2012 新春浅草歌舞伎 初日 第二部2012/01/03 19:35

2012年1月2日 浅草公会堂 午後3時開演 き列17番

第一部が15分くらい押したので、第二部の開演が10分くらい遅れた。
浅草の初日は何回も観たが初めての経験だ。

年始挨拶は愛之助。素顔に紋付。年始の挨拶、「初日よりかくも賑々しく」の後、立ち上がってマイクをもって花道の方に歩き、自分も来年ここにいるかどうかわからないのでよく見覚えておいてください等と話した後、客席に降りて3人くらいに質問した。プレゼントにもらって嬉しいものは、という質問の答えが「消耗品」だったのは、納得。質問の後、舞台にヒラリと上がって、笑いたいときは笑ってください「常識の範囲で」、拍手したいときはしてください、と言って拍手の練習をした。最後は、隅から隅までずずずいっとー、で締めた。

「敵討天下茶屋聚(かたきうちてんがぢゃやむら)」

愛之助の東間を見るのはこれで三度目だ。イヤホンガイドによると、その前は葉末をやっていたそうだ。今月の葉末は壱太郎。今月の娘役は昼も夜も壱太郎一人で、目立っている。

葉末のいいなづけ早瀬源次郎は巳之助がやっている。源次郎の兄の伊織は亀鶴。亀鶴と巳之助は兄弟と言われても違和感がない。巳之助は、台詞を言っているときの表情が三津五郎に似てきた。やっぱり親子だ。

伊織の妻染の井は春猿。早瀬兄弟に仕える弥助は男女蔵。弥助の弟で、大酒飲みの元右衛門の役は亀治郎。早瀬兄弟の父が東間に殺されたので、兄弟は東間を敵として追っている。

この芝居はそんなに面白いと思わない。しかし、二幕目で、それまで盲目のふりをして目をつぶっていた元右衛門役の亀治郎が、花道七三でぐっと腰を落として目をぱっちりと開き、客席の四方に顔をめぐらした時、亀治郎の芸が凄いと思った。亀ちゃーーん、睨んでーー!と叫びたかった。海老蔵にも負けていない目力。 こんぴらの時は楽しかったが、これほどの凄みは感じなかった。 この後、舞台に戻り、藤棚に上って、引き窓から家に忍び込んで源次郎の金を奪い、兄の弥助を殺す。引き窓から、伸ばした足で下を確かめながら降りる時の足が見もの。ヒーロー的な役は合わないが、この元右衛門の役は亀治郎の当たり役になるだろう。

最後の追いかけでは、亀治郎は花道横の席の人に声をかけて立ってもらい、客席に降り、客席の中に入って隠れたりして逃げ回った。
つかまって、源次郎が台詞を言うと、亀治郎は源次郎役の巳之助に「きょう、客席にねえちゃん来てるよ。ねえちゃんは風林火山のときにオレが世話をした。だから今回はお前が~」みたいなことを言ったが、結局斬られ、元右衛門はそこで死ぬ。

その後、源次郎、葉末、染の井は、敵の東間を待つ。現れた東間は、自分は大坂方に仕えているのだから自分に刃を向けるのは大罪と言う。そこに、花道から片岡造酒頭が現れて、自分は淀の方から敵討ちの許可を得ている、と言う。この片岡造酒頭が亀治郎。それならば、と東間は着物を脱いで、鎖帷子の姿になり、立ち回りをやる。

この少し前に、人形屋幸右衛門役の薪車の立ち回りがあるが、あまりうまくない。先月の喜劇祭りのときの立ち回りを思い出してしまう。それに比べると愛之助の立ち回りはさすがにうまい。結局、源次郎に斬られる。

浪花花形のときは、最後、仁木弾正のような断末魔の見せ場があったが、今回はない。芝居は途中で止まって、最後に舞台の役者が舞台に正座してお辞儀をして終わりになる。

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