伝統芸能の今 20152015/09/01 01:36

2015年8月30日 横浜能楽堂 午後3時開演 1階7列10番

湘南新宿ラインが遅れたので少し遅刻した。最初が「トーク」で、上妻宏光のしゃべりの途中だった。次が広忠で、募金してほしいと客に訴え、例年通り、使い終わった大鼓の皮に全員のサインが入ったものを一枚5万円と言って、見せた。いつもは開演前のロビーでプログラムを売ったり募金を受け付けたりしていたが、ばらけるということで、猿之助の発案で今年は開演前の募金はやめたらしい。そのかわり、トークと次の演目との間の休み時間をつぶして、猿之助と村治奏一が募金箱を持って客席を回り始めた。私が座っていた正面席には村治奏一が回って来たので1000円入れた。10000円寄付した人には亀治郎の会のポスター進呈、ということだったが、すぐに終わりになっていた。亀治郎は後半、正面席の方にも来た。
傳左衛門と逸平は今年はいない。二人とも大好きだが、トークの顔ぶれを見ていて、今年はイケメン率が高いなと感じた。

「組曲百花」

最初は広忠と坂口貴信で一調。たぶんトークでタイトルを言ったのだろうが、聞きのがしたのでわからない。プログラムにも書いてない。古典で混じり気のないこの番組がとても好もしい。 
藤原道三は尺八を吹きながら橋掛かりから歩いて出て来た。たまゆらの時よりも良いと思った。
村治奏一は、武満徹のギター曲「エキノクス」と、ギターを変えてもう一曲。これはトークでタイトルを聞いたのだが、忘れてしまった。
上妻宏光は、一度聴いたことがある「紙の舞」。
最後は「獅子」で、太鼓が傅次郎、その隣りに津軽三味線の上妻、大鼓の広忠、そして尺八の藤原道三。兄弟の咆哮も聴けて、いつもの小鼓が津軽三味線と尺八に入れ替わって、面白い趣向だった。


「葵上」
間に休憩がなく次の演目。演奏は女性二人。猿之助の地唄舞は初めて観たかもしれない。能舞台だから足を鳴らすとよく響く。後半が良かった気がした。

この後、休憩。

「鉄輪」
最初に傅次郎が縦置きの大き目の太鼓といっしょに舞台に座った。上手に藤原道三、坂口貴信が座り、下手に広忠、上妻、村治奏一が腰かけた。朗読の猿之助が真ん中に座る。猿之助以外は演奏家なので、きょうはすごく猿之助中心の感じ。

「鉄輪」と言えば私は山岸凉子の漫画「貴船の道」の冒頭を思い出す。「葵上」といい、きょうは夫の浮気がテーマなのか。

朗読のバックミュージックのように周りの演奏家たちが演奏する。最初の方は村治奏一のギターの爪弾きが多かった。「云ふより早く色かはり~」の後しばらくは広忠と坂口貴信。猿之助の朗読は地の文より台詞が良いし、中でも女の台詞の箇所が良い。

後半、女の夫は安倍晴明に助けを求める。ここからは「陰陽師」の晴明を思い浮かべて朗読を聞く。前半の女の話より、こちらの話の方が面白い。

最後は演奏だけになり、猿之助は着物を羽織って鬼の姿になって真中に出て来た。橋掛かりのところで着物を外し手にもって引きずって引っ込んだ。

引っ込んだ後、もう一度全員で出てきて拍手を受けた。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://wonwon50.asablo.jp/blog/2015/09/01/7765890/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。