新春浅草歌舞伎 2013 初日 第1部2013/01/02 21:32

2013年1月2日 浅草公会堂 午前11時開演 1階え列15番

今年は鏡開きはパスして、第1部から観た。

年始あいさつは愛之助。3つの初役を前に、鏡開きに出て挨拶し、年始挨拶もするのは凄い。
いつも通り、舞台前方真ん中で手をついて年始あいさつをした後、立ち上がって花道に行き、きょうの演目の説明。幡随長兵衛の長兵衛のことをアウトローと説明し、「アウトローというのは海老蔵さん自身のことではありません」と言って珍しく受けていた。その後、お客さん2人から質問。ライジングサンの質問と、今年はどんな年にしたいかという質問だった。舞台に飛び乗って戻って、最後の挨拶の前に、既に座っていたが、拍手の練習をした。

「寿曽我対面」

私の席が素晴らしかった。正面に立っている大名が背の高いイケメンだと思ったら功一で、國矢、松次郎改め松十郎が横に並んでいる。大名が脇に行って主要人物達が現れたら、正面に八幡三郎役の隼人が座っていて、その肩ごしに化粧坂少将の梅丸が見えた。

海老蔵の声は大人っぽく、この場で一番偉い人、みたいな貫禄があるので工藤に合ってると思う。

大磯の虎役は米吉。うまいが、常盤のときもこんな感じだったな、と思う。近江小藤太役の種之助もうまい。比べると隼人はまだ台詞が不安定。梅丸は顔は可愛いくて、台詞も一応言えている。高校一年なので、この程度で十分かと思う。

舞鶴役の新悟に一日の長がある。新悟はいつも落ち着いた感じで好きだ。

花道の奥から声がして、五郎十郎の兄弟が出てくる。先に歩いてくる十郎の壱太郎。そして、五郎役の松也。松也は顔が可愛いので、なりばかり大きくて中身は子供っぽいやんちゃな弟、という雰囲気。壱太郎はずっと小柄で年下だが、年上の落ち着きがあり、憂いを帯びた瞳で弟を思いやる「姉」の風情だった。
松也は、思い切り声を張り上げて台詞を言っているように聞こえるが、愛之助が我當に言われたという、「おじさんみたいにやっちゃダメだぞ(舞台は一ヶ月続くので、大声を張り上げていては喉を傷める )」という教えは知っているだろうか。最終日にも行くので確かめたい。

全体に綺麗な役者が多く、正月らしい華やかな演目だった。

「幡随長兵衛」

村山座舞台の場。芝居の最中に泥酔して花道に上がり、「さぁ殺せ」と騒ぐ男は旗本奴白柄組の水野の中間で、演じるのは片岡仁三郎。仁三郎はうまいと思う。この中間が連れ出された後、客席に向かって「お座りを」という舞台番は新十郎。止まっていた芝居が再開するが、白柄組の侍の坂田がやって来る。これが松之助。自分の先祖の話は面白いと言って、四つん這いになった舞台番を椅子にして腰かけて芝居を観はじめる。そこにやって来るのが町奴の長兵衛(海老蔵)。坂田は長兵衛に切りかかるが、逆に打ち据えられて逃げ出す。

海老蔵の長兵衛は、坂田をやっつけるところはスカッとしてかっこいい。しかし、眉と目の表情が、はじめ穏やかに話しているときから、人を小ばかにしているように見えて、侠客らしくない。

この様子を見ていたのが水野十郎左衛門(愛之助)。水野のいる桟敷席は、舞台袖の短い花道のようなところに作ってあった。簾を上げると水野の姿が現れる。私の席からよく見えた。本当に良い席。

長兵衛の子分三人が駆け付けるシーンでは壱太郎、種之助、米吉が、下手通路を走って、舞台に駆け上がった。長兵衛が、はやる3人をおさえて、幕切れ。3人が小柄なので、背の高い海老蔵と、親分と子分らしく見える。

二幕目の初めは、座敷の真中に隼人が座って家具を磨いていて、その隣りにいるのが功一。子分たちが白柄組が仕返しに来るだろうと話している。

花道から、長兵衛の女房お時(孝太郎)と、倅長松をおぶった出尻清兵衛(松也)が戻って来る。松也は、てんぱってる五郎より、のんびりした雰囲気の清兵衛の方が合っている。

孝太郎はこの一座の中では年長者でもあり、長兵衛の着替えを手伝うあたりも手慣れたもので、安定した演技だった。

ところどころ面白いところはあるし、台詞もよくわかるのに、この芝居の最中、眠くて仕方なかった。目に入る範囲の客席でも、眠っている人が何人かいた。食事時間の後ということもあるだろうが、私は食事したわけでもなく、どうしてあんなに眠かったのかわからない。昼夜を通じて、たぶん今月一番客席睡眠率の高い演目になるだろう。

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