人間ドック一日目に歌舞伎座千秋楽 ― 2007/03/26 20:51
今年の人間ドックはホテルに泊まらないで2日目は自宅から行くことにした。中央線が止まることもあるし明日の朝については不安なのだが自分の部屋に帰ってきて洗濯そのほかの用足しができるのはたすかる。直接の理由は、会社の人からいただいたPCチケットセンターというところの歌舞伎のタダ券が抽選でもらえる葉書二枚を出したら一枚があたり、きょうの歌舞伎座の夜の部のタダ券があったからだ。最後の演目は見ないで「すし屋」まで見ることにしたが、ホテルに泊まると夕食時間のしばりなどがあって不便と判断した。
葉書を出して当たった席は3階Bで12列の7。後ろから三番目くらいの席だが花道をあきらめて役者の顔はオペラグラスで見ることにすれば舞台全体がよく観える良い席だった。きょうは幕見に外人がたくさん来ていた。幕見席はイヤホンガイドもないし、見てるだけで楽しいかと心配だったが小金吾討死の立ち回りは上から観ると綺麗だから料金分は楽しめたかもしれない。
遠くから見るとお里役の孝太郎は動きもよく、今月は本当にいいできだ。時蔵の維盛は七之助に比べて権太一家を気の毒に思っている様子を表情に出している。 今朝は早起きだったし昨夜は寝つきが悪かったので権太が梶原と話しているところの記憶がない。権太の最後の長台詞はますます磨きがかかっていた。それでも私はあの台詞では泣けない。大物浦の安徳帝の「そなたが行きゃるならどこにでも行く」の方が泣ける。
最初の見た権太が愛之助のだったせいか、権太はあんな風に骨太でがっちりして太い足の田舎者の方が正しいのではないかとも思う。愛之助は特に自分の妻子を縛って花道を出てきてからの悲劇の演技は良かった。前半の演技の方がひょっとすると難しいのかもしれない。戸を蹴り開けて入ってきてからしばらく何かばたばたした印象を受けたこと、「しゃあないガキやな」というシーンに理由はわからないが違和感を感じたことを思い出すが、仁左衛門だとそれがない。なぜなのかわからない。
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