魔笛2007/07/24 23:06

魔笛のチケットをくれた友達から電話があって、日比谷シャンテの上映はもうじき終わると言われたので、23日に会社を半休して1時から魔笛を見た。

平日の昼のせいか客席の平均年齢が高い。

この映画について、オペラの「魔笛」だが舞台の録画ではなく映画のような作り、という以外は何の予備知識もなく行ったので歌い手の第一声が「ヘルプミー」だったのには驚いた。ケネス・ブラナー監督だったわけだ。この後、歌舞伎座に回る予定で、歌舞伎のときに寝ると嫌なので「魔笛」では眠ってもかまわないと思っていたが、傷ついたパミーノを見つけた若い看護婦3人が「魅力的な若い男を見るのは嬉しいことだ」と言ったり「この男は私が残って看てるからあんた達は2人は~」と争ったりするのが面白かったので気を入れて見始めた。

プログラムによると、第一次世界大戦の塹壕戦から話が始まっていて、夜の女王とパミーノがいっしょに戦車の上に立ったりする。絵が綺麗で脚本も力が入っていて芸術性の高い作品だ。ただ、オリジナルでは高僧のザラストロが、この話では夜の女王に敵対するグループの指導者に置き換えられていて、「指導者を讃える群衆」の様子が全体主義国家を思わせる。最後の方は敵が負けるのが簡単すぎてつまらない。これはたぶんオリジナルのストーリーも同じだ。ただオリジナルはイシスやオシリスが出てくる神話の世界で、予定調和的でもそんなものだと受け入れられるのだが、話が現代の世界に設定されていると単純な勧善懲悪はつまらない。

私は全体的には面白いと思って見ていたが、しばらくして出て行く人もいた。入れ替え制なので、前の回を途中から観た、ということではないはずだ。後半、少しウトウトして目覚めたときには私の隣りの人もいなくなっていた。正統派のオペラファンが失望したのだろうか。

音楽の素養がないので、オベラ映画だが音楽については語ることができない。