松竹座 7月大歌舞伎 夜の部2006/07/18 23:13

松竹座 10月 蔦模様血染御書

松竹座、10月のポスターです。

2006年7月18日 午後4時半開演 1階6列20番

「一條大蔵譚」

かすかに遅刻。着席したときは鬼次郎(愛之助)とお京(孝太郎)がもう舞台に出て台詞を言っていた。去年の勘三郎襲名披露では仁左衛門と玉三郎がやった夫婦役だ。愛之助の鬼次郎は声と口跡がよく、一生懸命やっているところが役のまっすぐな性格に合っていてとてもよかった。仁左衛門がやるには、単純すぎる役なのだろう。去年は特に感動しなかった。玉三郎にも特に合った役とは思わないが、孝太郎と比べると、これが玉三郎だったら、と願う箇所がいくつかあった。茶屋の主人が「若い時分の二人連れ、後でしっぽり・・・」と言うところ、お京が踊るところ、仁左衛門の大蔵卿が美しさにみとれて長椅子から転げ落ちるところ、など。

仁左衛門の大蔵卿は、ものすごくうまいだろうと予想していったので、現実が予想を超えることはなかった。まあ、こんなもんだろう、という感じ。似た顔の愛之助と同じ舞台に出ているが、やっぱりこの人綺麗な顔をしている、と思った。

「京鹿子娘道成寺」

最初に所化達が花道から出てくる。翫雀、壱太郎、進之介、孝太郎、愛之助、その他の役者さん、の順。番付を見ると、平成若衆に出ていた役者さんたちもたくさん出ている。愛之助は進之介より背は低いが肩幅は負けていない。二人の間の孝太郎が華奢に見える。愛之助は袂から天蓋(タコ)を出す役だ。花子について「生娘、生娘」という所化と「白拍子、白拍子」という所化に分かれるが、愛之助は白拍子派。花子との問答では「して、舞姫とは?」と尋ねた。

花子が入ってきて、所化達が後ろに並びみんなお辞儀をして、劇中口上になった。藤十郎の芝居がかったところが結構好きだ。

舞尽くしは、この日は松之だったと思う。無事に終了。

私にとって道成寺は玉三郎が基本になってしまっていて、誰の道成寺を見ていてもいつも玉三郎の道成寺を思い出している。

「魚屋宗五郎」

菊五郎の宗五郎を見るのは二回目。前回同様すっきりした江戸っ子の宗五郎で、おもしろい芝居だった。 父役の團蔵が若すぎる感じを受けた。それ以外はみんな適役。