獅子虎傳阿吽堂 VOL. 62011/11/28 22:22

2011年11月27日 世田谷パブリックシアター 午後6時半開演 1階O列上手

7月の「伝統芸能の今」は土壇場で仕事が入って行けなくなったので、三兄弟を見るのは久しぶり。きょうは、萬斎と染五郎という「2大スター」がゲストのせいか、1階の後ろ半分の脇に、立ち見客までいた。そんな中で、ものすごく見やすい席で見ることができたのは三響会さまのおかげです。

壱 歌舞伎囃子『「勧進帳」より延年ノ舞・滝流し』

歌舞伎囃子なので、広忠は出ない。大鼓は、田中傳八郎。歌舞伎用の、黄色っぽい皮の大鼓だ。笛は福原寛。そして、 三味線が今藤長龍郎、龍市郎、杵屋勝正雄。

弐 一調『八島 後』

萬斎と広忠。最初に南座で観た三響会のときにも聴いた。きのう愛之助が踊った「屋島」にも、これにも「思いぞいずる壇ノ浦」という言葉が出る。

久しぶりに聴く広忠の大鼓の音が心地よかった。

参 レクチャー

前に張り出した正方形の舞台に椅子が五脚置かれ、二と三に分かれているようだった。先に三兄弟が出てきて自己紹介した後、萬斎と染五郎が出てきた。二人ともきれいな男だが、染五郎は背が高くて等身が違い、色男だ。染五郎が好きな広忠は「やっぱり近くでみるとかっこいいですね」と言っていた。

この後の演目「二人三番叟」に関連して、三番叟についての話題が多かった。操り三番叟の中で、三番叟が後見の引く糸に操られているように見えるシーンは、二人とも音楽に合わせているのだと思っていたが、染五郎の話では、後見が糸を引く動きをする前に、三番叟の後ろで足を一歩踏み入れてトンと音を出すのが合図で、伏せている三番叟が腕を動かすという。染五郎は、三番叟が操られているように歩いてくるところとか、片足を滑らして足を開いて閉じる動きなどを見せてくれた。足の動きがよく見える席だったので、よくわかった。操り三番叟のときは、足が見えるように普段より短か目に袴をはくのだそうだ。「ムーンウォーク風ですね」と言われ、ムーンウォークもして見せた。


四 三響會版『二人三番叟』

レクチャーのときに傳次郎が、この劇場の照明のすばらしさに触れていたが、それを意識して観ると、確かに照明が効果的に使われている。

お囃子、三味線、長唄は舞台後方にいる。
最初、萬斎が下手、染五郎が上手に控えていて、その二人のいる場所だけが明るくなっている。萬斎が先に踊った。萬斎の三番叟を観るのは四回目だが、今回が一番良かった。近すぎず遠すぎずの、一番条件の良い席で観たからそう感じるのかもしれないが。気が入っていて、強さがあった。
萬斎が下手に戻った後、染五郎が踊りだした。レクチャーのときに、初めて二人で踊りを教わりに行ったとき、振り付けの勘十郎が全部踊って見せてくれて拍手した、という話をしていた。やはり勘十郎の振り付けなのだ。「大入」という字を書くように手を動かしているらしい。

鈴の段の前に、二人で舞台で鈴を手にとった。染五郎は上手に戻り、鈴と扇をもって座った。先に萬斎が踊り出し、途中から染五郎も正方形の舞台に出てきて踊りだした。神事である能の三番叟の純粋で素朴なな動きと、娯楽用にアレンジされた歌舞伎の三番叟の華やかな動きが、ひとつの舞台の上に見えた。
終わった一瞬、ライトが落ちて二人の姿がうっすら見える程度の暗さになり、次の瞬間真っ暗になった。

南座のときは下手と上手で踊っている別々の踊りを見たという印象だったが、今回はガチンコ勝負という感じだった。狭い空間と照明をうまく使って、一体感のある完成度の高い舞台になっていた。

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