第二回 古典芸能を未来へ2019/08/29 00:49

2019年8月28日 国立劇場大劇場 午後4時半開演 2階6列15番

「三番叟」
亀井忠雄が舞台中央に座り、 地謡が花道に並ぶ。「翁」にあたる部分だろうか。亀井忠雄の大鼓と声が力強かった。
その後、後ろから三兄弟たちと、上手に海老蔵、下手に萬斎が現れた。
萬斎が先に舞い、最後の方に三味線が入って海老蔵が踊りだした。
鈴の段では萬斎は面をつけた。上から見ていると照明で白い正方形が上手と下手にあって、その中で二人が踊っているように見えた。

「西王母」
上手から田中佐太郎、傳左衛門、亀井忠昭、亀井太一、傳次郎、の順に並ぶ。
忠昭は大鼓を打って、ヤーとかヨーという声がよく通る。太一は太鼓で隣の父と動きがシンクロしているのが可愛い。二人とも、ただの習い事ではなくて将来のプロであることを自覚している迫力を感じた。

「野宮」
半能で、シテは観世清和、ワキは宝生欣哉、大鼓は亀井忠雄。

「勧進帳」
傳左衛門、傳次郎が出て、勧進帳の長唄の素演奏。

「老松」
玉三郎の舞踊。前回の「囃子の会」のときも老松だった。
小鼓に、傳左衛門、傳次郎に忠昭が加わる。忠昭のよーっという子供の声が響いて、その前で玉三郎が踊る。
幕が下りた後のどよめきが前回と同じだった。、

「石橋」
「三響會」らしい演目だ。
2つの台の上に釣鐘がのっていて、演奏が始まると釣鐘が割れて中から能の獅子が姿を現す。シテは片山九郎右衛門と、観世喜正。ややあって、一階席で拍手が起き、花道から赤い鬣の海老蔵の仔獅子が出てくるのが見えた。海老蔵の仔獅子を見るのは初めてだ。歌舞伎の連獅子のときと同じで、一度花道を戻ってまた出てくる。、静かな動きの二頭の能の獅子の前で、激しく動く仔獅子。しかし、仔獅子と能の獅子達がいっしょに足を踏み鳴らすこともあった。海老蔵は毛振りをしながら花道を横向きに進み、七三で正面に向き直ってそこでも毛振りをした。国立劇場は花道と客席の間に十分なスペースがあるので、毛先で客の頭を叩いたりすることがないようだ。
太鼓の傳次郎のイヤーッという声がかっこよかった。ハーツと声を出す広忠。
美術的にとても綺麗で、構成も良く、能とも歌舞伎とも違う魅力があって、「三響會」が懐かしくなった。

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