第4回 趣向の華 8/11 夜の部2012/08/13 00:38

2012年8月11日 日本橋劇場 午後5時開演 一階9列

袴歌舞伎 「大和神話武勇功(やまとしんわぶゆうのいさおし)」
日本武尊大蛇退治・鶴彦怪異の場      三幕九場

やまとたけるの話を基本に、歌舞伎のいろいろな演目がちりばめてあった。不確かだが、場の名前に沿って覚えていることを書く。

序幕 
大和国景行天皇館の場

景行天皇(友右衛門)の前に家族が集まっている。大碓命(梅枝)は、詠姫(廣松)という妻があるにもかかわらず、弟の小碓命の許婚者の橘姫(新悟)を妻にしたいというが「ええいやらしい」と拒否される。橘姫は武彦(歌昇)とともに小碓命を探す旅に出る。大碓命の母は稲日(高麗蔵)。
八十の猛(やそのたける、萬太郎)もこの辺ででてきたと思うが、位置づけを覚えていない。

同裏門敷妙討死の場
武彦の妻である敷妙(米吉)が敵につかまり、後ろの敵もろともに自分も刺して討死。米吉は、身分の高い女の品の良さと透明感があって、先が楽しみだ。


吉野山道行の場
武彦(歌昇)と橘姫(新悟)の吉野山。花道から四天が出てくる。一番後ろに染五郎がいる。四天とのからみは、次々に役者が出てきて、そのたびに黒衣が「○○屋」と縦に書いた紙を上下に広げてみせる。金太郎も出てきた。引っ込むときは染五郎が抱えて行った。玉太郎は梅丸といっしょ。その間、ずっと真ん中にいる歌昇。
武彦と橘姫は花道に来て、武彦が投げた傘は舞台で見事キャッチ。最後は武彦一人の引っ込みだった。

休憩時間に、また染五郎が客席に浴衣の反物を売りに来た。

二幕目
尾張国油ケ淵の場

鶴彦(隼人)は古那屋のすみれ(梅枝)の婿となるため、持参金の銀を包んだ袱紗包みを持って夜道を一人で行くところ、知多の四郎蔵(廣太郎)と外ヶ浜の忍熊(種之助)に、棍棒で打たれたりして嬲り殺しにされ油ケ淵に沈められる。
奪った包みを持って花道を引っ込む種之助に、「親父そっくり!」と声が掛かった。

幽霊になった鶴彦(隼人)がすっぽんから現れ、人魂を持つ黒衣といっしょに引っ込む。黒衣が人魂を動かし、隼人の顔面を攻撃したりするので、それをよけながら引っ込んでいった。

同宿屋古那屋の場

外ヶ浜の忍熊(種之助)は、すみれ(梅枝)の婿におさまりたくて、鶴彦のような青二才なんかやめて自分といっしょにならないかと言い寄る。きっぱり断るすみれ。女中つばき(男寅)が出てきて、「あんな小娘はやめて自分といっしょにならないか」と、ついさっき忍熊がすみれに言った言葉を忍熊に言う。忍熊はつばきには全く関心がない。

張子の橋蔵(菊之丞)は、「小栗判官」の爆笑キャラ、矢橋の橋蔵のパロディで、芝居の流れも同じ。ただ、こっちの橋蔵は扇子ではなく普通の紙にスラスラと文を書いて、矢橋の橋蔵のようなおかしな読み上げはしなかった。引き揚げるとき、役人としてついてきた2人が、急に女形っぽいしゃべりになったのが可笑しかった。忍熊(種之助)と四郎蔵(廣太郎)が、忍熊が足を鳴らしたら四郎蔵が証拠品を掲げて「その証拠はここにあり」と出てくる、と事前に打ち合わせたのに、実際に足を鳴らしたときは四郎蔵は出てこられず、帰宅した源太夫(亀三郎)が偶々足を鳴らしたときに「その証拠は~」と出てくる、というパターンが「小栗判官」と同じ。

真っ暗な客席に鶴彦(隼人)の幽霊が出る。花道の内側の通路を黒衣の人魂について歩いて来て舞台と平行な通路まで来る。通路際に座っている人に「浴衣買った?」と聞く。「まだ二反残ってるって」。続けて「さっき、携帯鳴らしたの、あなた?」。中央まで行き、一つ後ろの席の人に、「あなた、さっき、遅れて入ってきたでしょ」。 そして、舞台の方に歩いていき、舞台へ上がる階段のところで「携帯の電源はオフに」。舞台に上がって、人魂の黒衣が顔を照らしたら、染五郎だった。

隼人の、あのしれっとしたしゃべり方は、獅童に似ている。

武彦(歌昇)と橘姫(新悟)が宿屋に来る。出てきた女中のつばき(男寅)が、「夫婦者か、もしかして駆け落ちか~」とつぶやくのが、まだあまりうまくないこともあって笑いたくなる。

源太夫(亀三郎)が言うには、昔、幼い男の子を拾って育てた。それがすみれ(梅枝)で、本当は男だが娘として育てた、と言う。(えーーーっ、すみれ、アンタ、男なのに鶴彦を婿にするつもりだったのーーっ? ) 自分が男だったことを初めて知ったようなすみれが不思議。すみれは実は小碓命で、ここでようやく橘姫は許婚者を探し当てたのであった。

知多浜海上の場

梅丸と東蔵が浄瑠璃。
船の上に小碓命(梅枝)、橘姫、武彦の一行が立っている。海が荒れ、占い師に見させると、海神が橘姫をいけにえとしてほしがっているという。橘姫はいけにえになる決心をして、琴を弾いた後、海にとびこむ。
プレ公演で話に出た新吾の琴、お見事でした。

天空の場

海に飛び込んだ橘姫は鳥になった。真ん中に新悟が座って、浴衣の生地で作った長い羽が広がっている。(売れ残った二反を使ったわけではあるまいな?)

大詰
ここで、お約束の大薩摩。お約束の染五郎の足置き運び。

飛鳥山花見の場

クマソのところに、ヤマトタケルとタケヒコが踊り子と偽ってやってくる。

竜門ケ岳大蛇退治の場

最後は、八岐大蛇(亀寿)との戦い。八岐大蛇は、ウロコ模様の羽織を着た亀寿プラス、黒い衣装の七人の若者たち。
鷹之資、玉太郎、金太郎は烏天狗。

今年の趣向の華は立ち回りが多かった。

最後に、魁春の天照大神が現れる。

コメント

_ 爺!! ― 2012/08/28 21:59

こんにちは~wonwon50さま
ごめんなさい歌舞伎に関するコメントではありません

実は儂もブログを開設いたしました(^^;
こちらもある意味歌舞伎は歌舞伎です
お暇な時に、お待ち申し上げます

_ wonwon50 ― 2012/08/30 12:37

爺!! さま、こんにちは~

ブログ始められたんですか。楽しみです。
読ませていただきます!

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