永楽館大歌舞伎 2010年2010/11/09 23:07

2010年11月7日 永楽館 午前11時開演 ほ-10


去年は城崎温泉に泊ったが、今年は、その隣りの駅の竹野に泊った。一駅だから大して変わらないと考えたのが浅はかで、竹野は電車が一時間一本くらいしか来ないので、城崎温泉のときより、移動の自由度がかなり低くなった。電車とバスの連絡が悪くて、出石のバス停に開演55分前に着くか、2分前に着くかの選択で、バス停から永楽館まで2分ではいけないので、55分前に着くのを選択するほかなかった。 「休暇村 竹野海岸」は、景色も料理も素晴らしかったが。

出石は去年より人が多く、観劇後に入ったおそば屋さんも、私が出た時は入り口に行列ができていた。去年は、涼しかったけれども8月だったので観光客が少なく、今年は秋なので、人がたくさん来ていたということだろう。 これも休日だからで、永楽館で役者の口上を聞いたら、平日はあまり人がいないようだ。

永楽館は、去年は演目と出演者が書いてある小さい団扇をくれたが、今年はなかった。

「近頃河原の達引」

初めて観た。数年前に歌舞伎座でやったときは仁左衛門が出ないから観なかったのだが、観ておけばよかった。 主役の与次郎役を愛之助は我當に教わったそうで、たしかに我當がやったら良いだろうな、と思う人情味あふれる役だ。

お俊役の吉弥は、老け役が多いが、あでやかな女の役が似合う。与次郎が愛之助がだと「えっ、いもうと~?」と驚くような貫録だ。

与次郎が自分と妹の布団を敷くが、与次郎には敷布団しかない。あれだったら、真ん中で折って中に挟まって寝れば良いか、と見ていたら、与次郎は布団といっしょにぐるりと回り、ロールケーキのようになった。

与次郎とお俊が寝た後、お俊の恋人の伝兵衛役の薪車が花道から登場して、戸口でお俊を呼ぶ。お俊が伝兵衛を中に入れると与次郎が気づいて起き上がり、伝兵衛を追い出そうとして間違えて妹の方を外に出してしまう。この辺は喜劇。

薪車は祝言のときの留袖がよく似合う。

愛之助は、2人の祝言のために猿回しをしながら歌うところは、うまい。芝居全体としては、形だけという印象が強い。年代的に貧乏な生活を見たことがないだろうし、役が身体に馴染んでくるには、もっと人生経験が必要かな、と思う。


「口上」

去年は口上はなかった。出演者が少ないので、一人一人が長くしゃべる。いたって真面目にしゃべっていると思えた竹三郎が最後に「私は愛之助さんより二つほど上なので」としれっと言うので、みんな爆笑。吉弥が噛んだり、薪車が「~です、はい」と言ったりで、場内大受けだった。 薪車の口上をはじめて聞いた。スラスラしゃべれる人だ。

前の演目の猿の人形は操り人形なので、プロが天井にいて動かしているのかと思っていたが、吉弥が口上で、自分も動かしたことがあると言っていたので、役者がやっているのかと驚いた。

「吉野山」

今回、はじめてスッポンを使ったそうだ。人力で持ち上げるので、愛之助の忠信がスッポンから現れてもすーっと上がってこないで、つっかえながら上がってきて、最後のもう一息で少しつかえていて、やっと最後まで持ち上がってほっとする、みたいな感じだった。最後は、私が観るのは南座の勘三郎以来の、狐にぶっかえって、狐六法で引っ込む型だった。