9月歌舞伎座 夜の部2007/09/06 00:33

2007年9月3日(月) 午後4時半開演 1階12列31番

やや後ろだが、舞台を観るのに前の人の頭がジャマにならない席だった。

「阿古屋」

阿古屋役の玉三郎が琴と三味線と胡弓を弾く。観るのは3回目くらいだが筋がさっぱり飲み込めない(筋書きは買うが筋を読む習慣がないので)。段四郎がやっている岩永左衛門の人形振りさえ覚えていない。眠ってしまうかもしれないと思ったが、今回は楽器を弾く前の玉三郎が綺麗で、斜めに身体をひねりひねりする動きも綺麗で、打掛も綺麗だったので満足だ。楽器を弾いて、ときどき歌もきかせるところが見せ場なのだろうが、飽きる。吉右衛門の秩父庄司が「三味線、やめー」とか言うと、これで一つ終わった、とほっとする。演奏の後の観客の拍手も、ひょっとして終わったのが嬉しくて手を叩いて喜んでいるのではないかと思えてくる。玉三郎の演奏の間、じっと聞き入っている後ろの吉右衛門、段四郎、染五郎にとっても忍耐の時であろう。

人形振りに合わせて台詞を語る人の顔を見ているのが面白かった。

「身替座禅」

今年三組目の身替座禅。しかし、歌舞伎座のこの右京と左団次が一番下手で良いのか? 二人とも踊りが下手。左団次は玉の井のニンに合うのに甘えてていねいさに欠ける。団十郎の下手さも久しぶりにしみじみと感じた。登場して間もなくの台詞の中の「会いたい、会いたい」は感情がこもっていて良かった。花子との逢瀬の後、花子の小袖を着て花道を出てくるが、小袖が映えるどころか「ねんねこ」に見えた。花子との逢瀬を物語る踊りはけっこう長い。団十郎の踊りをこんなに長く見たのは初めてで、途中から「ガンバレ」と心の中で応援した。右京は難しい役なのだ。菊五郎、勘太郎、仁左衛門はうまい人達だったからそれぞれの個性は感じても役の難しさは感じなかったのだ。

染五郎の太郎冠者は無難に演じてはいたが、団十郎と比べて背か高く姿が良いので、家来に見えない。染五郎の方が、もう少し背を盗むなりして右京とのバランスをとった方が良かったのではないだろうか。

「二條城の清正」

何を楽しむ演目なのかわからなかった。

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