日生劇場 十二月大歌舞伎2010/12/12 05:28

2010年12月11日 日生劇場 午後4時半開演 1階P列36番

「摂州合邦辻」は、前に国立劇場で藤十郎が玉手をやったとき、とても感動した。

菊之助の玉手は、きちんとした女という感じで、義理の息子に恋していたのはただの見せかけだった、という最後の戻りがそのまま納得できそうだった。好みでいえば、最後の戻りは本心じゃないでしょう、としか思えない、恋する女の匂いを全身から発散していた藤十郎の玉手が好きだった。これは役者の持ち味で、歳を重ねてうまくなったから変わるというものでもないだろう。

全体の配役は、国立のときより年齢的なバランスが良かった。玉手と合邦は本物の親子だし、玉手より少し若い俊徳丸、それより少し若い浅香姫。

前に秀太郎がやった、玉手をいさめる羽曳野の役は時蔵の方がずっとニンだ。東蔵の母役も、母性を感じさせて、この人を見てるとまるで歌舞伎座で観てるような気持になる。父の合邦は、国立のときの我當の方が役に合ってたと思う。藤十郎より年下なのに、なぜか父親らしかった。

俊徳丸の梅枝と、浅香姫の右近の2人が良かった。歌舞伎は踊りが基本なんだとつくづく思う。右近はまだ声は不安定だが、動きがしっかりしているので歌舞伎になっている。

亀三郎の次郎丸はうまい。


「達陀(だったん)」

若い子達の群舞ということで期待が大きかったが、期待外れだった。時蔵の青衣の女のところが、好みの問題もあるが冗長。群舞のところは新しいが、全体に照明が暗くて、席が後ろの方だったのでどれが誰か判別できず、いまいち楽しめなかった。

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