四月花形歌舞伎 仮名手本忠臣蔵 昼の部2012/04/28 18:04

2012年4月21日 新橋演舞場 午前11時開演 2階5列19番


昼の部だけ、2回目を観た。

この世代最初の忠臣蔵通しで一番のヒットは松緑の師直だろう。顔世に抱きつき、塩冶判官に身体をもたせかけて嫌味を言う、身体を張った、昼の部前半の主役。「バカほどこわい」のバカのところを、きょうは初日より強調して言っていた。

顔世(松也)と師直のセクハラシーンは濡場のように色っぽい。

獅童の若狭之助も初日より慣れて、 師直に何度も呼び戻されてムッとしている感じをよく出していた。

塩冶判官(菊之助)が若狭之助を止める場面も綺麗だし、大星の染五郎といい、海老蔵が出なくても良い男揃いの忠臣蔵である。

四段目は、初日に少し眠ってしまったので、きょうはこの段をしっかり観るのが第一目標。

石堂役の亀三郎は、いつもは口跡が良いと思うだけなのだが、この役は年長の役のせいかいつもより声が少し低くて、台詞が少し震えるような言い方だったので、彦三郎に似ていると思った。菊之助は菊五郎に似てきたし、この段の染五郎は幸四郎そっくりだし、並んだ三人が揃って親に似ている。

染五郎と菊之助は、私が最初に観た歌舞伎に出ていた。28年前、「ひらかな盛衰記」の逆櫓の遠見の船頭だった。2人ともここまで育ってくれて嬉しい。

城明け渡しのところは、大星がみんなに話をした後、台詞なしで義太夫にのって所作だけの場面になる。そこの迫力が凄い。

ここまで寝ないで観られたのでほっとして帰るつまりになったら、もう一幕あった。

「道行旅路の花婿」の勘平が、亀治郎を観る最後になった。志賀市から観ている。