十月花形歌舞伎 ― 2006/10/22 22:20
2006年10月21日 松竹座 夜の部 午後4時開演 2階6列15番
2006年10月22日 松竹座 昼の部 午前11時開演 1階14列9番
「染模様恩愛御書(そめもようちゅうぎのごしゅいん) 細川男敵討(ほそかわのかたきうち)」
2階席後方は花道が見えないので今回の演目では欲求不満になる。ただ、照明がどう当たっているか、とスモークの出方はよく見えた。火事場の場面ではスモークとテープの火の粉が舞っているスペースが前方に見えて、1階に座った経験がなければ一体下はどうなってるんだろうと思っただろう。
1階14列9番の席は、全体が一番よく見通せた。前の方の席にいたときは気づかなかった、数馬が友右衛門が袂に入れた艶書に気づいてドギマギする様子もわかって面白かった。客先もそれを見て沸いていて、はじめの期待は外れたが全体として軽めのボーイズラブとしては楽しめるものだと思った。
前回とは演出が変わった点がいくつかある。
数馬が登場して間もなく、杜若を手にするシーンで、前は杜若が天井から降りてきていたが後ろの花の中から摘むような、より自然な設定になっていた。
寝所から出てくるとき、数馬が袴の紐をしめようとしている。前は着物がヨレッとしていただけのような気がする。
二幕目で、前は花道から客席の後ろ通路から上手通路を走り抜けていた友右衛門と数馬が、舞台から下手通路に降りるようになった。上手通路から舞台に駆け上がった後、階段を上がって上段のでっぱりのところで数馬がつまづいて転び、友右衛門が「数馬」と言って駆け寄り寄り添うシーンは前はなかった。日曜昼はここで「ご両人!」とかかった。
友右衛門の焼死体が舞台に置かれたときの数馬の嘆きも前より目立つようになったと思う。前は初めに駆け寄ったあと、「殿の御前じゃぞ」と言われて離れてからあんなに声を出して泣いてはいなかった気がする。
二幕目のはじめの「歌舞伎体操」の後でしのすけの父親が「歌舞伎体操のふりがちがいますらよ。そんなことでどうする。2階のロビーで歌舞伎体操のCDと・・・」というのも前はなかった。その続きで、しのすけが医者に診てもらつているとき、胸を診られてアンアン言ってるのも前はなかったような気がする。
役者はみんなそれぞれ役が身についてきたと思った。カーテンコールは愛之助も染五郎も上手から出てくる。カーテンコールでは二人は見詰め合うこともなくそっけなく感じた。
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