平成二十四年度 巡業 中央コース2012/07/29 03:33

2012年7月28日 鎌倉芸術館 午後12時半開演 1階17列5番

「ご挨拶」
1、2分遅れて行ったら、藤十郎が舞台の真ん中にすわって口上をしていた。
この巡業は近松座三十周年記念ということだ。私ははじめの方の女殺油地獄、心中天網島、百合若大臣を観た。

「夕霧名残の正月」

夕霧が死んだ後、伊左衛門が夕霧の墓参りをして、眠っているときに夕霧が現れ、いっしょに楽しく踊る、「二人椀久」と似たような話の舞踊。

禿役が虎之助。一人で踊るのをはじめて観た。台詞を聞くと、芝居がすきそうな子に思える。お父さんと同じで頭が良さそう。うまい役者になりそうな気がする。

太鼓持役の亀鶴は、このメンバーだと背が高く見える。踊りがうまい。

夕霧役の扇雀は顔が華やか。

藤十郎は、若旦那の伊左衛門の雰囲気にぴったり。幕切れの形も綺麗だった。

「曽根崎心中」

壱太郎のお初、翫雀の徳兵衛。

壱太郎はずいぶん落ち着いた。ひたすら可愛かった梅川のときとは違う。

2人とも下手じゃないが、つまらない。たぶん話としてはそんなに面白くないので、人気があったのは藤十郎のエキセントリックな恋する女に魅力があったからだろう。壱太郎と翫雀は2人ともクールすぎる。最後の心中の幕が長く感じる。

亀鶴は、持ち役(?)の九平次。悪役だが、この一座の中ではスラリとした二枚目。翫雀と役を取り替えたらどうだ。

久右衛門役は嵐橘三郎。この役は我當が良かった。

國矢と芝のぶが出ていて嬉しかった。國矢はイケメンだが、踊りがうまいせいか女形もかなり良い。