7月歌舞伎鑑賞教室「身替座禅」 ― 2010/07/04 18:07
2010年7月4日 国立劇場大劇場 午前11時開演 1階10列24番
「歌舞伎のみかた」
幕開きはまた廻り舞台とせりかと思ったら、スクリーンがあって、「七月歌舞伎鑑賞教室」のようなタイトルの後、壱太郎と隼人の写真、2人が携帯でしゃべっている様子、2人が国立劇場に向かって歩いている様子、入り口を入って鏡獅子の像の前で会い、客席に入ってくる様子が映った。すると、客席の後から声がして、壱太郎が上手通路、隼人が下手通路を歩いて舞台の下まで行った。そこで客席に向き直り、壱太郎、隼人の順に名を名乗った。2人とも良い声だ。
その後、なんと隼人が、私の前の空いている(と思っていた)席に、短い間だが座った。座る前に、優しげな目で私の方を見たような気がした。隼人の髪が、ほっそりした肩が、私の手の届くところにあった。
先月と同じように廻り舞台、上手下手、黒御簾、花道、すっぽん等の説明があった。解説の中心は壱太郎。隼人はアシスタント的に、壱太郎とのやり取りで話を進めたり、フットワーク軽くせりに乗ったり黒御簾の前をはずす大道具さんを呼びにいったり。壱太郎は話し方がしっかりしている。すっぽんの上がり下がりで、一人が上がって一人が下がるのを同時にやるのは初めて見た。
先月より下の年齢を対象にするからなのか、「歌舞伎の歴史」の説明があった。出雲の阿国が歌舞伎を始めて、最初は女が演じていたが風紀を乱すとして禁止され、次に若衆歌舞伎になったがこれも風紀を乱すとして禁止された。(要するに性的な対象になるものが禁止されたわけか)
若衆歌舞伎は、16歳の隼人君よりももう少し若い子達が演じていた、という壱太郎の言葉に、「今のジュニーズジュニアみたいなものですね」と隼人。成人男子の歌舞伎だけが許されることになり、その結果、女方が誕生することになった。そのあたりで隼人が下手に消えたので、女形の格好でもして出てくるのかと思ったら、スクリーンに隼人が映った。身替座禅の侍女の拵えをしなければいけないから楽屋に戻った、という設定で、浴衣を着ていた。じゃあ、僕もそっちへ行くから、と言って壱太郎も舞台からいなくなった。
壱太郎がスクリーンに登場し、隼人が女形の顔をすることになった。最初に鬢付け油を塗る。眉毛も鬢付け油で塗りつぶす。その後、首も顔も白く塗り、眉も塗りつぶす。筆で眉を描くときは自分の眉より少し上に描くとバランスが良いのだそうだ。目じりを赤くして、目から頬にかけてピンクっぽくする。そして小さい口を描く。終始真剣な顔でやっていた。
顔が出来上がって、「可愛くなったでしょ」と壱太郎は言うのだが、隼人の女形の顔は、微妙。
「身替座禅」
錦之助はおおらかな雰囲気の右京だ。普通の侍の拵えの方が錦之助の美貌は引き立つと思うが、右京の衣装もまあまあ似合う。「会いたい会いたい」「やれ嬉しや」「いてくるぞよ~」のような台詞も、感情がこもって聞こえる。花子との逢瀬の後、戻ってきた花道で、思い出し笑いをするのは、まあまあ良い。太郎冠者に花子との逢瀬を語るところの踊りが苦しい。私が観た中では団十郎の次に下手。動きが重い。踊りのうまい人の右京では、ここが一番盛り上がるところだが。去年観た亀治郎なんか、右京のニンではないのに、ここの踊りで盛り上がる。錦之助は踊りがうまくないとしても、どうにか自分の味で見せられるように頑張るべきだ。とりあえず、少し体重を落とした方が良いかもしれない。若造でも爺でもなく、「浮気適齢期」の役者としては一番の二枚目なのだから頑張ってほしい。
彦三郎の玉の井は、出て来ただけで右京が浮気したくなる理由が納得できる、可愛さのかけらもない怖い奥方だった。動きが少し不自由な感じがするのも怖さの盛り上げに一役買っていたかもしれない。
亀三郎の太郎冠者は台詞も動きも良いが、右京や玉の井よりも身分が低い感じがあまりしない。
千枝小枝は壱太郎と隼人。隼人は前に巳之助とやったことがあって、あの時も巳之助に一日の長があったが、今回も、踊りも普通の台詞も壱太郎の方がうまい。隼人は最終的には女形にはならないだろうからしかたないのだが。
「歌舞伎のみかた パート2」
身替座禅の幕が下りたら、壱太郎と隼人が今度は袴姿で出て来た。花道で、客の一人に身替座禅の感想をきいた後、パート1のときにはなかった所作板の説明をした。「足の運びをなめらかにするとともに、このように・・・」と壱太郎が言って、隼人が板を踏みならすと、「音が出るように」と壱太郎が続けた。
幕が再び上がって2人が舞台の方に行き、後ろの板に描かれている松は老松と良い、狂言や能を元にした作品のときに後ろにこの絵が置かれる、このような演目を「松羽目物」という、と説明した。身替座禅は狂言の花子がもとになっていて、芝居の中にも狂言で使われているようなこんな台詞が出てきます、と2人で実際にその台詞を言った後、狂言の説明になり、テレビの「日本語であそぼ」の中でこんなのを見たことがあるでしょう、と言って、2人で肩を組んで「ややこしやー」と言って動いて見せた。
身替座禅のときに後ろに並んでいた演奏の人達を、前の列が鳴りもの、後ろの列は長唄、と説明してくれた。私は鳴りものというのは楽器を演奏する人一般をいうのかと思っていた。長唄というのは、歌う人だけでなく三味線の人もいうのか。知らなかった。
狂言が元になった作品の一つ、「棒しばり」の一部が幕切れだった。壱太郎が棒に両腕をくくりつけられる次郎冠者、隼人は後ろ手に縛られる太郎冠者。2人そろって踊るところだ。渡された扇を開くのはうまくできたが、開いた扇を放って、もう片方の手で受け取る見せ場を壱太郎は失敗した。しかし、壱太郎の踊りがうまいのはよくわかった。一心会の鷺娘が楽しみだ。
「歌舞伎のみかた」
幕開きはまた廻り舞台とせりかと思ったら、スクリーンがあって、「七月歌舞伎鑑賞教室」のようなタイトルの後、壱太郎と隼人の写真、2人が携帯でしゃべっている様子、2人が国立劇場に向かって歩いている様子、入り口を入って鏡獅子の像の前で会い、客席に入ってくる様子が映った。すると、客席の後から声がして、壱太郎が上手通路、隼人が下手通路を歩いて舞台の下まで行った。そこで客席に向き直り、壱太郎、隼人の順に名を名乗った。2人とも良い声だ。
その後、なんと隼人が、私の前の空いている(と思っていた)席に、短い間だが座った。座る前に、優しげな目で私の方を見たような気がした。隼人の髪が、ほっそりした肩が、私の手の届くところにあった。
先月と同じように廻り舞台、上手下手、黒御簾、花道、すっぽん等の説明があった。解説の中心は壱太郎。隼人はアシスタント的に、壱太郎とのやり取りで話を進めたり、フットワーク軽くせりに乗ったり黒御簾の前をはずす大道具さんを呼びにいったり。壱太郎は話し方がしっかりしている。すっぽんの上がり下がりで、一人が上がって一人が下がるのを同時にやるのは初めて見た。
先月より下の年齢を対象にするからなのか、「歌舞伎の歴史」の説明があった。出雲の阿国が歌舞伎を始めて、最初は女が演じていたが風紀を乱すとして禁止され、次に若衆歌舞伎になったがこれも風紀を乱すとして禁止された。(要するに性的な対象になるものが禁止されたわけか)
若衆歌舞伎は、16歳の隼人君よりももう少し若い子達が演じていた、という壱太郎の言葉に、「今のジュニーズジュニアみたいなものですね」と隼人。成人男子の歌舞伎だけが許されることになり、その結果、女方が誕生することになった。そのあたりで隼人が下手に消えたので、女形の格好でもして出てくるのかと思ったら、スクリーンに隼人が映った。身替座禅の侍女の拵えをしなければいけないから楽屋に戻った、という設定で、浴衣を着ていた。じゃあ、僕もそっちへ行くから、と言って壱太郎も舞台からいなくなった。
壱太郎がスクリーンに登場し、隼人が女形の顔をすることになった。最初に鬢付け油を塗る。眉毛も鬢付け油で塗りつぶす。その後、首も顔も白く塗り、眉も塗りつぶす。筆で眉を描くときは自分の眉より少し上に描くとバランスが良いのだそうだ。目じりを赤くして、目から頬にかけてピンクっぽくする。そして小さい口を描く。終始真剣な顔でやっていた。
顔が出来上がって、「可愛くなったでしょ」と壱太郎は言うのだが、隼人の女形の顔は、微妙。
「身替座禅」
錦之助はおおらかな雰囲気の右京だ。普通の侍の拵えの方が錦之助の美貌は引き立つと思うが、右京の衣装もまあまあ似合う。「会いたい会いたい」「やれ嬉しや」「いてくるぞよ~」のような台詞も、感情がこもって聞こえる。花子との逢瀬の後、戻ってきた花道で、思い出し笑いをするのは、まあまあ良い。太郎冠者に花子との逢瀬を語るところの踊りが苦しい。私が観た中では団十郎の次に下手。動きが重い。踊りのうまい人の右京では、ここが一番盛り上がるところだが。去年観た亀治郎なんか、右京のニンではないのに、ここの踊りで盛り上がる。錦之助は踊りがうまくないとしても、どうにか自分の味で見せられるように頑張るべきだ。とりあえず、少し体重を落とした方が良いかもしれない。若造でも爺でもなく、「浮気適齢期」の役者としては一番の二枚目なのだから頑張ってほしい。
彦三郎の玉の井は、出て来ただけで右京が浮気したくなる理由が納得できる、可愛さのかけらもない怖い奥方だった。動きが少し不自由な感じがするのも怖さの盛り上げに一役買っていたかもしれない。
亀三郎の太郎冠者は台詞も動きも良いが、右京や玉の井よりも身分が低い感じがあまりしない。
千枝小枝は壱太郎と隼人。隼人は前に巳之助とやったことがあって、あの時も巳之助に一日の長があったが、今回も、踊りも普通の台詞も壱太郎の方がうまい。隼人は最終的には女形にはならないだろうからしかたないのだが。
「歌舞伎のみかた パート2」
身替座禅の幕が下りたら、壱太郎と隼人が今度は袴姿で出て来た。花道で、客の一人に身替座禅の感想をきいた後、パート1のときにはなかった所作板の説明をした。「足の運びをなめらかにするとともに、このように・・・」と壱太郎が言って、隼人が板を踏みならすと、「音が出るように」と壱太郎が続けた。
幕が再び上がって2人が舞台の方に行き、後ろの板に描かれている松は老松と良い、狂言や能を元にした作品のときに後ろにこの絵が置かれる、このような演目を「松羽目物」という、と説明した。身替座禅は狂言の花子がもとになっていて、芝居の中にも狂言で使われているようなこんな台詞が出てきます、と2人で実際にその台詞を言った後、狂言の説明になり、テレビの「日本語であそぼ」の中でこんなのを見たことがあるでしょう、と言って、2人で肩を組んで「ややこしやー」と言って動いて見せた。
身替座禅のときに後ろに並んでいた演奏の人達を、前の列が鳴りもの、後ろの列は長唄、と説明してくれた。私は鳴りものというのは楽器を演奏する人一般をいうのかと思っていた。長唄というのは、歌う人だけでなく三味線の人もいうのか。知らなかった。
狂言が元になった作品の一つ、「棒しばり」の一部が幕切れだった。壱太郎が棒に両腕をくくりつけられる次郎冠者、隼人は後ろ手に縛られる太郎冠者。2人そろって踊るところだ。渡された扇を開くのはうまくできたが、開いた扇を放って、もう片方の手で受け取る見せ場を壱太郎は失敗した。しかし、壱太郎の踊りがうまいのはよくわかった。一心会の鷺娘が楽しみだ。
七月大歌舞伎 ― 2010/07/18 02:03
2010年7月12日 新橋演舞場 午後4時半開演 1階3列40番
上手の一番端の席で、座席が横の壁とくっついている。前に荷物を置くのに都合が良かった。舞台の上手端よりも上手の席なので疎外感があり、睡眠不足のせいもあって、よく眠った。
3演目とも寝たり起きたりの状態だったが、「暫」で権五郎が登場する時と、引っ込むときは起きていた。花道の七三で言う台詞が息子の時と同じだ、と当たり前のことを思った。今回は、歌舞伎座が休場中のような内容が追加になっていた。他には、武衡の段四郎が貫録があって良いとか、巳之助は思い切って声を出すようになったとかを感じた。
二演目目は「吃又」。吉右衛門の又平は可愛くないので好きではないが、芝雀のおとくは優しくて情がある女房で好きだ。修理之助役の種太郎は声がずいぶん大人っぽくなった。難しい時期だ。
何度も観た演目だが、相変わらず主人公に全く同情できない。絵師がどもりで何が困る?水木しげるは片腕がないのだぞ。師匠から名前がもらえないのがそんなに悲しいのか? 虎を描き消したの、描いた絵が向こう側に抜けたからと名前をくれるおかしな流派。一体何の比喩なのだ。
最後は「馬盗人」。三津五郎と歌昇が出るので大いに期待していた舞踊だが、2人とも完全に馬に食われていた。黒い馬は前半はわりと大人しいが、三津五郎の次に巳之助が踊りだしたら、前の方に歩いて来ていっしょに踊りだした。足を曲げたり、後ろ向きでこちらを振り向いたり。歌昇ともいっしょに踊って、顔を寄せたりしていた。最後は三人を舞台に残し、馬が六法で花道を引っ込んだ。こういうのは大好き。他の動物にも踊ってほしい。
上手の一番端の席で、座席が横の壁とくっついている。前に荷物を置くのに都合が良かった。舞台の上手端よりも上手の席なので疎外感があり、睡眠不足のせいもあって、よく眠った。
3演目とも寝たり起きたりの状態だったが、「暫」で権五郎が登場する時と、引っ込むときは起きていた。花道の七三で言う台詞が息子の時と同じだ、と当たり前のことを思った。今回は、歌舞伎座が休場中のような内容が追加になっていた。他には、武衡の段四郎が貫録があって良いとか、巳之助は思い切って声を出すようになったとかを感じた。
二演目目は「吃又」。吉右衛門の又平は可愛くないので好きではないが、芝雀のおとくは優しくて情がある女房で好きだ。修理之助役の種太郎は声がずいぶん大人っぽくなった。難しい時期だ。
何度も観た演目だが、相変わらず主人公に全く同情できない。絵師がどもりで何が困る?水木しげるは片腕がないのだぞ。師匠から名前がもらえないのがそんなに悲しいのか? 虎を描き消したの、描いた絵が向こう側に抜けたからと名前をくれるおかしな流派。一体何の比喩なのだ。
最後は「馬盗人」。三津五郎と歌昇が出るので大いに期待していた舞踊だが、2人とも完全に馬に食われていた。黒い馬は前半はわりと大人しいが、三津五郎の次に巳之助が踊りだしたら、前の方に歩いて来ていっしょに踊りだした。足を曲げたり、後ろ向きでこちらを振り向いたり。歌昇ともいっしょに踊って、顔を寄せたりしていた。最後は三人を舞台に残し、馬が六法で花道を引っ込んだ。こういうのは大好き。他の動物にも踊ってほしい。
伝統芸能の今 ― 2010/07/24 03:59
2010年7月15日 浅草公会堂 午後1時開演 1階お列19番
最初の演目は大好きな「道成寺組曲」。しかし、今回は素囃子ではなく舞囃子。謡と踊りがついた。三兄弟の掛け声を聞くのは気持ちが良かった。謡の坂口貴信は初めの方は暗い舞台の正面後方にうっすらと背後霊のように見えていたが、声がさわやかで力強く、よく見えるようになったら顔もなかなか端正だった。踊りの亀治郎が前にいても声は遮られずに聞こえていた。亀治郎は下手から、座っている囃子方の間を縫うように動いていた。自分の好みとしては素囃子の方が良かった。
次は「座談会」。上手と下手に分かれて床几に座っていて、雰囲気は勘太郎と七之助の公演の「芸談」風。しかし、内容は最初に広忠がいったように「演説会」だった。今回も前回同様「がんの子供を守る会」のためのチャリティー公演なので、一人一人、この基金が必要な理由や、会の活動に対する思いを語った。亀治郎はタテ板に水のしゃべりで、、「選挙に出るなよ」と心配になるほどだった。大河ドラマに出演していた時、銀座で赤い羽根の募金をしたら、道行く人が一斉に目をそらすので頭に来た話が面白かった。4人の話の後、「がんの子供を守る会」の人が出て来て話をした。この人は去年紀尾井ホールで話をされた時は書いたものを読んでいたが、今回は何も見ないで話をしていた。去年は、三兄弟の雰囲気に亀治郎が馴染んでないと思ったが、今年は、既に何回も公演をやって今日が千秋楽のせいか、まとまった雰囲気だった。
昼の部と夜の部の休憩時間にそれぞれ15枚、広忠が使用した大鼓の皮に皆のサインが入ったものを1枚20000円で売る、と言っていたが、さばけただろうか。
次は一調「屋島」。広忠の大鼓と坂口貴信の謡。きょうはこれが一番良かった。力強く、すっきりしている。
最後は舞踊「藤娘」。亀治郎は藤姐さんという感じ。顔から受ける印象は雀右衛門系だが、女らしさが不足している。技術的には高いが、ギスギスした女という印象を受ける。うまいとは言えても、綺麗とは言えない藤娘だった。
最初の演目は大好きな「道成寺組曲」。しかし、今回は素囃子ではなく舞囃子。謡と踊りがついた。三兄弟の掛け声を聞くのは気持ちが良かった。謡の坂口貴信は初めの方は暗い舞台の正面後方にうっすらと背後霊のように見えていたが、声がさわやかで力強く、よく見えるようになったら顔もなかなか端正だった。踊りの亀治郎が前にいても声は遮られずに聞こえていた。亀治郎は下手から、座っている囃子方の間を縫うように動いていた。自分の好みとしては素囃子の方が良かった。
次は「座談会」。上手と下手に分かれて床几に座っていて、雰囲気は勘太郎と七之助の公演の「芸談」風。しかし、内容は最初に広忠がいったように「演説会」だった。今回も前回同様「がんの子供を守る会」のためのチャリティー公演なので、一人一人、この基金が必要な理由や、会の活動に対する思いを語った。亀治郎はタテ板に水のしゃべりで、、「選挙に出るなよ」と心配になるほどだった。大河ドラマに出演していた時、銀座で赤い羽根の募金をしたら、道行く人が一斉に目をそらすので頭に来た話が面白かった。4人の話の後、「がんの子供を守る会」の人が出て来て話をした。この人は去年紀尾井ホールで話をされた時は書いたものを読んでいたが、今回は何も見ないで話をしていた。去年は、三兄弟の雰囲気に亀治郎が馴染んでないと思ったが、今年は、既に何回も公演をやって今日が千秋楽のせいか、まとまった雰囲気だった。
昼の部と夜の部の休憩時間にそれぞれ15枚、広忠が使用した大鼓の皮に皆のサインが入ったものを1枚20000円で売る、と言っていたが、さばけただろうか。
次は一調「屋島」。広忠の大鼓と坂口貴信の謡。きょうはこれが一番良かった。力強く、すっきりしている。
最後は舞踊「藤娘」。亀治郎は藤姐さんという感じ。顔から受ける印象は雀右衛門系だが、女らしさが不足している。技術的には高いが、ギスギスした女という印象を受ける。うまいとは言えても、綺麗とは言えない藤娘だった。
第7回 一心會 ― 2010/07/31 21:17
2010年7月30日 浅草公会堂 午前10時55分開演
暑いと言ってもきょうは30度程度。雨降りなのが嫌だが、浅草に出かけた。自由席なのでもっと早く出かけたかったが起きる根性がなくて、着いたのは開演20分前くらいか。 1階の後2列は招待席になっているし、前にまわって空席を探したが良さそうな席は全部何か置いてあって空いてなかったので、2階に行った。2階の上手の2列目に座った。浅草歌舞伎で座ったことがあるが舞台全体が見える良席だ。
下手から勘十郎、傳次郎が出て来て挨拶。スターウォーズのロボットのように体型が対照的な2人。「お足もとのお悪い中・・・・」と始めた勘十郎は三十歳になったそうだが、もっと若いときから老成した感じに見えた。立場の重さか体型か。しかし話の内容は、軽薄ではないが、別世界の人という印象でもない。会というのは一回目は勢いでできるが二回目をやるのが大変で、赤字も出したそうだ。僕たちも最後までいますから、今いらっしゃるお客さんも最後まで帰っちゃいけませんよ、顔覚えてますから、となかなか楽しい挨拶だった。全部素踊りだというので期待が高まった。
清元「四季三葉草」
翁 勘十郎、千歳 男虎、三番叟 廣松。
男虎は、左団次や男女蔵のように大きくなく、小柄で華奢。ひょっとすると将来は女形か? 素踊りで女形の踊りを踊るのは大変だと思うが、真面目に一生懸命やっていた。廣松は男性的で大きくて伸びやか。摺り足で花道まで行き、そこで舞台に向かって構えた姿勢がかっこ良かった。舞台に行って踊っているときは音楽に乗れているのかどうか多少不安に感じたが力強さがある良い踊りだった。翁の勘十郎は全然レベルが違ううまさで、見とれた。きょうは、この最初の演目だけに4000円払っても惜しくない気分だった。
長唄「藤娘」 坂東新悟
細身で長身のおにいさんが踊る藤娘。でも女らしくしとやかで好感が持てた。藤の花が下がっているのはいつもの舞台と同じだが真ん中の松の木がなくて、屏風がある。しかしかえってすっきりして綺麗な舞台だった。新悟は腕を開くと長い首と相俟って鳥のよう。藤娘より鷺娘を踊ってほしい。
清元「玉兎」 坂東やゑ亮
女性?子供?と迷うらうな華奢な人だが、「かぶき手帖」を見たら彦三郎の弟子で、平成5年生まれ。踊りはとてもうまかった。
長唄「白酒売」 中村京三郎
直前のやゑ亮と比べると急におっさんが出て来たような印象。でも楽しい踊りだった。
常磐津「屋敷娘」 中村京由
素踊りなので、男装の麗人風。
この後、お弁当を買いに出たので「相生獅子」はパス。階段を降りたところで、スーツ姿の松江が入ってくるのを見た。玉太郎が出るから観に来たのだろう。
常磐津「三人形」
奴 中村蝶三郎、若衆 中村京純、傾城 中村京珠
蝶三郎がとってもうまかった。京純と京珠は似通った雰囲気の綺麗系の若者。京屋は綺麗なお弟子さんが多い。素踊りなので、傾城が褄をとるように袴を少し持ち上げているのが面白かった。
清元「子守」中村梅丸
袴姿の上にねんねこを着ている。子守の格好と男の子の髪型がそぐわなくてちょっとおかしいが踊りは良かった。2年前に「囃子の会」で観たときは師匠ともども踊りは下手だと思ったが、その後稽古を積んだのか、梅丸はうまくなった。自信を持った踊りだった。
長唄「「鷺娘」中村壱太郎
素踊りの鷺娘は勘十郎のも観たが、そのときと振付が同じかどうかはわからない。勘十郎のときは傘は使わなかったが、今回は傘を使っていた。小ぶりの傘を二つ。私は踊りは観るのが好きなだけで個々の振りの呼び方とかを知らないので、言葉にして記憶することができないのが残念だ。普通の「鷺娘」のように衣装の引き抜きがなく視覚的な刺激が少ないので、少し前に食べたお弁当のせいで眠気が襲ってきて、最後の方は、気がついたら鷺娘が舞台に横たわっていて、終わりだった。
清元「山姥」 山姥 勘十郎、怪童丸 玉太郎、木樵実は三田の仕 亀三郎
「鷺娘」と「山姥」が、たぶん技術的には今日のピークだったと思う。お弁当の後だったので、かなり眠ってしまったのが残念だ。勘十郎は、上に一枚薄物を羽織っていた。
長唄「七福神」 大谷廣太郎
弟と同じで伸びやかなのは良いが、少し迫力が足りない。
次の「茶音頭」はパスして、何か飲み物を買おうとロビーに行ったら、女性たちに囲まれている美少年がいた。梅丸らしかったので、ツーショットの写真をとったりサインをもらっている人達に交じって、携帯で写真を一枚とらせてもらった。スーツにネクタイで、綺麗にしている。中学2年だそうだ。見ず知らずのおばさんにも写真用の素敵な笑顔を作ってくれるのが、流石にプロ。
清元「文売り」 藤間勘奈凰
中に台詞が入る。ベテランの踊り手さん。
常磐津「粟餅」 中村蝶之介、中村吉二郎
2人で餅をついたり、いろんな踊りを踊ったり、楽しい演目だった。
長唄「娘七種」 五郎 種之助、十郎 米吉、静 隼人
一番背が高くて大人っぽい隼人が何故か女形。将来的に女形になることもないだろうに、真面目に勤めている。種之助は、とてもうまい。流石に歌昇の息子だ。米吉は、まあまあ。隼人が年上に見えるのだが、「かぶき手帖」で調べたら、みんな平成5年生まれで、隼人だけ遅生まれで1学年下なのだ。
清元「北州」 藤間咲良
これは、舞踊会ならではの、上級者向けの踊りだった。きょうはたまたま、隣に座った方が日本舞踊をされている方で、ご祝儀ものの踊りで、中にいろいろな踊りが入っていると教えてくれた。歌舞伎の舞台でよく見る楽しい踊りではないが、踊りを堪能した。藤間咲良さんは勘十郎さんの内弟子で、最近めきめき力をつけているという若手の舞踊家だった。
長唄「近江のお兼」 藤間勘洋舞
さらしを振る踊り。若くて元気な踊り手さん。
常磐津「末廣狩」 大名 澤村國矢、太郎冠者 市川左字郎
狂言を元にした舞踊だ。台詞が多かった。しかし、國矢も左字郎も踊りがうまかった。もっと舞踊度が高いのを見たい。
長唄「越後獅子」坂東亀寿
亀寿の踊りは初めて見たが、悪くなかった。
清元「浮かれ坊主」坂東亀三郎
袴姿の上に絽の羽織。今回は歌舞伎俳優は平成生まれが中心で、亀三郎は「上置き」というべきか。踊りはなかなか良かった。
常磐津、長唄「奴道成寺」 白拍子花子実は狂言師右近 種太郎、所化 廣太郎・種之助・米吉・廣松・隼人・男寅・梅丸・やゑ亮
素踊りなので、所化は紋付袴の格好だった。その先頭が勘十郎で、しんがりが亀三郎で「きいたかきいたか」と言いながら花道を歩いて舞台に行った。この中で種之助・米吉・廣松・隼人・やゑ亮が平成5年生まれ。舞台に並んで順番に台詞を言った。テンガイを持っていたのが隼人。隼人は背が高く、首が長く、肩が薄くて華奢。遠くから見ると西洋人の美少女のような体型だ。
種太郎は、左右に所化が居並ぶ中、最初は黄色い地の短い着物を羽織って出て来た。あれがない方が動きがよく見えるのにと思った。その着物を脱いだ後、お面を三つ使って男女を踊り分けた。種之助は歌昇に似て負けん気が強そうな顔をしているが、種太郎はもう少し色男系の要素がある顔をしている。
暑いと言ってもきょうは30度程度。雨降りなのが嫌だが、浅草に出かけた。自由席なのでもっと早く出かけたかったが起きる根性がなくて、着いたのは開演20分前くらいか。 1階の後2列は招待席になっているし、前にまわって空席を探したが良さそうな席は全部何か置いてあって空いてなかったので、2階に行った。2階の上手の2列目に座った。浅草歌舞伎で座ったことがあるが舞台全体が見える良席だ。
下手から勘十郎、傳次郎が出て来て挨拶。スターウォーズのロボットのように体型が対照的な2人。「お足もとのお悪い中・・・・」と始めた勘十郎は三十歳になったそうだが、もっと若いときから老成した感じに見えた。立場の重さか体型か。しかし話の内容は、軽薄ではないが、別世界の人という印象でもない。会というのは一回目は勢いでできるが二回目をやるのが大変で、赤字も出したそうだ。僕たちも最後までいますから、今いらっしゃるお客さんも最後まで帰っちゃいけませんよ、顔覚えてますから、となかなか楽しい挨拶だった。全部素踊りだというので期待が高まった。
清元「四季三葉草」
翁 勘十郎、千歳 男虎、三番叟 廣松。
男虎は、左団次や男女蔵のように大きくなく、小柄で華奢。ひょっとすると将来は女形か? 素踊りで女形の踊りを踊るのは大変だと思うが、真面目に一生懸命やっていた。廣松は男性的で大きくて伸びやか。摺り足で花道まで行き、そこで舞台に向かって構えた姿勢がかっこ良かった。舞台に行って踊っているときは音楽に乗れているのかどうか多少不安に感じたが力強さがある良い踊りだった。翁の勘十郎は全然レベルが違ううまさで、見とれた。きょうは、この最初の演目だけに4000円払っても惜しくない気分だった。
長唄「藤娘」 坂東新悟
細身で長身のおにいさんが踊る藤娘。でも女らしくしとやかで好感が持てた。藤の花が下がっているのはいつもの舞台と同じだが真ん中の松の木がなくて、屏風がある。しかしかえってすっきりして綺麗な舞台だった。新悟は腕を開くと長い首と相俟って鳥のよう。藤娘より鷺娘を踊ってほしい。
清元「玉兎」 坂東やゑ亮
女性?子供?と迷うらうな華奢な人だが、「かぶき手帖」を見たら彦三郎の弟子で、平成5年生まれ。踊りはとてもうまかった。
長唄「白酒売」 中村京三郎
直前のやゑ亮と比べると急におっさんが出て来たような印象。でも楽しい踊りだった。
常磐津「屋敷娘」 中村京由
素踊りなので、男装の麗人風。
この後、お弁当を買いに出たので「相生獅子」はパス。階段を降りたところで、スーツ姿の松江が入ってくるのを見た。玉太郎が出るから観に来たのだろう。
常磐津「三人形」
奴 中村蝶三郎、若衆 中村京純、傾城 中村京珠
蝶三郎がとってもうまかった。京純と京珠は似通った雰囲気の綺麗系の若者。京屋は綺麗なお弟子さんが多い。素踊りなので、傾城が褄をとるように袴を少し持ち上げているのが面白かった。
清元「子守」中村梅丸
袴姿の上にねんねこを着ている。子守の格好と男の子の髪型がそぐわなくてちょっとおかしいが踊りは良かった。2年前に「囃子の会」で観たときは師匠ともども踊りは下手だと思ったが、その後稽古を積んだのか、梅丸はうまくなった。自信を持った踊りだった。
長唄「「鷺娘」中村壱太郎
素踊りの鷺娘は勘十郎のも観たが、そのときと振付が同じかどうかはわからない。勘十郎のときは傘は使わなかったが、今回は傘を使っていた。小ぶりの傘を二つ。私は踊りは観るのが好きなだけで個々の振りの呼び方とかを知らないので、言葉にして記憶することができないのが残念だ。普通の「鷺娘」のように衣装の引き抜きがなく視覚的な刺激が少ないので、少し前に食べたお弁当のせいで眠気が襲ってきて、最後の方は、気がついたら鷺娘が舞台に横たわっていて、終わりだった。
清元「山姥」 山姥 勘十郎、怪童丸 玉太郎、木樵実は三田の仕 亀三郎
「鷺娘」と「山姥」が、たぶん技術的には今日のピークだったと思う。お弁当の後だったので、かなり眠ってしまったのが残念だ。勘十郎は、上に一枚薄物を羽織っていた。
長唄「七福神」 大谷廣太郎
弟と同じで伸びやかなのは良いが、少し迫力が足りない。
次の「茶音頭」はパスして、何か飲み物を買おうとロビーに行ったら、女性たちに囲まれている美少年がいた。梅丸らしかったので、ツーショットの写真をとったりサインをもらっている人達に交じって、携帯で写真を一枚とらせてもらった。スーツにネクタイで、綺麗にしている。中学2年だそうだ。見ず知らずのおばさんにも写真用の素敵な笑顔を作ってくれるのが、流石にプロ。
清元「文売り」 藤間勘奈凰
中に台詞が入る。ベテランの踊り手さん。
常磐津「粟餅」 中村蝶之介、中村吉二郎
2人で餅をついたり、いろんな踊りを踊ったり、楽しい演目だった。
長唄「娘七種」 五郎 種之助、十郎 米吉、静 隼人
一番背が高くて大人っぽい隼人が何故か女形。将来的に女形になることもないだろうに、真面目に勤めている。種之助は、とてもうまい。流石に歌昇の息子だ。米吉は、まあまあ。隼人が年上に見えるのだが、「かぶき手帖」で調べたら、みんな平成5年生まれで、隼人だけ遅生まれで1学年下なのだ。
清元「北州」 藤間咲良
これは、舞踊会ならではの、上級者向けの踊りだった。きょうはたまたま、隣に座った方が日本舞踊をされている方で、ご祝儀ものの踊りで、中にいろいろな踊りが入っていると教えてくれた。歌舞伎の舞台でよく見る楽しい踊りではないが、踊りを堪能した。藤間咲良さんは勘十郎さんの内弟子で、最近めきめき力をつけているという若手の舞踊家だった。
長唄「近江のお兼」 藤間勘洋舞
さらしを振る踊り。若くて元気な踊り手さん。
常磐津「末廣狩」 大名 澤村國矢、太郎冠者 市川左字郎
狂言を元にした舞踊だ。台詞が多かった。しかし、國矢も左字郎も踊りがうまかった。もっと舞踊度が高いのを見たい。
長唄「越後獅子」坂東亀寿
亀寿の踊りは初めて見たが、悪くなかった。
清元「浮かれ坊主」坂東亀三郎
袴姿の上に絽の羽織。今回は歌舞伎俳優は平成生まれが中心で、亀三郎は「上置き」というべきか。踊りはなかなか良かった。
常磐津、長唄「奴道成寺」 白拍子花子実は狂言師右近 種太郎、所化 廣太郎・種之助・米吉・廣松・隼人・男寅・梅丸・やゑ亮
素踊りなので、所化は紋付袴の格好だった。その先頭が勘十郎で、しんがりが亀三郎で「きいたかきいたか」と言いながら花道を歩いて舞台に行った。この中で種之助・米吉・廣松・隼人・やゑ亮が平成5年生まれ。舞台に並んで順番に台詞を言った。テンガイを持っていたのが隼人。隼人は背が高く、首が長く、肩が薄くて華奢。遠くから見ると西洋人の美少女のような体型だ。
種太郎は、左右に所化が居並ぶ中、最初は黄色い地の短い着物を羽織って出て来た。あれがない方が動きがよく見えるのにと思った。その着物を脱いだ後、お面を三つ使って男女を踊り分けた。種之助は歌昇に似て負けん気が強そうな顔をしているが、種太郎はもう少し色男系の要素がある顔をしている。
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