六月大歌舞伎2014/06/09 19:42

2014年6月1日 歌舞伎座 午後4時半開演 1階13列7番

「蘭平物狂」

今まで藤間大河で出ていたが尾上左近として初舞台をふむ。

松緑が蘭平、左近が繁蔵。親子で親子の役をやる。小顔の松緑より更に小さい顔の左近。二人が顔を見合わせてうなずきあう場面がほほえましい。

蘭平が踊るところがあるから松緑や三津五郎が演じることが多いのだろう。後半の立ち回りは梯子乗りや七人も飛び越すとんぼや、屋根から飛び降りるとんぼなど、見応えがあった。松緑も屋根から石灯篭の上に飛び降り、そこで一度ジャンプし、飛び降りる。きょうはちょうど花道のすぐ横の席で、松緑が颯爽と梯子に上っていく姿がよく見えた。息子の初舞台は、若いお父さんが張り切るときだ。

最後に菊五郎親子、時蔵、團蔵が舞台にいるときに一度芝居を中断して並んで座り、初舞台の口上があった。菊五郎は「小さいときから何度もいっしょに出ているが芝居勘の良さや、歌舞伎が大好きなこととか、将来がとても楽しみな役者」と言った。
左近はこれから筋肉を養って踊りが上達したり芝居がうまくなったりするのだろうが、基本的に、最良のものを自分で探り当てる能力を持った子に見えるので期待している。

最後にまた芝居に戻ってみんなで見得を切り、幕となった。
左近は力綱を締めた姿で格好良く、この演目は初舞台にもってこいの芝居だと思った。

「素襖落」

次郎冠者の亀寿と、姫御寮の高麗蔵の踊りが綺麗だった。

「名月八幡祭」

立派な役のときの吉右衛門はうまいとは思っても一度も心を動かされたことがないのだが、新助みたいな役をやるときは大好きだ。籠鶴瓶の次郎左衛門より、個人的にはずっと好きだ。少数意見だろうが、吉右衛門は「頼朝の死」の頼家とか、新歌舞伎が向いていると思う。

芝雀は悪くないのだが、悪い女でも許せてしまう玉三郎の圧倒的な美貌がなくて、この役には向いてないような気がする。前に観た福助の美代吉の方が合っていた。桜姫をやるような人に向いてる役なのではないか。

錦之助は、二枚目が生きる役でニンに合っている。

八十助が新助やったときの最後ははっきり覚えていないのだが、幸四郎のときと違うのは間違いない。祭りの若い衆が新助を持ち上げて花道を運んで行く。ちょっと夏祭難花鑑を思い出すような終わりだった。幕切れには正面に満月が上がって来るのはいつもの通り。

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