新春浅草歌舞伎 第二部2015/01/06 22:01

2015,年1月5日 浅草公会堂 午後3時開演 1階せ列39番

今日の挨拶は松也と隼人だが、二人とも最初の幕に出るから拵えして出てくるに違いないと思ったが、まず松也が裃姿で一人で挨拶。そこに、やはり裃姿の隼人が花道を走って出てきて、七三のところであたりを照らすかっこうをした。研修会でやった鬼次郎の出方だ。「(今月、鬼次郎役をやっている)松也にいさんの楽屋から借りてきた」という、手に持った照明器具は龕灯(がんどう)というものだそうだ。

二人とも長身だが、隼人は顔が小さい。「僕たち二人から告知があります」と言って、二人でそれぞれ自分のカレンダーを手に持って見せた。そっと一枚めくって見せる隼人。

最後に二人で座って演目の紹介。松也が五、六段目で、隼人は舞踊。「猩々」の中の隼人の役は孝行息子だとか、種之助が踊る猩々の世界観を楽しんでほしいとか、「俄獅子」の「ニワカ」とは、道端で急に始める芸、とか、なるほどと思いながら聞いた。普通の話し方でなく歌舞伎の台詞風のしゃべり方だと松也と隼人の年齢差を感じる。だんだん感じなくなっていくものなのか、はたまた・・・。

携帯電話の電源を切るお願いの後、松也が「もう一つお願いです」と隼人に振ったら、隼人が「もう一つ」と言って不意をつかれた感じだった。松也は「これはハプニングですね。すっかり忘れてる。私たちはこの後の幕に出るので、用意ができるまでしばらくお待ちください」と言った。

「忠臣蔵 五、六段目」

浅黄幕が落ちると、勘平の松也が道端に座っていて、そこに花道から、千崎役の隼人が出てくる。挨拶のときと同じだ。初日に観たときは前の人の頭で松也が隠れていたりしたが、きょうの席は後ろだが舞台の上は全部見える。

巳之助の定九郎は痩せていてナイトメアビフォアクリスマスを思い出す。それなりの美しさはある。

五段目は若手三人だが、六段目の幕が開くと、舞台にはおかやの芝喜松、一文字屋お才の歌女之丞、源六の蝶十郎、と大人三人が揃っていて「いつもの歌舞伎」の雰囲気。

児太郎はあくまで控えめでいながら、必要なときはしっかり動いている。無駄な動きがなくてすっきり。顔は可愛くないが、立派な女房おかるだ。

松也は力が強そうなので、おかるが乗った駕籠をちょっと押しただけで、駕籠かき達が押し戻されてしまうのが自然のことに感じる。

仁左衛門と竹三郎を見慣れた目からは、芝喜松のおかやは松也との体格差があれだけあるんだから、もっと暴力的になってもかまわないのではないかと思う。

勘平を訪ねて来る不破数右衛門の歌昇と、千崎弥五郎の隼人。五段目で千崎が地面に文字を書いているところや、数右衛門が血判状を出して見せて勘平に血判を押させ、またしまうような、台詞も踊りもない日常の動きを見るのが好きだ。二人ともとても丁寧にやっている。

「猩々」

この席だと、隼人と種之助の足先まで見える。

隼人が先に出てきて一人で踊る姿が綺麗で目の保養。

種之助の踊りもきょうは障害物なく全体が観られて嬉しい。やっぱり最後の花道での踊りが圧巻。七三あたりでしばらく所作があって、最後は何回かくるくる回った後、横向きで引っ込む。

「俄獅子」

初日の席は歌昇と米吉がせり上がって来る姿がよく見えなかった。きょうははっきり見えて、米吉は色っぽい芸者、歌昇はいなせな鳶頭。歌昇は、雰囲気的にこの姿が基本みたいな気がする。

上手から巳之助と児太郎が出てくる。そして、花道から松也。

花道からは、黒い馬の後ろからヒツジの姿の若い者が出てくる。初日はヒツジに気づかなかったが、干支の交代を表しているのだ。馬が後ろ脚で立ち上がったり、馬の足だった二人が馬の被り物をとるとヒツジになって若い者たちの中にまじって踊り出したり、正月らしい明るい踊りだった。

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