珠響(たまゆら) ― 2008/11/20 00:35
2008年11月18日 増上寺 午後3時開演 E-28
増上寺の大殿の下から入り、中の階段を上って本堂に入った。正面に仏像があり、その前には蓮の花の形の飾りがあり、格子の天井には中央と四隅に金色の飾りが下がっていて豪華だった。私は仏像の種類がわからなかったが、演奏者の一人によると阿弥陀如来だそうだ。真ん中にグランドピアノが置いてあった。
開演前に、上手の奥の方からお坊さんが10人出てきて中央に並び、声明をした。お坊さん達が手を合わせてお辞儀をするのに同じ格好で応えているお客さんもいたので、私も手を合わせた。
開演時間になると司会の山口馬木也が出てきて、前半の演奏者を紹介した。
最初は、英哲風雲の会。獅子虎傳で見たことがある和太鼓のグループだ。あの時は小太鼓だったが、きょうはお祭りの時のような大きな太鼓が二つあった。 鼓童のコンサートで味わった、心臓にズシンと響く音だった。この後、小太鼓も叩いた。
次はピアニストで作曲家の稲本響。真ん中に鎮座していたピアノは彼が持ち込んだNYスタインウェイだそうだ。私の席からは稲本の演奏している様子がとてもよく見えた。ピアノの音が素晴らしい。一曲終わって、ピアノの前のスツールにまたがって観客の方を見てしゃべりだした。関西弁のお兄さん。最初に弾いた曲は大塚家具のコマーシャルに使われているものだそうだ。続いての三曲は、ホンダのコマーシャルの曲と、真ん中は忘れたが、三番目は映画イキガミの曲。最後の「さくらメモリー」という曲を弾く前にもう一度客席に向かって話した。去年の春、お祖母様が亡くなる少し前に、大阪は桜が咲いてなかったので東京から桜を持っていった、という話で、去年の浪花花形歌舞伎の時を思い出した。東京は満開だったのに大阪ではやっと開き始めた頃だった。 「さくらメモリー」はノスタルジックな旋律を、ピアノの高音・低音で彩ったような日本人好みの感じの曲だった。
前半最後は尺八の藤原道山。一曲目は「みち」。みちは未知にも通じるし、道山の道でもある、と後のしゃべりの中で言っていた。この曲はシンセサイザーとの共演なのか、何か尺八ではない音が聞こえた。私からは見えないところで誰かが何か弾いていたのか。それが不明だったので、あまり良い印象をもてなかった。次は「空(くう)」という曲。これは尺八だけ。うまいのだろうが、あまり感動しなかった。
前半はピアノ演奏のような比較的静かなとき、低いジーという音が聞こえて気になった。ライトの音かもしれない。もっと気になったのはシャッター音。撮影担当の人だろうが何故コンサートでシャッター音を響かせるんだ!
間に二十分の休憩を挟んで後半。
ギターの村治佳織は、私の席からよく見える下手奥から出てきた。白いドレス。 曲は、マジョルカ、アルハンブラの思い出、タンゴアンスカイ、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」。
最後が三響会で、三兄弟プラス笛の人で道成寺組曲。一番好きな曲なので嬉しかった。笛の人は名前を失念したのだがとても良かった。紀尾井ホールのような残響だった。
全グループの演奏が終わって、ヒューマンビートボックスのMaLという人が口でドラムのような音を出し、稲本と共演した。この二人のリードで客席全体が手拍子し、出演者全員がまた舞台に現れた。三響会は傳左衛門が先頭で、嬉しそうに手拍子を打ちながら下手奥から出てきた。
最後に出てきたお坊さん達がお盆を持っていたので醍醐寺のときのように散華するかと思ったら、やはり散華してくれたが、2列目くらいまでして届かなかったので、コンサートが終わった後、舞台に手を伸ばして一枚いただいた。
珠響(たまゆら)のコンサートは次は2月にサントリーホールでやるし、各出演者の話では、同年代のこのメンバーでずっとこのコンサートを続けて行こうという意向のようだ。
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