片岡愛之助トークショー2014/02/23 23:28

2014年2月23日 ホテル日航新潟 朱鷺の間 午後3時半~4時半

新潟駅からタクシーで会場のホテルに行ったが、雪の欠片も見えなかった。新幹線からは越後湯沢以降、雪景色が続いていたので、雪国を歩けるものとワクワクしていたのに。愛之助もトークの中で同じことを言っていた。

トークショーのときの食事はおまけだから内容に期待していないのだが、ここのはなかなか豪華だった。洋食と中華がチャンポンに出てくるコースで、特に洋食が気に入った。前菜の中の「海の幸のジュレ」、フォアグラのソテー、デザートのチョコレートとオレンジのテリーヌが特においしかった。中華の方も久しぶりに蓮の葉包みのおこわが食べられて嬉しかった。
私のチケットには食事の場所として「鳳凰」と指定してあったが、場所をきいたら30階だったので、下に変更してもらった。3階の「桃李」というレストランで食べた。食事の途中に窓の外を見たら雪がチラホラ舞っていた。さすが新潟。

トークショーの会場は「朱鷺の間」。椅子が並んでいて、チケットの番号を見つけて座る。私は最前列で、壇上の花が正面に見えた。左右の大きなスクリーンに愛之助の顔が映るようになっていた。

最初に司会の中井美穂が出て来た。
その後、愛之助が遠くの方の通路を通って壇上へ。きょうは三つ揃いだ。中井が花の近くの下手に、愛之助が上手に腰かけた。

(トークの内容)

・新潟について。愛之助は巡業で来たことがあるらしい。中井は、大阪からみると東北は遠くないか、と訊く。(新潟は東北ではないけれども)
なぜかというと、中井はお母さんが燕でお父さんが福島の出身。親戚中、東の人間なのに、旦那が初めて兵庫。

・2月はシスティーナで「フィガロの結婚」というのを歌舞伎でやった。
歌も歌って、気持ち良かった。
宝塚、新喜劇の人たちも出演して、それぞれいかにもそれらしい演技をする。上杉祥三は歌舞伎が好きで、初めは全然違う演技だったが、歌舞伎役者の演技をじっと観察していて、だんだん歌舞伎のようになった。

そういうのも歌舞伎でやるんですか、という中井の質問を受けて、「GOEMON」の話も。要所をよく押さえてよどみなく話すので感心した。各所で使いまわしてるのかもしれないが、一度はきちんと頭の中で組み立てておかないとあんな風にスラスラと口から出てこないはず。
GOEMONは赤毛だから眉も赤くしないとおかしいので化粧を変言い、阿国にフラメンコを教えるのでこんな風にステップを踏んで・・・と言って足を動かしたのが見えた。

・江戸と上方の違い
簡単には言えないが、江戸の男はすっきりしてかっこいい。上方は、つっつくところぶので「つっころばし」と呼ばれるようなのとか、情けない。たとえば「すしや」の権太は関西では「ごんたくれ」という言葉の元になったようなやんちゃな男。それを江戸の役者が見て江戸バージョンを作った。そうすると、権太がかっこいい男になる。上方版のは自分と仁左衛門、我當くらいしかやらないが、江戸の役者が見るとイメージが違う権太に驚く。

・新しい歌舞伎座が建って銀座の歌舞伎座が中心と思われているかもしれないが、歌舞伎は元々関西発祥。
関西では孝夫が出ている芝居でも二階には人が数えるほどしか入っていない時代もあった。13代目仁左衛門は私財を投げ打っても関西で歌舞伎興行をしようとした人。その後、澤村藤十郎や当時の勘九郎などの努力もあって、関西での歌舞伎人気が回復した。

・愛之助としては切符をもっと安くしてほしい。自分が座頭のときは会社に言ってなるべく安くしてもらう。ここで会社の悪口を言っても始まらないが殿様商売で、何もしなくても客が来ると思っている。巡業も各地一日ずつではその日は都合で来られない人もいるので、もっと長くやりたい。

・歌舞伎観たことない人、と訊いた。テレビは観たうちに入らない、と言って歌舞伎の舞台を観たことがない人に手を上げてもらったら、けっこうな数いたようだ。私の隣りにすわっていたお嬢さんたち2人も手を上げていた。最前列に座るような人の中に2人も、まだ歌舞伎観たことがない人がいるんだったら、新規顧客獲得に成功しているのではないだろうか。

・中井は、こども歌舞伎スクール「寺子屋」というのが始まるにあたり、部屋子で歌舞伎の世界に入った愛之助に、「何が必要ですか」と尋ねた。愛之助の答えは「やる気じゃないですかね」
愛之助には、今までやめたいと思うような危機はなかった、という。
日舞は歌舞伎役者にとって重要で、日舞の素養がなければ舞台を歩くこともできない。子供の時、師匠の花柳寿々が良かったので、面白いと思って通っていた。

・この後の仕事について
4、5月は三谷幸喜の「酒と涙とジキルとハイド」。愛之助の役はジキル。本は全然できてなくて、古い映画を見ただけ。
わかっているのは、愛之助と藤井隆が二人で一役、優香が一人二役ということ。
(古い映画はたぶん、スペンサー・トレーシー主演のものだろう。前にテレビで見たが、あれはスペンサー・トレーシーが二役で、イングリッド・バーグマンが娼婦役で出ていた)
三谷幸喜は筆が遅いので、愛之助としては「もう当日までに書けばいいよ、三谷さん」と覚悟している。

テレビの2時間サスベンスで主役をやる。

楳図かずお監督の映画「マザー」で楳図の役をやる。
グワシの指の形をしてみせた。
有名な吉祥寺の家以外に高尾にも家があって、そこでも打ち合わせをした。

・半沢について
下手の方から「黒崎さ~ん」と声がかかった。(このトークショーでは「松嶋屋!」がなかった)
黒崎役はたまたま六月の歌舞伎座で三部中の一部しか出ていなかったのと、七月は昼の部にしか出ていなかったのでできた仕事。ディレクターの福澤克雄から話があった。この人は福沢諭吉のやしゃごで、ラグビーをやっていて、大きい。ジャイさんと呼ばれているが、それはドラエモンのジャイアンから来ている。
オネエ役なので二十歳くらいだったらやらなかったかもしれない。他の役者たちにも「よく引き受けたね」と言われた。
黒崎はまるで悪役のようだが、悪いことはちっともやっていない。半沢の方が書類を隠したり、よっぽど悪いことをしている。上野の美術館の大階段のところで撮影した。五大陸の撮影のときも同じ階段を使った。

最近は有名になりサインを頼まれることも多いが、電車の中でゲームやってるときにサインを頼まれたりすると気まずい。

・最後に、お客さんから質問受け付け。
質問1.「一か月ひまだったら何がしたいか」
愛之助「日本各地を車で旅行したい」
中井「一人で行くんですか」
愛之助「そうですねえ、愛一郎でも連れて行きましょうか」

質問2「どんなゲームが好きですか」
愛之助「ポコパン」と言って、ゲームの内容を簡単に説明。自分の最高点が〇〇万点で、友達がその二倍くらいでショックを受けたようなことを言っていた。

トークの後、中井と愛之助にホテルの関係者が花束を贈呈し、記念写真を撮っていた。