについて出てくる太刀持音若は梅丸。綱は海老蔵。
気づかぬうちに、真柴役の松緑が腰を落として年寄りらしくしずしずと花道を歩いて出てきた。衣装が上品で高級そうで素敵。
木戸の前で綱を養育した昔語りの踊りをしたが、綱が面会してくれないので、花道を引き上げる。そのときのやや早足で立ち去る足の動かし方が素晴らしかった。花道がよく見える席でよかった。
真柴はまた戻ってきて、綱の館に入る。そして上手に座り、綱は下手に移る。それにつれて太刀持ちも下手に。
酒を飲み始めた真柴をもてなすために太刀持が踊る。梅丸の踊りが良かった。
真柴の右手だけの舞は悪くないが、花柳の舞踊会で踊った人みたいな凄さは感じなかった。
真柴に化けていた茨木が左手をつかんで下手に消えた後、士卒の3人(高麗蔵、亀三郎、市蔵)が出てきて踊った。 高麗蔵の踊りは初めて見たような気がするが、うまいと思った。
茨木童子に変わって出てきた松緑の顔が、絵本の鬼みたいで笑えた。
最後は、舞台の真ん中に綱の海老蔵がいて、観客の目はどうしてもそちらに行きそうだったが、茨木が左手を持って飛び六方で引っ込む前に舞台の幕は閉まり、花道の茨木だけになった。
「碁盤忠信」
一幕目は、勝手神社の鳥居の前に義経(亀三郎)、静(春猿)たちが集まっていて、「鳥居前」のような舞台。役者の足の先まで見える、と思ったら、所作板が敷き詰めてあった。そこに忠信が出てくるのも鳥居前と同じ。 しかし忠信役の染五郎が出てくると、それまで地味ながらも歌舞伎だったものが、歌舞伎風味の別の芝居のように見えてくる。
二幕目で奴三郎吾(弘太郎)とお勘(笑三郎)が花道から出てきた。お勘は酒の言い立てをする。酒に酔った忠信(染五郎)が踊る。この踊りがこの芝居の中で一番楽しかった。後見は廣太郎。
海老蔵の声が花道の奥から聞こえて、道成寺の押し戻しのときのような衣装を着た横川(海老蔵)が出てくる。2人の立ち回りがあり、忠信の長刀と横川のさす又で、一瞬、夏祭りの団七と徳兵衛の立ち回りのときのような形にもなる。海老蔵には、人間の力を超えた力を感じる。
碁盤忠信というだけあって、碁盤、碁笥、碁石が小道具として活躍する。碁笥が持ち上がっていったり、碁石をならべたすだれのようなものが現れたり。染五郎が碁盤の足のひとつをもって碁盤を頭上に持ち上げ、見得を切る。「松本の家の芸を受け継ぐ」とか、「これを観れば皆さんの新年の厄落とし」という言葉が入っている。
「茨木」
以前、花柳流の舞踊会で綱を団十郎、宇源太を愛之助がやったのを観たが、それと大体同じだった。
最初に下手の揚幕から出てくる宇源太は亀寿、それについて出てくる太刀持音若は梅丸。綱は海老蔵。
気づかぬうちに、真柴役の松緑が腰を落として年寄りらしくしずしずと花道を歩いて出てきた。衣装が上品で高級そうで素敵。
木戸の前で綱を養育した昔語りの踊りをしたが、綱が面会してくれないので、花道を引き上げる。そのときのやや早足で立ち去る足の動かし方が素晴らしかった。花道がよく見える席でよかった。
真柴はまた戻ってきて、綱の館に入る。そして上手に座り、綱は下手に移る。それにつれて太刀持ちも下手に。
酒を飲み始めた真柴をもてなすために太刀持が踊る。梅丸の踊りが良かった。
真柴の右手だけの舞は悪くないが、花柳の舞踊会で踊った人みたいな凄さは感じなかった。
真柴に化けていた茨木が左手をつかんで下手に消えた後、士卒の3人(高麗蔵、亀三郎、市蔵)が出てきて踊った。 高麗蔵の踊りは初めて見たような気がするが、うまいと思った。
茨木童子に変わって出てきた松緑の顔が、絵本の鬼みたいで笑えた。
最後は、舞台の真ん中に綱の海老蔵がいて、観客の目はどうしてもそちらに行きそうだったが、茨木が左手を持って飛び六方で引っ込む前に舞台の幕は閉まり、花道の茨木だけになった。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://wonwon50.asablo.jp/blog/2011/12/18/6248822/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。